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Mi bandoneon y yo - Archive by Natsuki Nishihara

新トリオお披露目ライブとフェミニスタのデモ

2018.03.11 18:27

先週末、尊敬する友人でピアニスタのYazmina Raiesのトリオのデビューコンサートが

Celta barというところでありました。

フェデリコ-ベリンジェリトリオを敬愛する彼女、編成は

Yazmina Raies(シャスミナ・ライエス)ピアノ

Mariana Borghi(マリアナ・ボルギ)コントラバス

そしてわたくしバンドネオン、3人共女性のトリオです。

この日は、現在エルアランケでも専属歌手をつとめる、

Juan Villarreal(ファン・ビシャレアル)を迎えて。


彼女のピアノもアレンジも、選曲も人柄も、とても素敵なんです。

本番直前、舞台袖にて


普段衣装は黒が多いわたしたち、この日は女子は白で!という事でした。

またこのデビューコンサート前夜、3月8日のdia de la mujer(”女性の日”)には

女性グループという事でラジオLa 2X4に出演、生放送にてフライングお披露目。

(出来たてホヤホヤの、本番をする前のグループの出演はほとんどない事なのだそうです)

その演奏はフェイスブックでもライブ中継されアーカイブに残っています。

私のフェイスブックのタイムラインでシェアしていますので、ご興味のある方は是非。

ラジオもコンサートも無事に楽しく終わりました。


また次の本番も続々決まっていて、それに向けてリハーサルを続けています。

ちなみにこのトリオでの今後のスケジュールは、

3/13 ミロンガ ベンタニータ・アラバル 23hs

3/21 トルクアート・タッソー 22hs ピアノソロレコ発コンサート、ソロ&トリオ

4/28 ミロンガ ソナタンゴ 26hs

5/1 サロン・カニング 25hs

です。(記録用という事で、ざっくり。。)


そして”女性の日”の当日は、2015年のNiUnaMenosデモ、2017年同日に引き続き3度目となる

DV、性犯罪の根絶や性差別の廃止などを主張するフェミニスタの大規模なデモがありました。


デモ行進にはタンゴに関わる女性たちのグループも。

行く先々、友人たちとも話していて自然と行き着くテーマです。

トリオのメンバーはそのデモに参加していたこともあり、ラジオのトークタイムでも、勿論そのテーマについて。

一部のタンゲリア(観光客向けのショーを行うタンゴハウス)では、女性ミュージシャン(バンドネオン、コントラバス、ピアノ、ヴァイオリン)がお仕事するのは禁止のところや、仕事に呼ばれても男装しなくてはいけないところなどもあります。

タンゴの歌詞にもマチスモ(男性優位社会)が色濃く映し出されているものもあり、

「マチスモ的な歌詞のついているタンゴは歌いません」とマニフェストしている女性歌手もいます。

タンゴはマチスモの文化から生まれたもの、

ただ、だからと言っていつまでもそのままにしておくわけにはいかない、

デモはそんな意思表示です。


celta bar でのトリオコンサート中の彼女のMCでも、

”いつまでも古臭いことやめよう、もう2018年なんだから!”

”女性トリオにしようと思ってメンバーを決めたのではなく、一緒に弾きたいと思って声を掛けたメンバーがたまたま女性だっただけ。そこに性の分け隔てはない。”

などのコメントにも会場は男女共にそうだそうだー!ブラボー!!と湧いていました。

私的には日本ではフェミニストというとなんだか出る杭は打たれるようなイメージがあるのですが、この国ではデモの規模も大きく、ごく一部の人たちが声を上げているわけではありません。私の周りは芸術に関わる人・左派が多いという事もありますが反フェミニスタの声もあまり聞こえてきませんでした。

デモの様子。8M=8 de marzo=3月8日

ちなみに、デモの中で皆身につけている緑のスカーフや緑色は、妊娠人工中絶手術の合法化を目指す意思表示のサイン。

アルゼンチンはカトリック教会が強く、妊娠中絶手術が法律で認められていません。

と言っても、出来るところも存在し、安全でない闇手術で命を失う女性も多く問題になっています。

ただ、ここ首都ブエノスアイレスにいるとデモも大規模で中絶手術合法化を支持する声がよく聞こえてくるのでてっきりアルゼンチン国民の大半の意見なのだと思っていたのですが、

アルゼンチン全域の世論調査では、合法化賛成派44%・反対派41%、なのだそうです。

色々な事情が絡み合っていて難しい問題もありますが、

少なくとも私の見える部分では一人一人女性が意見を持ち、SNSなりなんなりでも自由に主張し、女性が一致団結して世の中を変えようとしている、という印象です。

このような大きな動きがある事で人々の意識が向けられ、身近なところでは少しずつ変化していっているように思います。