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「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン

2016.05.15 07:26

ゲームというものはこう作るべき、という軸が学べる

この軸がないとゲームプランナーとは言えないらしい



以下、自分用読書メモ



  1. 「禅ゲームデザイン」
  2. 「市場のためにデザインする」
  3. 「Myers-Briggs類型論とゲームユーザー」
  4. 「DGD1 人口統計モデル」
  5. 「プレイヤーの能力」
  6. 「ゲームデザインの基礎」
  7. 「インターフェースデザインの原則」
  8. 「ゲームの世界観」
  9. 「アバターの表象」
  10. 「ゲーム構造」
  11. 「ジャンル:アクションゲーム」
  12. 「ジャンル:探求、戦略、シミュレーション」
  13. 「ゲーム価格:独創性とクレオド」



1章「禅ゲームデザイン」

「禅ゲームデザイン」とは


☆デザインに唯一絶対の方法はない

・7種類のデザイン方法が挙げられている

  1. 基本方針
  2. クローンと調整
  3. メタルール*
  4. 技術を表現する
  5. フランケンシュタイン手法
  6. ストーリー主導のデザイン
  7. 反復デザイン(会議によるデザイン)

これらの手法をうまく併用していく


☆ゲームデザインはニーズを反映する

・7種類の参加者たち

  1. ユーザー
  2. パブリッシャー(代弁者:外部プロデューサー)
  3. デベロッパー(代弁者:プロデューサー)
  4. プログラマー
  5. アーティスト
  6. マーケティングとPR
  7. ライセンスホルダー

ゲームは彼らと作っていく


※フォーカスグループ

定性的研究の一種であり、グループ対話形式で自由に発言してもらう

数名程度のユーザーを集め、製品やサービスを実際に利用してもらい、改善するための情報を収集するためのマーケティング手法

多くの場合、標本数が母集団を代表するまでとならないため注意が必要


※欧米でよく見られる開発スタイルを前提に説明されている

パブリッシャーと外部のプロデューサーという組み合わせ

日本ではプロデューサーはパブリッシャーの社員であることが多い(外部ではない)


2章「市場のためにデザインする」


☆クラスター分析

例えば、旅行市場では

といった明確なクラスタが存在する

これらの命名はクラスター分析の後で行われている点に注意


▶最も基本的なユーザーモデル

ハードコアプレイヤー


カジュアルプレイヤー


難易度選択で「簡単」「普通」「難しい」を選ばせる手法は、ミスリードになりがち。
「無理なく目的地にたどり着けるハイキング」「困難の先に達成感がある登山」とかがいいかも(バイオハザード)


ジャンルの組み合わせにより新しい市場を創出するのは非常に難しい。
アクション好きが60%,パズル好きが30%いたとして、アクションパズルゲームを作っても好む人は90(60+30)%ではなく18(60*0.3)%かもしれない


▶EA(世界最大のゲームパブリッシャー)のユーザーモデル

ハードコアゲーマー


クールゲーマー


マスマーケットカジュアルゲーマー


つまり巨大市場にアプローチしたいのであれば、ハードコア市場のニーズを無視するのはリスクが高い

 →ハードコアゲーマーが市場でゲームを最初に認識する出発点だから

マス広告を出していいのは、そのゲームがこの層に受け入れられる場合のみ

 →ハードコアゲーマーにしか受けないのにTVcmを打っても意味がないから

ということがわかる。


▶ihoboユーザーモデル

ジッグラトのような構造

ハードコアゲーマー


テストステロンゲーマー


ライフスタイルゲーマー


ファミリーゲーマー


主に遊び場的な世界で占められているゲームの上に、チャレンジレイヤを構築することで市場ベクトルを生み出し伝播させていく手法もある


ゲームプレイとトイプレイ

ゲームプレイ


トイプレイ


プレイセッションとプレイウィンドウ

プレイセッション


プレイウィンドウ


市場浸透の典型的な段階

1.ハードコア層への浸透


2.ハードコアのエバンジェリズム

カジュアル市場へと広げるためには、以下の要素が重要


3.カジュアル層への浸透

パブリッシャーがヒットを実感する段階、第二のマーケティング施策を打つのもこの段階が多い


4.カジュアルエバンジェリスト


3章「Myers-Briggs類型論とゲームユーザー」

性格診断的なものでユーザーモデルを分析
自分はENTPだった


ハードコアゲーマーはI○TJ

つまり内向、思考、判断型

ユーザーを褒める際、直截的に褒めても感情型にしか効果がない

ユーザーの大半が男性、かつ男性の60%が思考型で、子供扱いされていると感じてしまう。

思考型にはゲームが有利になるようなご褒美をあげたりするほうがいい


判断型(達成欲)、認知型(マルチタスク)双方のニーズを満たすためには

を両立する手法が効果的。


4章「DGD1 人口統計モデル」

従来のユーザーモデルはマーケティングに的を絞ったものが多い(ゲームプレイのニーズではなく、購買意欲の促進)
ihoboが独自に調査を行いDGD1(Demographic Game Design 1)を開発した
4種のタイプと4種のサブタイプ、計8パターンに分けて論じている


