ZIPANG-4 TOKIO 2020 春爛漫!桜巡礼 島根~石見へ~【大田市】
JR山陰本線。
通常人々は、石見地方について語るとき、開口一番に日本海沿いを走る列車からの眺めに感嘆するのだ。
果てしない日本海とその上に広がる空の色は季節や、時間帯、気象条件によって、様々に変化する醍醐味があり、太平洋側を走る東海道線よりも、その連続性が楽しめる。
しかし、美濃国生まれの小生には同じ単線JR山陰本線ながら鬱蒼たる緑の木立ちを分け入る様に、グリーンのトンネルを走る山中の方がより親近感があって興味深いですね・・・突然に渓谷が現れ、短いけれど細くて弱々しい鉄橋を一瞬に渡る時など、ナガシマのハイブリッドコースター「白鯨(HAKUGEI)」にも負けないスリルがあると感じるのは…山猿故でしょうか?
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ー新型コロナ菌肺炎のパンデミックに寄せてー
昨年は、皇室の御代替わりで年号も平成から令和元年へと引き継がれました。
我が国は、東日本大震災を始めとする災害続きで七転八起の平成時代でした。
しかし、多くの犠牲者を出し、課題は山積みでも、令和年号には明るい光を求めて歩み出したばかりです。
そこへ今、日本ばかりか予想だにしない世界的な規模で新型コロナ肺炎パンデミックが各国で拡散し猛威を奮っております。
未だ目に見えない相手に特効薬も、終息期の予想も付かない状況下で、ある日突然、自分が加害者或いは、被害者となるかも知れないのです。
密集、密閉、密接 の "三密 " と、自己中心の行動がコロナ菌の喜ぶ条件と申します。ならば 、今、私達に出来ることはただ一つ。それとは反対行動をとれば良いだけの話ですね。
当面は一人一人がその "三密 " を守りましょう。皆が心を合わせれば、コロナ菌は行き場を見失うのです。
どうか、世界各国が足並みを揃え、協力しあって一日も早く平和な日々が訪れますように。
編集局より
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日本海
春爛漫!桜巡礼 島根~石見へ~
この物語は、瀬戸内海より始まります・・・
瀬戸内海 来島海峡大橋
石見地方は夕日の名所。
日本海に沈む夕日はオレンジ色にも黄金色にも真っ赤にも…押し寄せる波の音は、まるで夕日が燃えているようにも聞こえてくるのです…ここは石見国「国府海岸」
生まれて暫らくした後、夕日に包まれ母の背で揺られ歩いたのはこの浜辺だったのかな~
四国・徳島県三好市から瀬戸内海を眼下に一気に日本海へひとっ飛びです⁉
2007年にアメリカのある研究機関が、アラスカで繁殖する数羽のオオソリハシシギに発信器を装着して人工衛星で追跡調査したところ、1羽のメスがニュージーランドまでの12,000kmを一気に渡ったそうです。
また、距離の長い渡りの例としては、オーストラリア東部と中国の間の約6500キロを無着陸で飛ぶホウロクシギが知られています。
負けん気の鎹八咫烏としては…ひとっ飛び一千里と行きたいところですが、後先見ずに体が動いて仕舞う習性からか、飛び回り過ぎて羽はボロボロ・・・
休み休み、やっとのことでここは日本海、真青な空と深い深い吸い込まれそうな紺碧の海の色、岩に砕け散り暫し、たゆたうも引き返す大波に置き去りにされた波の花・・・
紺碧の海もいいけれど、日本海に沈む夕日の眺めは特別、母の背の温もりを感じながら幼子だった日々が甘酸っぱく蘇るのです。
あれはいつのことだったか…トビウオが飛び交う中、小さな船で隠岐島に渡った日のこと。
島でタクシーを拾った。早速ドライバーに話しかけたのだ。「離島メーターなるものが存在することを初めて知りましたよ。」すると、運転手曰く「以前、" 街道を行く" シリーズの取材で来られた司馬遼太郎さんを乗せ、島中をご案内した時も同じことを言っておられました。
初乗りメーターを見られ…『本州より安いね~』と、ところが、料金メーターが早く変わるのをご覧になられ、『ねぇ、メーターが早すぎないかい⁉』との質問に、ご説明すると一応納得されたようでしたが、出版された本を見たら、隠岐島のタクシーは雲助だ!と、書かれてしまいましたよ~」何故か楽しそうに笑いながら、その時のエピソードを話してくれました。
野次馬根性が染みついている小生は、旅先から戻るなり早速、本屋に駆け込んで読んだ記憶はあるのだが、なにせ古い話なので…実際書いてあったか否かは今もって思い出せない、きっと車中でのやり取りを運転手さんが面白おかしく話してくれたんだろうな〜・・・
お待たせしました…それでは、石州瓦、石州和紙、石積の棚田、石見銀山等々の取材でお世話になった島根県石見地方の桜からご紹介いたします。
