英国処女王13-海賊ドレイク騎士叙任
2020.04.17 11:18
1580年9月、イングランドのドレイク率いるゴールデン・ハインド号が、マゼランに続く2人目の世界一周を終え、プリマス港に帰ってきた。1568年の「サン・ファン・デ・ウスタ事件」でスペインに船を焼かれたドレイクは、ひるむどころか、ますます新大陸のスペイン植民地を襲うようになった。
73年にはパナマの植民地から貴金属を運ぶ船を襲撃して、2万ポンド以上の戦利品をゲット。そんなドレイクをスペイン人は「エル・ドラク(竜)」という名で、ス恐れられるまでになった。実は世界一周も略奪の旅であり、帰国した彼は国庫収入より多い30万ポンドの金銀を献上した。
女王は、デッドフォードの船着き場まで行き、自らの剣を抜いた。そして側に居たフランス大使に「スペイン国王はこの人の首を欲しがっているのよ」と言い、打ち首の真似をしてから肩に剣を置き「さあ、お立ちなさい、サーフランシス」と彼をサーに叙任した。
68年のもう一人の生き残り、ホーキンズは、海軍出納官に登用され、海軍からあらゆる腐敗や汚職を取り除き、効率のよい海軍をつくることに成功していた。ドレイクらは、スペインの抗議にかかわらず、いっそうスペイン船襲撃を行うようになり、本格対決に至るのである。