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不定愁訴

2020.04.20 22:35

何が原因かを見極めることは、とても大事です。


首の痛みから腰にかけて、背中の痛みもあるという感じで、動かして痛みがあるというより、どうしようもない違和感みたいな症状を訴える人が時々います。言うに言えない症状です。


何が問題なのか沢山症状がありすぎてハッキリしません。こんな症状ぐらいで生き死にに関係するものではありませんが、不調を抱えて生活することは、決して容易なことではありません。

できるだけない方が良いはずです。こんな人は、気力も停滞しているので、座ると必ず腰がひけます。いわゆるダラッとした姿勢になります。

しかし、調整すると身体がシャキッとして、腰をたてやすくなり呼吸が深くなって生活が楽になるのです。ただ、いくら姿勢を正そうとしてもうまくいきません。その理由は様々です。


調べて見ると、社会的不安の反応がでていました。

???

社会的不安が身体と共鳴すると原因のわからない不定愁訴になることがあります。当然、肩や首は緊張しています。痛みがあると訴える肩上部から首にかけてはカチカチになっています。揉んだり叩いたりしたところで、良くなるような緊張ではありません。

僧帽筋の奧からくるような緊張で、肩甲拳筋や、後斜角筋の走行にかけてある緊張です。



社会的不安の反応は、身体の右側面にでることが多く、側頭部、側頸部、側胸部、側腹部、大腿や硬いの外側の緊張となってあらわれくることが多いみたいです。

このような場合、手を体表面にくっつけても緊張は緩みません。体表面から離すと、緊張が緩みはじめ、共鳴するところに来ると緊張はグッと緩みます。この方の場合、かなり遠方でないと緊張は緩まない状態であり、社会的不安が大きくのしかかっているという状態だろうと推察できます。


不安というと、自分の問題のように思いますが、自分では全く気づきません。ストレスがあるとも思いません。今は、このご時世です。当然ですが、テレビを見てもラジオを聞いても、ネットを見ても、その要素を排除することは不可能なのかもわかりません。


もちろん、このような方に、いくら鍼をしようとマッサージをしようと、緩むことはありません。原因が違うので、揉んだり叩いたり、鍼をしたりすれば、やってもらっている感はあっても、身体が軽くなったり、動かしやすくなったりはしません。

この社会的不安の反応を調整するには、空間を撫でる必要があります。というか、その空間に刺激を与えて、変化させてあげることが大事みたいです。


それをすると一気に肩や首の緊張が緩みました。一瞬の出来事です。当然触れてもないので、本人も何をされたのか全くわかりません。

身体は、肉体のある部分で終わりではありません。人間は一人で生きている訳ではありません。どんな人でも社会活動をしているので、社会と肉体は一つだと考える方が自然です。

そこで、その人の社会は、実は身体と、その身体を中心にした空間上に影響がでます。それを刺激すれば、身体が自然に緩みます。


そんな馬鹿なと思うかもわかりませんが、こういう方が、整形外科に行くと、リリカや向精神薬を処方されたりしています。当然ですが、飲んで楽になるというレベルのものではなく、気休めのような感じで、逆に副作用が出る場合もあります。リリカが効果的だったという人をあまり見たことがないのですが、もし、それが効けば、うちのような所には来ませんからね。

しかし、確実に、そういう薬では良くならない人がいるということです。


原因が取り除かれると一気に良い方向に身体は向かいます。もちろん、それだけが原因ではないので、他にも調整は必要ですが、主にこの反応が取れないと、肉体的な刺激を加えても良くはなりません。

元々首の状態が悪いというのはあると思うのですが、その奧には、咽頭の炎症反応があり、甲状軟骨を軽く触れるだけで身体を捻って痛がります。調整されると発汗してきます。

面白いのはバランスです。右の肩の前方部が、緊張していれば、左の上腕は後方部が緊張しています。右が緩むと、左が重いのを感じてきます。それを最初に予告しておいたら、その通りになっていました。


左の緊張は足からの問題があるので、足を調整すると左も楽になります。この時点で呼吸が深くなり、背中の違和感も消え、頭もハッキリしてきました。

あきらかに身体に変化があらわれたということです。何故、このようなことが起こるのか?


しかも、鍼刺激の部位は、手の母指の先端や、頭部の一箇所、足首の距骨部の僅かな調整だけでした。もちろん、これで全てが良くなる訳ではありません。社会的不安は、また明日からも続く訳ですから、それに流されてしまうと、また元に戻ります。

しかし、更にそれを調整することで、元に戻りにくい身体を作ることができる訳です。

二回目に来られた時は、姿勢もよくなり、しっかり座っているという印象で、本人も楽だといいます。


原因は一つではないし、複数の原因があります。しかし、何が原因で、どこに問題があり、どんな動きが、どんな症状と関係が深いのかを見極められれば、治療をしていく上で目標となります。

そんな目標もなく、症状をとることだけを考えて治療しようとすると、思ったように成果があがらず、何か心残りで治療を終えてしまう訳です。

もっともっと確実に変化させられるものを身につけてください。鍼灸師や手技療法を行う方達が、こういう人達の助けになることは、社会的不安から起こった症状を社会に還元することになると思います。