三瓶山と桜
人口600人のまちが三瓶の魅力作りと島根県一の「さくらの里」をめざし植樹を始め、住民やその思いに賛同した企業に支えられ、10年で6000本ものさくらを植樹しました。例年は4月上旬から中旬が見ごろだそう。年を追うごとに進化していく「さくらの里」に来年こそは、是非・・・
浮布池(うきぬのいけ)
三瓶山の中腹にある浮布池(古名:浮沼の池)鳥居は邇幣姫神社(にべひめじんじゃ)です
~君がため浮沼の池の菱摘むとわが染めし袖濡れにけるかも~
湖畔には、万葉集で詠われた柿本人麻呂の歌碑がありました。
刺鹿神社の桜(さつかじんじゃのさくら)
大田市久手町にある刺鹿神社の桜は、大田市の桜の名所の一つとなっており、ソメイヨシノやヤエザクラなど約700本の桜が植えられています。例年は4月上旬に満開を迎えます。赤い鳥居と桜の花は、心に残る印象的な光景です。
石見銀山 大森五百羅漢の桜…太鼓の形の石橋が幾つも幾つも続いています。
桜並木というほど多くはありませんが、世界遺産・石見銀山では「石見銀山資料館(大森代官所跡)」前の広場や、「羅漢寺」周辺、大森小学校付近に桜の木があり、桜花の季節に石見銀山を訪れた人々を魅了しています。例年は4月上旬に満開を迎えますので、ぜひ石見銀山の観光と合わせて桜の花もお楽しみください。
石見銀山の桜と伝統的な町並みへ
石見銀山の桜 川沿いにかけて桜並木が続く
石見銀山の桜と、背景の石州赤瓦の木造建築がよく似合っています…外壁の羽目板や建具は近江や飛騨のようにベンガラ塗?それとも越中高岡のように柿渋に漆かな?
えぇ~、今もまだ残っていたんだ~お疲れ様です…朱いポストがよく映えていますね~!
車を走らせ、石見銀山へ。1つ目の駐車場に入ってすぐ、きれいな桜が迎えてくれます。 駐車スペースから、川沿いにかけて桜並木が続き、銀山の風景と相まって日本を感じさせます。赤いポストが映える田舎の風情が桜と共に楽しめます。 和やかな世界遺産の町並みのなかで、ゆっくりと春の明るさが広がっていました。
「石見銀山遺跡とその文化的景観」は2007年に鉱山遺跡としてはアジアでは初めて世界遺産に登録されました。その規模は529ha(東京ディズニーランド約11個分)で、当時を彷彿とさせる趣深い町並みには今も人々が暮らし、歴史を伝え残しています。
“石見銀山の風景には全て意味がある”
知れば納得。興味が深まる「石見銀山観光ワンコインガイド」などを利用して、歴史と暮らしを感じてみてください。
石州瓦が美しい石見銀山 大森の町並み
石見が誇る「石見銀山」は、風情ある石州瓦の街並みを、ゆっくりとレンタサイクルや徒歩で歩くことのできる国内随一の世界遺産です。
「石見銀山」は島根県の大田市に点在する14の資産からなっています。
自然環境と一体となった銀鉱山遺跡は文化的景観をつくり出し、環境に配慮することで自然と共生した土地が今に伝えられていることを評価され2007年、世界遺産に登録されました。
そして、石見銀山の港町・温泉町として栄えたこの土地は町並みがとても美しく、静かで落ち着く温泉街です。旧家を改修した雰囲気のあるカフェやレストランが並び、訪れた人を和やかな気持ちにしてくれます。 昔の人の思いや歴史を感じつつゆったりと満喫してください。
石見銀山 龍源寺間歩 坑道内
採掘から精錬まですべて手作業で行われていた石見銀山。当時のノミの跡を実際に見ることが出来る坑道跡(=間歩)の他、製錬工房跡や住居跡などが多数残っています。
最盛期には世界の産銀量の約3分の1を占めた日本銀のかなりの部分が石見銀山で産出されたものと考えられています。石見銀山では「灰吹き法」の製錬技術を取り入れ、良質な銀を大量に生産することが出来ました。
石見銀山の銀は、初めは中国との貿易で流通していましたが、ヨーロッパ人の参入により世界的な経済・文化の交流に影響を与えることとなりました。
大田市の概要
大田市は、島根県の東西の中央部に位置し、日本海に面する、面積435.71㎢の地域です。
松江市からは約70km、浜田市からは約65km、広島市からは約130kmの距離にあり、松江・出雲市圏と浜田・益田市圏の中間にあたる、県央の拠点都市としての役割を果たすことが期待される地域です。
唐音の水仙
中国地方でも有数の日本水仙の里
鎌手地区にある「唐音水仙公園」では、地域の人たちの手により植えられた200万球を超える日本水仙を見ることができます。「唐音の蛇岩(からおとのじゃがん)」と呼ばれる珍しい岩脈は国の天然記念物となっており、青々とした日本海、蛇岩に激しくぶつかる波しぶき、そして日本水仙の気品あふれる姿が織りなす風景が広がり、まさにここでしか見られない絶景です。波の音を聞きながら日本水仙の香りを楽しんでみて下さい!
