#三橋貴明 - 日本国政府なら全ての国民を救え!!!!!
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日本国の政府ならば、全ての国民を救え!2020-04-16 07:12:22
自民党の二階幹事長と、公明党の山口那津男代表が、同時に(恐らく、示し合わせたのだと思いますが)国民への現金給付を求め、官邸が混乱しているようです。
両与党が「国民一人当たり10万円の現金給付」を言い出したのは、補正予算に含まれている給付が、当初案では、
「世帯主の月間収入(20年2月~6月の任意の月)が①新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準となる低所得世帯、及び②新型コロナウイルス感染症発生前に比べて大幅に減少(半減以上)し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準の2倍以下となる世帯」
と、
「お前ら、絶対に条件をややこしくして給付を減らそうとしているだろ!」
誰でも↑こう突っ込むこと必須の複雑条件を付与しており、かつ給付対象を絞りまくっていることがあまりにも明らかだったためです。
つまりは、やる気なし、ということですが、さすがに国民も気が付き始めたようです。もっとも、財務省の緊縮路線に従い、PB黒字化目標を堅持したまま「給付」をしようとなると、
「一度限り、小規模、条件複雑、期間限定」
にならざるを得ません。
『急浮上した「国民1人に10万円」 現金給付巡り政府・与党が迷走
「1人10万円」の現金給付案が政府・与党内で急浮上した。「1世帯当たり10万円」の現金給付への批判を踏まえ、自民党の二階俊博幹事長と公明党の山口那津男代表が安倍晋三首相を突き上げた格好だ。ただ、10万円給付の財源となる今年度補正予算案の国会審議すら始まっていない段階で追加策が表面化するのは異例。公明党は補正予算案の組み替えまで求めており、政府・与党は迷走している。
自民、公明両党の幹事長、政調会長は15日夜、国会内で協議したが、物別れに終わった。公明党の斉藤鉄夫幹事長は終了後、記者団に「30万円の現金給付を外して、補正予算を組み替えるべきだと主張したが、今日のところは平行線で終わった」と記者団に述べた。 (後略)』
毎日新聞の「1世帯当たり10万円」の現金給付は、30万円の間違いだと思いますが、というか斉藤幹事長の発言として「30万円の現金給付を外して、」と、書いているじゃん。適当だな、毎日新聞。
それはともかく、与党が国民からの猛批判を受け、相対的なまともな政策を言い出すということは、まだしも我が国にも「わずかな政治」が残っている証です(わずかでも、ないよりはマシ)。
自民党の提言は「一人10万円、所得制限有」、公明党は「一人10万円、所得制限無」となっています。別に所得制限はつけても構いませんが、高所得者層からは来年の確定申告の際に戻してもらえば済む話です。とにもかくにも、早急に給付を実現して欲しい。国民が絶望から自殺する前に。
それにしても、なぜここまで財務省や官邸は「国民に一律、現金を給付する」を嫌がるのでしょうか。堀茂樹先生のツイートが参考になります。
『堀 茂樹@hori_shigeki
つまり自民党が、給付の対象を個人より世帯にしたがり、当面の10万円給付も一律になるのを嫌い、仮に一律の場合でも所得制限をかけようとするのは、国民が給付を、申請ベースでない平等な個人の〝権利〟のように見なすのを嫌っているのです。国民を分断し、行政裁量の優位を保とうとしているのです。』
堀先生の仰る「国民の分断」は、例えば「財務省の緊縮財政推進」にも貢献します。国民を分断し、ルサンチマンを煽り、特定の国民の負担を高める。様々な「緊縮政策」において見られましたよね。
国民が連帯して「反発」することを避けるため、分断を図るわけです。
チャンネル桜(佐藤先生との回)でも語りましたが、分断して統治する。帝国主義時代の植民地支配そのままです。
「国民の分断」は、今回の危機において、各所で見られました。
現金給付を求める「国民の声」を「クレクレ乞食」と評する、あるいは「優先順位をつけて国民を救わなければならない」「公序良俗違反な職業の人も救うのか」など、国民を、
「向こう側と、こちら側」
に選別しようとする発想は、そもそも、
「国民国家について何も理解していないんだなあ・・・・」
と、嘆息を突きたくなるほど情けない低レベルなものですが、加えて国民を分断し、選別する思想は「ナチス・ドイツ」が得意としていたものでございます。
つまりは、危険なんですよ。
「負けたのは、負け組の自己責任でしょ」
というグローバリズムの思想と、ナチスの
「ユダヤ系(のドイツ国民)を排斥せよ」
は、同じ発想です。同時に、現金給付を求める国民を「クレクレ乞食」と評することも、「政府は一部の国民しか救えない」と賢しらなことを言うことも、特定の業種の国民は「救うべきではない」と主張することも。
全ての国民を救うから、国民国家の政府なのです。日本政府の主権者は、全ての国民である以上、当然でしょ。
「いや、政府は国民の全てを救うことはできない」
と考えたとすると、「弱い奴は死ね」的な極端な思想に染まっていない限り、以下の二つのレトリックが理由でしょう。
「財政的な予算制約があるため、全ての国民は救えない」
という、主権通貨国(変動為替相場制の独自通貨国)にはあり得ない「財政破綻論」に染まっているか、そもそも「国民意識(ナショナリズム)」を喪失しているかのいずれかです。
財政問題については、すでに数千回は「そんなものはない」ことを証し続けてきましたが、問題は「国民意識」の方です。
武漢に日本政府がチャーター機を飛ばした際に、「料金」を請求しようとした政府をわたくしは猛烈に批判しました。ところが、それに対し「受益者負担だろ」「好きで中国にいたんだろ」などなど、賢しらな「知ったかさん」が反発してきたわけですが、根っこは同じです。
お前ら、国民国家が何なのか、さっぱり分かっていなかったんだな。
あのね、我々国民が「同じ国民の権利(生存権含む)」を守らないということは、自分の権利も守られないということなんだよ。自分「だけ」の権利が未来永劫守られるなんて、そんな上手い話があるわけないでしょ。
もっとも、大東亜戦争敗北後、ナショナリズムを長期的に破壊され続けてきた日本国民の多くが、つまらない個人主義モドキになってしまったのは、これは仕方がないのかもしれません。
今回の危機は、日本国民が真っ当なナショナリズムを取り戻すための最大の、そして最後のチャンスかも知れません。だからこそ、声を大にして叫ぶのですよ。
「日本国の政府ならば、全ての国民を救え!」
と。
これは同時に、我々が「全ての国民を救う」ために努力することをも意味するのです。しつこいですが、日本国の主権者は我々日本国民なのですから。
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