【コラム】神戸市の軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成事業について
去る令和2年4月1日、
神戸市の軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成事業が改正されました。
(出典:神戸市ウェブサイト)
大きな変更点は下記の通り。
・補聴器本体とFM補聴システム等について、重複しての助成が可能となったこと。
また、聴力レベルが30デシベル未満の子でも医師が補聴器の装用を必要と認めるとき、場合により対象となります。
神戸市の助成事業の詳しい内容については、
各区役所(北須磨支所)あんしんすこやか係(障害担当)へお尋ねください。
健聴の子どもが自然と手に入れている「聞こえ」を
補聴器や人工内耳を使って聴覚活用をしている子どもは、
お金をかけて手に入れています。
しかもその「聞こえ」も完璧ではありません。
身体障害者手帳を持っている子には補装具としての助成がありますが、
持たない子にはこれがありません。
神戸市をはじめとする兵庫県下の各自治体では、
身体障害者手帳交付の対象とならない難聴児が補聴器を購入するときの費用への
一部助成があります。
しかし、その内容はまだまだ改善の余地があります。
兵庫県難聴児親の会では、毎年行われる兵庫県の関係部署との面談で
この件もお願いしています。
そして神戸市では、昨年末から会員有志が 神戸市議 村野誠一氏に相談に行き、
年明けに神戸市福祉局長に直接お願いすることができました。
今回の改正はお願いした内容の一部分ですが、
変えられる部分からスピーディに対応してくださったことに感謝しています。
残りの内容についても引き続き働きかけていこうと思います。
兵庫県難聴児親の会では、この他にも各自治体へ有志で働きかけを行なっています。
困りごとは当事者でないとわからないもの。
当事者自らが関係各所へ働きかけることがとても大事です。
とは言っても、なかなかハードルが高く思えますよね。
困っていることや今不満に思っていることをどうやったら改善できるか、
まずは親の会でだれかと話してみませんか?
兵庫県難聴児親の会についてはこちらです。
…と言いながら、新型コロナ感染症の影響で
なんのイベントも案内できず申し訳ありません。
コロナが落ち着きましたら、また、皆様の笑顔が見られるような企画を考えていきます!
今回の神戸市の助成事業改正で、一体何がどう変わるの?
神戸市在住、
世帯の市民税(所得割)額の合計額が23.5万円未満で
軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成対象となる具体例。
軽度・中等度難聴で両耳補聴器を装用しているAちゃん。
1歳から補聴器をつけている年長さんです。
使っている補聴器ももう5年を迎えて、そろそろ買い替えも考える頃。
「来年度は小学校に入学するから、在校時間にロジャー(FM補聴システム等)を使いたい!
それに対応する補聴器を買おう!」なんて場合。
ロジャー 送信機は学校の備品を使わせてもらえるとしても、
・ロジャー受信機(カタログ価格 税抜き 92,000円)2台
・ロジャーに対応した高度難聴用補聴器(総合支援法対象 43,900円)2台
を同時に買い揃える必要があります。
助成対象であったとしても、
これまでの神戸市の軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成内容では、
・補聴器購入費用としての助成 80,000円(40,000円/台 2台分)
・ロジャー受信機購入費用としての助成 100,000円(一式に対して助成)
のどちらかしか助成してもらえませんでした。
つまり、Aちゃん(の保護者)は、
高い方のロジャー受信機購入費用への助成10万円をもらっても、
約17万円を自費で支払う必要がありました。
これが今回の改正で、
補聴器購入費用とロジャー 受信機購入費用両方の助成がもらえるようになり、
約9万円の支払いで済むようになるのです。
(金額はカタログ価格です。実際にかかる費用は販売店にお尋ねください)