本地域の北部は日本海に面していますが、急峻な中国山地が海岸に迫っているため山林原野が多く、平坦地が少なくなっています。海岸線は46kmに及び、岩場と砂場が交互に存在することから、漁業はもちろん、風光明媚な自然景観、海水浴、釣り、各種マリンスポーツ等観光に供されています。
当地域の中央部には平成19年7月2日に日本では14番目、鉱山・産業遺跡としては初の世界遺産登録が決定した石見銀山遺跡、南東部には大山隠岐国立公園に属する三瓶山があります。河川は、いずれも流路延長が短く山間地を縫うように走っており、この流域に耕地が開け、市街地が形成されています。気候は、日本海型気候に属し、比較的温暖ですが山間地域と平坦地域ではかなりの温度差があります。
熊谷家住宅
「家の女たち」が護り案内する重要文化財
地蔵庫
居間の床下に設けられた石組の地下蔵です。火災に備え、耐火金庫のような用途で あったと考えられています。
総漆喰の建物で、国の重要文化財に指定されている熊谷家住宅は、季節や行事に合わせて、座敷の建具や敷物、床飾りを替えるという日本住宅の特徴「しつらい」を行い、来た人に和風住宅の美しさを感じさせてくれます。熊谷家は、代々家業である大森の鉱山経営、金融業、酒造業のほか、大森代官所の掛屋・郷宿・御用達なども行う、石見銀山で最も有力な商人でした。5年かけて、幕末から明治初年の姿に復元された住宅では、昔のくらし体験や四季を楽しむ催し事も開催されています。毎月第2日曜日は「かまどの日」で、熊谷家の台所のかまどに火を入れ、ゆでたまごなどをいただくことができます(有料)。
レトロな町並み「温泉津温泉街」
世界遺産の一角で、温泉地としては全国で唯一、重要伝統的建造物保存地区に指定されている温泉津。施設の真後ろで地下2~3mから自然湧出する約46℃の源泉を何も手を加えずに湯船に注ぐ、100%本物のかけ流し温泉です。
いきなり、肌に沁みわたる湯加減の心地よさと、季節や時間によって色が変わる掛け流しの「生の温泉」は、体を芯から温めてくれる上、免疫力アップや未病対策として人気です。流れ出た溶岩のように湯の花が付着した浴室が湯質の素晴らしさを物語っており、来た人を魅了して続けています。
「よみがえる建築遺産」に選ばれた旧館は、カフェとギャラリーになっていて食事ができます。湯上がりには、屋上のガーデンテラスで水にこだわった美味しいコーヒー(無料)と温泉津の眺望をお楽しみください。
また、この地域は石見文化と出雲文化が混在する文化的共通性を持つ特異性と共に、中世から近世にかけて石見銀山の盛衰にも大きな影響を受けた地域です。域内の「石見銀山遺跡」や「熊谷家住宅」「温泉津温泉街の伝統的建造物」「楡の木谷横穴群」等は、古くからの歴史を今に伝える史跡や文化財が点在しているのです。
世界遺産「石見銀山」の詳細情報は下記のリンク記事をご覧ください。
ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~ 石州瓦物語(その5)~「石見銀山・大森町それは黄金の国、ZIPANG語源の始まり、日本国の代名詞であった!」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5378883/
ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~石州瓦物語(その4)~「石州瓦が200年に渡って守り続けている町並み石見銀山『大森町』」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5363971/
続く・・・
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
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