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皐月賞 初心者向け有力馬紹介

2020.04.18 00:56

この記事は、明日4/19(日)に中山競馬場で開催されるGⅠ・皐月賞について初心者向けに解説した記事です。

 

 ①皐月賞ってどんなレース?②どんな馬が出走するの?と2つに分けて説明していきます。また、最後に前回のGⅠ・桜花賞の記事で書いたレースの見方もコピペしておきますのでそちらもまだ見ていない方は読んでいただけると嬉しいです。それでは①皐月賞ってどんなレース?から参りましょう。



①皐月賞ってどんなレース?

 

 皐月賞は3歳馬限定・中山競馬場芝2000mで行われるGⅠレースです。「皐月賞なのに4月にやるのはおかしいじゃないか」という意見があるかもしれないですが、戦後初期は本当に5月上旬に施行していたらしく、その名残とも言われています。

 

 皐月賞はクラシックレースのひとつです。クラシックとは、その名の通りイギリスの伝統的な3歳馬のレースの体系のことで、それに範を取ったレースが世界各地で見られます。日本では皐月賞・日本ダービー・菊花賞・桜花賞・オークスの5つがそれにあたります。3歳馬限定のため、一生に一度しか出られないこともその特徴です。

 

このうち、皐月賞・日本ダービー・菊花賞の3レースが牡馬クラシック、あるいは3冠レースと呼ばれ、この3レースすべてに勝った馬は「3冠馬」と呼ばれ非常に名誉なこととして讃えられます。「3冠馬」は歴史上、1941年セントライト、1964年シンザン、1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフ、1994年ナリタブライアン、2005年ディープインパクト、2011年オルフェーヴルの7頭誕生しています。

 

クラシックの残り2つの桜花賞・オークスと1996年に創設された秋華賞(1976年から1995年はエリザベス女王杯)のレースは牝馬限定で行われ、「牝馬三冠」とも呼ばれています。「牝馬三冠」馬は歴史上、1986年メジロラモーヌ、2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナ、2018年アーモンドアイの5頭誕生しています。

 

先週開催された桜花賞は牝馬クラシック初戦でしたが、今週の皐月賞は牡馬クラシック初戦となります。まだ無敗の馬が何頭も出走することも多く、「この馬とこの馬が戦ったらどちらが強いのか」というワクワクに満ちた戦いと言えるでしょう。

 

 競馬の有名な格言に、「皐月賞は最も速い馬が勝つ、日本ダービーはもっとも運がいい馬が勝つ、菊花賞は最も強い馬が勝つ」というものがあります。皐月賞は4月に距離2000mで、日本ダービーは5月に距離2400mで、菊花賞は10月に距離3000mで競われます。ですから先ほど挙げた格言は、3冠レースの中で最も距離が短い=スタミナよりスピード能力が求められることや、3冠初戦ということで早い時期から力を出せる早熟性が求められるレースであるということを端的に示したものといえるでしょう。

 

では、今年の「最も速い馬が勝つ」3冠初戦の皐月賞にはどのような馬が出走するのでしょうか。



 ②どんな馬が出走するの?

 この章では出走馬の中でも人気になりそうな馬を6頭紹介します。馬の簡単なプロフィールやレーススタイルなどを紹介し、初心者の方がどこに注目してレースを見ればよいのか、レースを見る助けになる説明ができればと思っています。

これまで走ってきたレースを簡単に紹介する「戦績」と、注目点を紹介した「ここに注目!」という2つの項目に分けています。それではさっそく紹介します。


1枠1番 コントレイル

 

☆戦績:新馬戦1着 GⅢ・東スポ杯2歳ステークス1着 GⅠ・ホープフルステークス1着

デビューから3戦3勝。2戦目の東スポ杯の勝ちタイム1分44秒5は、2歳馬のそれまでの1800mにおけるレコードタイムを1秒1更新する驚異的なものだった。続く昨年12月のホープフルSは中山2000mという皐月賞と同じ条件のGⅠレースだったが完勝し、GⅠ初勝利を果たした。

 

☆ここに注目!

