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【研究論文】『公立高等学校における性的マイノリティ生徒への対応の現状と課題』

2018.06.26 06:45

昨年度,静岡県内の小中高等学校,及び特別支援学校を対象にした性的マイノリティ生徒への対応の現状と課題についての調査を行いました。すべての学校の養護教諭を通じて学校における性的マイノリティ児童生徒の実態や文科省の通知や手引きを中心とした校内体制づくりの状況を調査し,課題についても検討しました。



養護教諭の多くは性の多様性についての敏感性を持ち,問題意識も持っていることが示されました。また,通知や手引きについても比較的広く周知されていました。ところが,学校全体や養護教諭以外の教員の理解や問題意識というところに目を向けるとなかなか厳しい状況にあるようです。
また,以前文科省が行った全国の学校を対象とした調査では対応が行われているケースが606件挙げられていましたが,実際にはもっと多くの対応が行われているのではないかなと思われるところもありました。「あの子そうかもしれないな…」というレベルでの気付きや対応が必要だと思うけれど,学校全体としては取り組むのが難しかったというケースもあるようでした。

そうしたデータをもとにしてこれから学校でどのようなことに取り組んでいく必要があるかについて言及しています。
義務教育や特支についてもこれから論文として公表していく予定です。


静岡大学図書館のリポジトリからお読み頂けますので,ご参照ください。
『公立高等学校における性的マイノリティ生徒への対応の現状と課題 : 静岡県の養護教諭への調査を通して』
井出智博・松尾由希子・鎌塚優子・山元薫・玉井紀子・細川知子,静岡大学教育学部研究報告(人文・社会・自然科学篇)第68号(2018. 3)71~88