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ide LAB.

児童福祉施設心理職のグループ・スーパー・ビジョン@静岡

2018.03.20 08:36

静岡に来て7年。
児童養護施設や乳児院,児童家庭支援センターの心理職の方たちと勉強会を続けてきました。
私自身,施設心理職をしてきて,特に児童養護施設や乳児院のように心理職が1人で働くような臨床の場では,スーパービジョン(SV)が特に大事だと感じてきました。しかも,そのSVは2つあるといいなと思っています。
1つは個別のケースについてのSV。これは一般的なセラピスト養成におけるSVだと思ってもらえればいいかなと思います。
もう1つは施設というコミュニティの中で心理職が活動するためのSV。これは施設内の力動に焦点化し,コンサルテーションを勧めたりするための視点や力を養うためのSVです。

そして,もう1つ。
SVは熟練した人から受けるものであることが多いですが,同じような経験をしている仲間からの視点や支援を受ける機会としてのピアビジョン(PV)が大事だと思ってきました。今でこそ,施設臨床はだいぶ理解されるようになってきましたが,以前はそもそも施設で長く臨床を経験してきた人(熟練した人)がいなかったので,SVを受けに行ったけれど,「生活の中に入るなんて心理のすることではない」と怒られて返ってきた,というような施設心理職の方の話を聞いたこともありました。でも,実は現場で抱えている悩みって周りから見れば些細なことだったり,一般的には良くないと思うけれど,やらなきゃいけないし,やった方がいいかも…と思えるようなことだったりすることも少なくありません。

そんな中で静岡で開いてきた施設心理職のGSVはSVとはなっていますが,ピア(仲間)の力を借りながら施設心理職としての自分の在り方を考えて行く時間になればいいなと思い,続けてきました。
気がつけば40回近く続けてきたことになります。

そのGSVで初めて外部からゲストスピーカーをお招きしてお話を伺う時間を持ちました。
どんな方をお呼びするのがいいかなと思いましたが,まずは参加している心理職の体験に近い話題提供をしてくれる方がいいかなと思い,茨城の児童養護施設で10数年間心理職をされてきた綱川先生をお招きすることにしました。
綱川さんとは以前からいろんなところでお話ししてきましたが,地方の施設で起きていることは必ずしも文献にのっている内容とは一致しない(えーと,もっとはっきり言うと,東京の専門機能強化型児童養護施設みたいなところや管理職の理解のあるところで行われた実践はすげぇなとは思うけれど,自分がいる施設ではなかなかできずに,心理職としての自信が失われていく),というような話をしてきました。そういったところがお話を聞かせて頂くと面白いかなと思った理由でした。

ゲストのお話はやはり刺激的でした。参加者の皆さんの目も輝いていたように思います。
最後に参加者からひと言ずつコメントをもらいましたが,みんなのコメントが結構熱くてびっくりするくらいでした。