○レーススタイルは「先行」or「差し」。3~8番手ぐらいにつけて4コーナーから直線で前を捉え後ろをしのぐレースを目指すと思われる。

○父ディープインパクトは2005年のこのレースの勝ち馬で、残り2冠も制覇し無敗の3冠馬となった。父と同じ無敗の3冠馬へ向けてここは負けられない。

○「最も速い馬が勝つ」皐月賞において重要なスピードはすでに証明済み。同じコースのGⅠも勝利している。

○おそらく1番人気に推されると考えられる馬。ファンが「この馬が1番勝つ確率が高い!」と考えるようなレースをしてきたということだ。

○不安があるとすれば(どの馬にも言えることだが)未対戦の相手が多く直接対戦してみないとわからないということや、次のGⅠ・日本ダービーで100%の力を発揮するためにここでは余裕を残したコンディションかもしれないこと、雨が降った時にスタミナが要求されると未知数であるということなどか。



4枠7番 サリオス

 

☆戦績:新馬戦1着 GⅢ・サウジアラビアロイヤルカップ1着 GⅠ・朝日杯フューチュリティーステークス1着

デビューから3戦3勝。2戦目のサウジアラビアRCでは1.32.7の好タイムで勝利。続くGⅠ・朝日杯FSでも横綱競馬で完勝。コントレイルとの無敗GⅠ馬対決に挑む。 

 

☆ここに注目!

○レーススタイルは「先行」。ここ2戦はいずれも3番手からレースを進め、差し馬に並ばれそうになってから再度突き放す粘り強さを見せており、それが持ち味といえるだろう。

○こちらも仕上がりの早さとスピードを兼ね備えていることをすでに証明済み。「先行」する馬はこのレースとも相性がよく(直線が短いコースのため、後ろからの馬がトップスピードで駆け抜けられる距離が短く前の馬に届かないからと考えられる)、横綱競馬に期待。

○父ハーツクライは2005年のGⅠ・有馬記念で、3冠馬ディープインパクトを「先行」策で凌ぎ切り優勝した。ディープインパクトの国内ただ1つの黒星をつけたのがこのハーツクライだった。そのハーツクライの子供が有馬記念と同じ中山競馬場で、ディープインパクトの子供たちを倒すことができるか。

○本馬の騎手であるD・レーンはオーストラリアの天才騎手。昨年末のGⅠ・有馬記念をリスグラシュー(この馬もハーツクライの子供だった)で勝利。大舞台に強い騎手と言えよう。

○不安はここまでの3戦すべてが1600mの距離で2000mのレースを経験したことがないこと。残り400mでスタミナが切れて苦しくなるということも考えられる。



3枠5番 サトノフラッグ

 

☆戦績:新馬戦6着 未勝利戦1着 1勝クラス1着 GⅡ・ディープインパクト記念弥生賞1着

4戦3勝。新馬戦で負けた後は3連勝中。前走ディープインパクト記念弥生賞は、もともと弥生賞という名で、昨年亡くなったディープインパクトの功績をたたえて今年からディープインパクト記念と名前が付いたレース。この馬の父もディープインパクトで、弥生賞親子制覇を果たした。次は皐月賞親子制覇だ。

 

☆ここに注目!

 ○レーススタイルは「先行」or「差し」。前走は後ろからのレースとなったが、最終コーナーで徐々に進出し早め先頭に立って押し切った。少なくともサリオスよりは後ろからのレースになると考えられる。

 ○騎手はC・ルメール。ここ3年は年間最多勝騎手に輝いている。皐月賞は去年制覇し2連覇がかかる。

 ○4回とも2000mのレースを走っており距離経験は豊富。前走の弥生賞は重馬場で、雨が降ってスタミナが求められても対応可能か。

 ○弥生賞は皐月賞の「前哨戦」の中でも有力なもののひとつだが、弥生賞を勝利した馬が最後に勝ったのは2010年ヴィクトワールピサでそこから10年勝てていない。人気になる馬が多いわりに苦戦している印象だ。



