これまでいただいたご質問からのピックアップ…9【曇っている時に屋外で明るく撮影する方法】
残念ながら、撮影時には、どうにもならないこともあります。
屋外での撮影の場合、天気による写り方の違いも、そのひとつだと思います。
そんな場合は、画像加工ソフトに頼ってしまいましょう。
ベストとはいかないまでも、希望する結果に近づけることはできるかもしれません。
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質問内容【曇っている時に屋外で明るく撮影する方法(どんよりした雰囲気をなんとかしたい)】
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晴れていようが、曇っていようが、室内であろうが、屋外であろうが、写真を明るく撮るためには「露出補正」を調整します。
ただ、質問の意図が「明るい“印象”の写真」であったり、晴れているときのように「メリハリのある写真」にする方法だとするなら、残念ながら「露出補正」だけでは補うことができません。
悪天候の中で撮影した写真(加工前)
ほとんどのデジタルカメラは、“色鮮やかさ”“明暗のメリハリ”このふたつの要素に、物足りなさを感じやすいと言われています。
ただでさえ“鮮やかさ”や“メリハリ”が感じづらいのなら、どんよりと曇っていたならなおさらです。
そのためでしょうか、カメラメーカーは、“鮮やかさ”や“メリハリ”を強制的に際立たせて撮るための調整機能を搭載しています。
しかし、その機能に頼るとするなら、撮影時にいちいち設定しなくてはなりませんし、その結果についても、小さな液晶画面で確認するのはかなり難しいことです。
そこで、photo-zemi(フォトゼミ)が、いろいろなセミナーでもおすすめしているのは、画像加工ソフトでの調整です。まあ、当たり前と言えばあたりまえなのですが。
撮影時には、「露出補正」を調整して写真の明るさだけを考えて撮影します。
そして撮影後に、画像加工ソフトを使って【彩度(色鮮やかさ)】と【コントラスト(明暗のメリハリ)】をやや高める調整をするのです。(とても簡単で数分でできることです。)
ちなみに、photo-zemi(フォトゼミ)では、撮影したほぼすべての写真に、【彩度】と【コントラスト】の調整を加えています。
そうして加工してみると。
加工前と比べてみましょう。
「トリミング」「明るさ」「シャープ」などの加工に加えて、【彩度(色鮮やかさ)】と【コントラスト(明暗のメリハリ)】の調整機能は、ほとんどの画像加工ソフトに搭載されている機能なので、ぜひ試してください。
加工前
加工後
※これは余談で、個人的な推測なのですが、最近の広告映像や写真は、彩度とコントラストがかなり高めに調整されている傾向があるように感じています。
その理由として、スマホのような小さな画面の端末で見たとき、しかも、自宅や事務所のように限定された環境ではなく、屋外など明るい環境でもしっかりとわかるように、と考えてのことではないかと思っています。
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デジタル写真は、「撮影」と「加工」をセットで考えるのが正解なのではないかと考えています。
特に、商用写真では、必要とする結果に近づけなくてはならないので、撮影時にできないのなら、撮影後の画像加工に頼るしかありません。
画像加工は、やり過ぎると違和感や不自然さにつながってしまいますが、できることをに知らずにいて、“撮ったまま”というのは、ちょっともったいないのではないでしょうか。
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