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道路とLRTとカーフリーデー

2018.12.09 15:15

栗原正明建築設計室

栗原正明

資料提供:一般社団法人カーフリーデージャパン


都市が魅力的である為には建物だけでなく道路や広場、公園などのオープンスペースも魅力的なものでなければならないと思う。特に道路は都市の性格を大きく左右するから、それをどう使うかと言う事を真剣に考えなければならない。

掲載した写真は70人が移動する時に必要な道路上の面積を比較したもので、自動車は54台(注1)、自転車は70台、バスは1台となっている。一目見て解るように自動車が断然効率が悪く空間を贅沢に使ってしまう。自動車は便利で多くの人が使う乗り物だけれど、環境や安全の面でも問題が有り、街中では厄介な存在である事が多い。世界的に見れば都市の中心部では自動車、特に自家用車の利用をある程度制限し、交通手段は徒歩と自転車、それに公共交通を中心にすると言う事は常識になっていると思われる。

私は以前から「横浜にLRTを走らせる会」の一員として活動を行い、「横浜カーフリーデー」にも参加をしている。LRTとはLight Rail Transitの略で、日本語にすれば「次世代型路面電車システム」。バスより速く時間に正確で地下鉄より建設費が少なく、人や街に近い優れた公共交通システムだ。一方カーフリーデー(注2)を日本語にすれば「車の無い日」。都市の一部に一日自家用車を使わない地域を設けて交通や環境、生活について考える機会とする社会実験で、毎年世界中の2000以上の都市で行われている。今年2018年の「横浜カーフリーデー」は9月23日に日本大通りと横浜公園を主な会場として行われ、約15000人の来場者が有った。

横浜の中心部の近い将来の姿として、カーフリーデーが発展したような形で交通の主役が徒歩と自転車、公共交通となり、LRTが走るようになれば素晴らしいと思っている。

(注1):国土交通省「道路交通センサス」の2010年のデータより約1.3人/台として計算。(注2):正式名称は「ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー」。9月16日から22日まで一週間のモビリティウィークを行い、最終日にメインイベントしてカーフリーデーを行う事が一般的。