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みんなの株・証券用語辞典

第4章-2 主な株式には、どのようなものがあるか?

2020.05.01 15:00

日本国外で発行される株式について説明します。


■外国株

海外に籍を置く会社が発行する株式。

国内投資家が外国株を取引するには、証券会社に「外国証券取引口座」を開設する必要がある。


インターネット証券を中心に、国内の一般の個人投資家でも外国株を買いやすくなってきました。

でも手数料と為替リスクに気をつけて!


日本国内の証券会社を通じて外国株を売買する方法には、「外国委託取引」「国内店頭取引」「国内上場外国株式を売買する方法」「カントリーファンドや外国ETFを売買する方法」の4つがあります。



■米国株

ニューヨーク証券取引所やNASDAQ証券取引所といったアメリカの証券取引所に上場している株式のこと。


朝起きて、寝ぼけまなこで米国株をチェックしたところ、大暴落にビックリ目が覚めた!

反対に値上がりしてガッツポーズ!


世界の経済大国である米国は、証券市場も世界最大です。それだけに、米国株の動向は世界中から注目されます。NYダウやナスダック総合指数は日本でも大きく報じられます。米国株に連動して翌朝の日本の株価が動くのは珍しくありません。

日本の個人投資家が米国株を取引するには、ほとんどの場合、日本の証券会社に注文を出します。ただし、証券会社により取扱銘柄が異なります。大手のインターネット証券会社の数社では、2014年時点で、 3,000銘柄以上の米国株の取引ができるようです。

日本の市場に上場している株式に銘柄コードがあるように、米国株にも銘柄を識別するコードがあります。「ティッカーコード」と呼ばれ、 アルファベット大文字1~4文字で構成されています。



■ADR 

米国市場で外国企業の株式を裏付けに発行する証券で、米ドル建ての記名式で譲渡可能な預り証書。株式を所有するのと同じ効力がある。


株のようで株でない、規制によって直接投資のできない新興国などの株式を、米国市場で取引できる形にしたものがADRです。


ADR(American Depositary Receipt:米国預託証書) は、米国の投資家が米国外の会社に投資できるように作られた、米国市場に上場する証券です。

日本をはじめ、欧米各国やBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、 南アフリカや台湾など、世界中の数多くの優良企業がこのADRの制度を使って証券を発行し、米国市場に上場しています。日本からニューヨーク市場やNASDAQ市場に注文を出すことで、日本からの投資が難しい国々の株式にも投資できます。また、ADRは、ニューヨーク市場やNASDAQ市場の上場株式とほぼ同じ開示基準が適用され、一般にADRの発行会社の情報開示は厳格で情報量が豊富だといえます。

2008年の法改正により、ADRの対象になっている会社が関与せず に米国の預託銀行がADRを発行できるようになりました。これを「ス ポンサーなしADR」といい、本来のADRが「スポンサー付き」です。



■中国株

中国の会社が発行する株式。香港市場と、中国本土の上海市場・深セン市場がある。

A株は人民元建て、B株は外貨建て。


日本国内の証券会社のうち数社は、中国株に特に力を入れ、中国株に特化した社風をアピールしています。豊富な情報力が特徴です。


中国の証券取引所は、香港、上海、深センの各市場です。 上海と深センは、本土と呼ばれます。それぞれの本土市場は、中国国内投資家および特定の条件を満たした投資家向けの「A株市場」と、中国人および中国から見た外国人投資家が取引できる「B株市場」があります。つまり日本の投資家が中国株を取引するには、香港市場、上海B株、深センB株という選択肢となります。香港市場は香港ドル建て、上海B株市場は米ドル建て、深センB株は香港ドル建てで取引されています。A株は人民元建てで取引されています。

香港市場には、「H株」や「レッドチップ」と呼ばれる銘柄があります。 H株は中国本土で登記され中国本土で事業展開をし、香港市場に上場する純中国企業です。レッドチップは海外で登記された会社が中国本土で主な事業を行い香港に上場している銘柄です。



■アセアン株

ASEAN(東南アジア諸国連合)域内の国々の市場に上場する株式取扱いは証券会社により差がある。


マーケットの小さいアセアン諸国は、ハイリスク。

取引手数料や為替のコストが割高で、値動き幅が大きいので注意が必要です。


ASEAN (東南アジア諸国連合) は、東南アジア10カ国が加盟する地域協力のための組織です。加盟国のうち、日本の証券会社で取引を取扱っているのはインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マ レーシア、ベトナムなどの市場に上場する株式です。

ただし、取扱いは日本の証券会社の間でも差があります。インターネット証券を中心に一部の証券会社ではアセアン株の取引を導入していますが、大手証券会社では基本扱っていません。大手証券では、米国市場でアセアン諸国の会社を対象としたADRの数銘柄か、アセアン株式を組み入れた投資信託を販売する程度です。

アセアン諸国の会社は成長性が期待でき、投資対象としては魅力があるといえます。ただし、市場の未成熟さや為替交換手数料の割高さ、 為替相場の規模などのリスクがあるので注意が必要です。