海岸に廃材でつくったとんぼを設置する
5’st一級建築士事務所
久保田恵子
以前『木を選びに山へでかけよう』という記事では、家づくりに使われる木という材料がどこからどのように来たのかな? ということを書かせて頂きました。
さて今回は、建築材料として出荷されたけれど廃材となってしまった木たちのはなしです。
無垢の木は、アルミや鉄・プラスティック等の工業製品とは違い、生きものですので、細い材は特に、反りやねじれが出てしまうことがあります。
大工さんは、1本1本状態を見ながら工事を進めてくれていて、そのような材料は選外ではじかれます。そこで廃材の誕生。
地元の工務店に廃材をいただき、茅ケ崎の有志で “とんぼ(グランドなどを均す道具)” をつくって海岸へ設置する活動をしています。
江ノ島から茅ケ崎までは、R134号線より海側にサイクリングロードが設置されていて、海を見ながら散歩したり走ったりできる、みんなに愛されている場所ですが、防砂林より海側にあるため、強風ですぐ砂で埋もれてしまいます。
そんなときにとんぼがあると、ちょっと砂をよけることが出来るのです。
たくさん砂が堆積したときは、神奈川県さんが重機でよけてくれますが、 日常 “できる人ができる時にとんぼ掛け” をすることで、みんなが快適につかうことができるのです。とんぼをかけることで、運動にもなるし、砂遊びみたいで楽しい上に、みんなから、ありがとうございます、とお声掛け頂けたりもして。
実際、うれしいことに、とんぼかけたよ、使わせてもらってるよ、という声を聞いたり、かけてくださっている方をみかけたりするようになってきました。
とんぼに色をつけたりして、楽しく使ってもらえるようデザインしています。
ぜひこちらへお出での際見かけたときはお手にとって、砂かきしてみてくださいね。
山や森、川、そして海。
そして町、そこに住む人々。生き物。
みんな繋がり循環しています。
たかがとんぼ、されどとんぼ。
とんぼが、少しでも暮らしや環境のことを考えるきっかけになるといいな。
2代目とんぼ
サイクリングロードに設置
4代目とんぼ