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「ちびくろさんぼ(岩波書店版)」ヘレン・バンナーマン 文 フランク・ドビアス 絵

2020.04.16 08:32

本日は岩波の子どもの本のシリーズを幾つか更新しております。

このシリーズは皆さん本当に、馴染み深いシリーズではないでしょうか。きっと子どもの頃からのお気に入りが一冊はあるかと思います。

1953年の末にスタートしたこのシリーズは第一弾のラインナップで六タイトルでした。

本日更新したものの中の本も「ちびくろ・さんぼ」「ねずみとおうさま」はこの第一弾のラインナップの一冊ですね。

(ちびくろ・さんぼはナンバリングとしても「1」になっていますね)

このシリーズで一番売れているのはやはりこの「ちびくろ・さんぼ」なのでしょうか?(岩波書店版は諸般の事情により現在絶版となっているので、集計は難しいかも知れませんが)

「ちいさいおうち」や「きかんしゃやえもん」なども確か100万部は超えていたと思います。

自分もどれも子どもの頃から親しんできた絵本ばかりです。

この「ちびくろ・さんぼ」については以前中川李枝子さんが講演会でお話しされていた、自分が大好きなお話があります。

中川さんが幼稚園の先生をされていた頃に、幼稚園の中で「ちびくろ・さんぼ」が子どもたちが本当に夢中になっていた時があったそうです。そんなある日、幼稚園に行ってみると、なんとそこがジャングルになっていたそうなんです。子どもたちはジャングルの中で遊び回っていて、ちびくろさんぼの世界が現実に中に飛び出してきていたんですね。

このエピソードは、自分はすごくすごく好きで、何だか本屋として、勇気をもらえるお話です。フィクションが現実を侵食していくこと。それが実体験を伴うエピソードになっていて、そのジャングルになった幼稚園の姿を想像してワクワクしてしまいます。

中川さんはその後、この「ちびくろ・さんぼ」くらい子どもたちが夢中になれる本を、との思いで「ぐりとぐら」を作ったのでした。

(「ちびくろ・さんぼ」のホットケーキと「ぐりとぐら」のカステラはそういう対応があるんです)

この「ちびくろ・さんぼ」は現在は瑞雲舎で発行されておりますが、岩波版に入っていた2つのお話は「1」と「2」に別れてしまっています(その後「3」として全く別のお話も出ています)。

きっと皆さんが親しんだであろう(自分もです)岩波版は1980年代後半に絶版になってしまっていて、このヴァージョンは年数が経つにつれてだんだんと手に入りにくくなってきています。

今回はその岩波版のものが入ってきております。

ぜひオンラインストアの方でも御覧ください。


当店の岩波の子どもの本のシリーズはこちらです。