6枠12番 マイラプソディ

 

☆戦績:新馬戦1着 OP野路菊ステークス1着 GⅢ・ラジオNIKKEI杯1着 GⅢ・共同通信杯4着

4戦3勝。2歳時は3戦3勝、2000mのラジオNIKKEI杯も完勝だった。4戦してきたが、そのレースの単勝オッズは1.8倍、1.1倍、1.5倍、1.5倍といずれも1倍台でダントツの1番人気だった。3歳になって初戦のGⅢ・共同通信杯は4着と思わぬ敗戦となった。巻き返しに期待。 

 

☆ここに注目!

 ○レーススタイルは「差し」。直線が短いのでコーナーあたりで早めに進出開始して直線でエンジン全開としたい。

 ○騎手は武豊。皐月賞は1993年ナリタタイシン、2000年エアシャカール、2005年ディープインパクトの3勝している。若かりし24歳の頃の武豊に最初の皐月賞勝利をプレゼントしたナリタタイシンは、今週4/13(月)に老衰のため30歳で亡くなった。亡き皐月賞馬に捧げる勝利を挙げたい。

 ○2歳時の3戦はいずれも圧巻の内容で勝利。ポテンシャルは非凡だ。

 ○前走4着は雨が降り稍重の馬場だったことも影響したか。そうだとすれば今回も雨が降り重めの馬場になると再度苦戦することもありうる。



7枠13番 ダーリントンホール

 

☆戦績:新馬戦1着 GⅢ・札幌2歳ステークス3着 1勝クラス3着 GⅢ・共同通信杯1着

4戦2勝。デビュー戦を勝利した後は足踏みをしたが、前走GⅢ・共同通信杯で重賞初勝利。大舞台へ向けて力をつけてきた。 

 

☆ここに注目!

 ○レーススタイルは「先行」or「差し」。前走は先行して1着だっただけにできれば「先行」したいが周りの馬を見て位置取りを決めるだろう。

 ○騎手はM・デムーロ。皐月賞は武豊の3勝を超える4勝を挙げており、かなり相性のいいレースだ。この勝利の中には10番人気で勝利した2004年ダイワメジャーも含まれているだけに、人気がなくても注目は必須だ。

 ○前走でGⅢ・共同通信杯を走っている馬は2012年ゴールドシップ、2014年イスラボニータ、2015年ドゥラメンテ、2016年ディーマジェスティと過去10年の皐月賞で4勝を挙げている、相性のいいレースだ。

 ○その共同通信杯は重めの馬場で、今回も雨が降ればチャンスが増すかもしれない。



6枠11番 クリスタルブラック

 

☆戦績:新馬戦1着 GⅢ・京成杯1着

2戦2勝。前走GⅢ・京成杯は猛然と追い込み逃げ粘る2着馬をゴール寸前捉え優勝。勢いそのままに無敗でGⅠを制覇だ。

 

☆ここに注目!

 ○レーススタイルは「追い込み」。最後方に近いところから他馬をごぼう抜きにするレーススタイルで、負けるときは惨敗の危険もあるが勝利する時は爽快なものである。

 ○まだまだ粗削りな内容で2連勝とポテンシャルはある。魅力的な一頭だ。

 ○不安は、前走京成杯を勝利した馬は過去10年で2010年3着エイシンフラッシュ、2018年3着のジェネラーレウーノの2頭しか3着以内に絡んでいない。相手がぐっと強くなるGⅠの舞台でどこまでやれるか今回が試金石だ。


以上が有力馬6頭の紹介となります。このほかにも安定感あるヴェルトライゼンデ、逃げ馬(先頭でレースを進める馬)キメラヴェリテ、先行してしぶといビターエンダーなど魅力的な全18頭が顔をそろえていますので、JRAのホームページなどで確認されるとよいかなと思います。

 

