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【研究論文】『セクシュアルマイノリティ児童生徒への スクールカウンセラーによる支援の現状と課題』

2020.01.06 00:20

「セクシュアルマイノリティ児童生徒へのスクールカウンセラーによる支援の現状と課題:肯定的カウンセリング効力感に注目して」が『静岡大学教育学部研究報告.人文・社会・自然科学篇』70に掲載されました。
性の多様性に関するスクールカウンセラー(SC)の理解に関する現状や課題などについてはこれまで調査をされてきませんでしたが,この論文ではSCの性の多様性に関する理解の現状や課題,あるいはSC自身の性の多様性に関連する相談活動についての効力感について検討しました。




端的には
・文科省が示した性の多様性に配慮した教育相談体制の構築についての通知や手引きについてのSCの理解はそれほど進んでおらず,特に手引き(性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け))についてはおよそ半数のSCが把握していなかったと回答している。
・また,通知や手引きについては学校を通して知るというより,本や論文,校外の研修等で知ることが多いため,SC向けの研修に通知や手引きを含めた性の多様性についての研修が増える必要があると考えられる。
・効力感に関しては,性の多様性に開かれた学校づくりを進めていく時に,児童生徒の様々な声をもとに学校づくりを進めていくために学校体制の変革に働きかけるようなアドボカシーに関する効力感は過去にセクシュアルマイノリティの児童生徒の相談に対応した経験の有無にかかわらず低く,SCにはアドボカシーに関する意識を高く持ってもらったり,具体的な取り組みが行えるような力をつけてもらう必要があることが示唆された(もちろん,前提にあるのは学校(特に管理職)の理解が進むこと…)。

本文は静大の学術リポジトリからご覧いただけます。
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