ハウジングコーチをご存知ですか?
よしみ事務所
建築士 吉見 紀子
「理想の住まいは3度建てないと叶わない」という話を聞いたことがありますか?
住まいを作る際に、時折、聴くのがこの話しです。
1度でも、住まいを手に入れたことのある人ならば知っているかもしれません。
世の中には「普請好き」と呼ばれる方がいて、住まいを数度作ったり直したりされる方がいます。もちろん、こういった住み方も楽しいです。建築を作る側からしても、「普請好き」の方とお仕事するはとても楽しいことです。
ですが、一般的に3度も住まいを建てるのは大変な作業です。
時間もお金も勿体ないですよね。
なぜ、3度建てないと理想の住まいにならないのでしょうか?
それは「こんな住まいに住みたい!」という要望が、ご本人の本当の望みとずれているからなのです。自分の思っていることが本当の望みではないことがあるのです。
その「ずれ」に気づかず住まいを作ると「何か違うなぁ」と感じるようになります。
実際に出来たモノと思っていたモノとが違う「違和感」。
その違和感を感じることで、ようやく自分の本当の望みに気が付くのです。
「本当はこうしたかったんだ~!」と。
3度建てると自分が望んでいることも分かりますし、「こうしたい」を伝えるのも上手くなります。
なので「理想の住まいは3度建てないと叶わない」と言われるのです。
では、その自分の望みを知るにはどうしたらいいのでしょうか?
1度で理想の住まいを手に入れるには、どうしたらいいのでしょうか?
そこで使われるのが「コーチング」という技術です。
「コーチング」とはコミュニケーションの技法で、対話によって、又は質問を投げかけてそれに答えることで、自分の本当の望み,本心が分かるという技術です。
「ハウジングコーチ」は住まいに特化したコーチングです。
今まで住んできたおウチのお話しから、身に付けるモノを選ぶときのこだわりまで、様々なことを聴いていきます。そして
「どんな暮らしがしたいのか?」
「どんな気持ちを住まいで味わいたいのか?」
「その暮らし,住まいが手に入ったときに、どんな自分になりそうか?」など
いろんな質問を投げかけて、本当の望みを探ります。
これらの質問を通常2時間~3時間かけて聞いていきます。その間、ひたすら質問に答えることで「新しい住まいで本当はこう暮らしたい」が見えてきます。それをあえて言葉にすることで、それが唯一無二の住まいのコンセプトになるのです。
そのコンセプトに沿った住まいなら、自分が思っている住まいと実際の住まいが全く違う事にはなりません。
自分の思いと住まいが一体になる~そんな住まいがスタンダードになるよう、皆さまに「ハウジングコーチ」を知って頂きたいと活動しています。
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