レース展開をまとめると、キメラヴェリテという馬が「逃げ」て、サリオスが「先行」、コントレイルやダーリントンホールもスタート次第だが「先行」していきたいはずだ。4コーナー(最終コーナー)で逃げ馬を捉えて先頭争いをするだろう。サトノフラッグとマイラプソディは「差し」だが3-4コーナーで位置取りを上げて直線では先頭集団を射程圏に入れたい。直線大外からクリスタルブラックが「追い込み」でごぼう抜きを目指す、というレース展開が予想される。

もちろんゲートの出方や各騎手この一戦に向けた秘策などもあるかもしれないため、この展開予想は外れることもあるのでご参考までに。

 

 それでは4/19(日)、15:40発走のGⅠ・皐月賞をぜひご覧ください!!







(以下は桜花賞の記事で書いたレースの見方を加筆修正したものです。まだ読んだことのない方はこれも合わせてお読みいただけるとよりレースを楽しめるかなと思います。)

 

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レースが始まるまでに、まず一頭応援する馬を決めてください。馬の名前やレーススタイルや騎手や顔つきや何で選んでも大丈夫です。とりあえず一頭応援する馬を決めてみた方が断然見ていて面白いと思います。馬券は買わなくても大丈夫です。

 

選んだらその馬がどの馬番・枠番なのか確認してください。詳しくはJRAのホームページ等で確認してほしいのですが、馬番はその馬の番号、枠番は2-3頭の馬にまとめて割り振られる番号です。馬番は1~18、枠番は1~8まであります。

 

枠番は騎手のかぶる帽子の色とリンクしているので、その帽子の色を見て自分が応援している馬が今どこにいるのか把握します(ただし同じ色の帽子は2-3頭いるので、馬番や騎手が着ている勝負服の柄、あるいは実況が呼ぶ馬の名前で判別してください)。余裕があればその馬に乗る騎手が誰かも確認しておくと応援しやすくなります(詳しくは後述)。

 

ここまで出来たら完璧です。フジテレビ「みんなのKEIBA」という番組が日曜15:00-16:00の枠で放送しているのでそれを観ましょう。皐月賞の出走は15:40ですが、余裕があれば出演者の予想を聴くのも面白いと思います。はじめは何だかよくわからないかもしれないですが(私も最初は何を言っているか分かりませんでした。しかも予想外すし。)、分かってくるとだんだん面白くなってくるものです。あとはパドックも見てみると面白いです。パドックはレース前に出走馬が回る馬見せ所のことです。「この馬はこんな顔をしているのか。」「元気があって調子よさそうだな。」とか思いながら見てください。ここで好みの馬を見つけて応援する馬を決めるのもオススメです。細かいことはわからなくても構いません。競馬場でパドックに張り付いて熱心に馬を見ているベテランのおじさんたちもあまり分かっていないので大丈夫です。自分の直感を信じましょう。

そうこうしている間にファンファーレが鳴り、いよいよレースがスタートします。馬たちがゲートを出たら、帽子の色などから自分の応援する馬がどこにいるかをなるべく早く把握しましょう。過去のレースから前目にいるはずだ!と思っても、例えばゲートを出るのを失敗して出遅れるということもしょっちゅうあったりします。なるべく早く位置を特定しましょう。

皐月賞は競馬場をぐるっと1周するようなコースになっています。直線が短い分、その前のコーナーで前に進出することも多いので見失わないように頑張ってください。直線に入ったら全力で応援しましょう。どんな呼び方で応援してもいいです。ちなみにですが、競馬ファンは結構騎手の名前で応援する人が多い気がします。「武!」とか「ルメール!」とかです。これはその騎手に特別思い入れがあるとかいうわけではないことが多く、たいていは呼びやすいからそう呼んでいるだけの場合が多いです。自分に合ったやり方で応援しましょう。もちろん初めは抵抗があることしれませんので、心の中で応援するのも全然アリです。

レースはあっという間に終わってしまいます。終わったらどんな馬が勝ったのか、どんなレースだったのかをテレビで実況や解説が話しているので耳を傾けましょう。

 

以上がレースの見方になります。これが正解、というものがあるわけではないのでいろいろ探してみてください。