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国立極地研究所一般公開「極地研探検2019」

2019.08.03 04:55


今年度から隣の研究室の村越先生の研究を少しだけお手伝いさせて頂くことになりました。
村越先生の研究テーマは『過酷な自然環境におけるリスクマネジメントの実践知の解明』で、南極越冬隊に同行して極地におけるリスクマネジメントを研究しようという試みです。



私は登山をするのですが、書店で何気なく登山の雑誌をめくると村越先生が書かれた山岳遭難や地図読みの記事に出会います。ランドネちゃんの先生でもあるので、山に登ったり、野外教育をしたりする人はどっかでチラッと目にしたことがあるかもしれません。

で、私は村越先生が越冬隊に行ってらっしゃる間、日本で研究のバックアップをする役目を仰せつかりました。村越先生は常々、「井出さんも南極行ったらいいよ。臨床心理学の研究があってもいいと思うよ」と仰っていたので見習いに加えて頂いたという方がいいかもしれません。


そんなこんなで、「極地研の一般公開があるからいろんな人に会えるし、研究のことも知ってもらえるだろうから」ということで一緒に国立極地研究所の一般公開「極地研探検2019」に行ってきました。



会場は夏休みということもありちびっ子で大賑わい。

でも、ちびっ子だけではなく、極地について研究している研究者や総合研究大学院大学の院生たちの発表には極地好きなおとなたちも群がっていました。

ゆっくりと聞かせてもらった研究は2つ。
そのうちの1つはグリーンランドで行ったニシオンデンザメのバイオロギングについての大学院生の研究でした。ニシオンデンザメは成長がとてもゆっくりで1年に数センチしか成長しないそうですが,体長が6mを超える個体が見つかっていて,単純に計算すると400年以上生きた計算になるそうで,もし,本当にそうだとすると脊椎動物の中でも最年長の生物になるんだそうです(https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/081000304/)。さらに,このサメは泳ぐ速度が著しく遅くて,赤ちゃんがハイハイするくらいのスピードでしか泳げないそうですが,倍以上の速度で泳ぐアザラシを捕らえて食べている痕跡が見つかっているそうで,瞬間的にはとても素早く動けるのではないかと疑われて(?)いるみたいです。そんなニシオンデンザメの生態を明らかにするためのバイオロギング研究なんですが,素敵だったのはちょっとした計算違いがあり,十分なデータが得られませんでしたということまでちゃんと報告してくれたところ。きっとその分野では期待されている先端の研究をする研究者なんだろうけれど,大学院生らしい発表でもありました。





その他にも南極の氷に触れたり、南極での活動を体験できる場所があったり、盛りだくさん。






実は村越先生のお父様はタロとジロで有名な第一次南極観測隊の隊員なので,親子二代にわたって越冬隊に参加される初めての親子でもいらっしゃいます。そんなわけで,極地研のいろんな資料を説明してくださったり,隊の裏話なども伺えました。





そんな一日のベストショットはコチラ。





南極観測用雪上車になってご満悦の二人です。