バンプアンドプレイ : 時間切ゲームオーバーの時にコイン追加購入でコンティニュー

アーベンフロイデ : 他人の不幸を喜ぶ気持ち


5章「プレイヤーの能力」

これまで分析してきたユーザーモデルをゲームデザインにどのように用いるのかを論じる


チクセントミハイのフロー体験

マズローの5段階欲求に近い

マネジメントにも便利


ユーザーにフロー体験を与える(これらすべてが同時にそろう必要はない)


ロジェ・カイヨワのゲーム分析



6章「ゲームデザインの基礎」

ゲームデザインの基本的なフローについて解説


デザインの4フェーズ

1.コンセプト


2.初期デザイン


3.拡張


4.収縮


弾力性 : ゲームデザインが、拡張段階と収斂段階で動かせる自由裁量の分量

タイト : ゲームの核であるコンセプトを構成するデザイン

広範囲 : 仕様全体に関わる一連のデザイン、タイトの反対語ではない


タイトなデザインはエレガントでどんなユーザーでも簡単に覚えることができる。

タイトさは主観的な概念であり、測定できないので、タイトさが存在するか否かの審美眼を養わなければならない。

この視点を獲得するのに、トランプゲームを作成するという手法がある。


弾力性のあるデザインの例として、マジックザギャザリングが挙げられる

トランプと違いカードに独自の特徴がある

変更を行う自由を見込んでおくべき

拡張弾力性が高いゲームは開発コストも高くなる、ただしカードゲームは除く

収縮弾力性はすべてのゲームに必要なもの、開発の収縮期間で幾つかの要素が抜け落ちてもいいようにしておく


広範囲なデザインは、プレイヤーに様々な選択肢を与える

ゲームデザインの基本は、自由な創造性で惑わすことではなく、プロジェクトに適切なデザインを提供することである。


すべてのゲームデザイナーはプロジェクトにおいて、自分の欲望よりもゲームプレイヤーの要望を常に優先する義務があり、その義務こそがゲームデザイナーの役割の中核である。

7章「インターフェースデザインの原則」

UXの質を大きく左右するUIについて解説


5つの黄金律

  1. 一貫性を保つ
  2. 簡単に(表現性との平衡点を求めるなら、簡単さを優先すべき)
  3. 馴染みのあるものを使う
  4. 1つのボタンに1つの機能
  5. 学習曲線を構築する(機能ごとにずらすといい)


5つの注意

  1. ショートカットは上級ユーザー向け
  2. 素早い理解にはアイコンを、わかりやすさは文章で
  3. インタラクティブでないつながりを飛ばせるようにする
  4. オプションの提供
  5. 文書化


操作の次元

空間的な次元とは必ずしも一致しない

e.g テトリスは1.5次元


カジュアルプレイヤー : 一般的に3~5次元に対応できる

C1プレイヤー(ISTJ) : 7次元まで、既に知っている仕組みがあればそれ以上

ハードコアプレイヤー : 9次元までなら問題なくプレイする、意欲さえあれば上限はない

5~7次元推奨


アクションの深度


チュートリアル

カジュアルユーザーはチュートリアルを辛抱強く受けるが、ハードコアプレイヤーは自分で試してみるほうを好む


8章「ゲームの世界観」

マップ、時間、ドメインと世界


世界観

リアリズム


プレイヤー予想を用いる


視点

一人称


三人称


二人称


世界を分割する

ステージ


9章「アバターの表象」

プレイヤーがゲーム世界にどのように結びつくのか


プレイヤーは死なないほうがマスマーケット層に適している


イベントリ表象


10章「ゲーム構造」

ルート探索とハウスキーピングの併用が効果的
ドメイン表象(キャンクラ、白猫みたいな)を用いるとうまく併用できる


キーアイテム

シンボルキー


機能キー


ツールキー


やり込み要素


11章「ジャンル:アクションゲーム」
12章「ジャンル:探求、戦略、シミュレーション」

ジャンルという「用語」
クリエイターは用語を用いてプレイヤーの趣向を分析し、プレイヤーは用語を使って購入すべきゲームを探す
市場の識別の一助


ジャンルの要素


13章「ゲーム価格:独創性とクレオド」

生物学上の進化とゲーム業界をやや強引に比較。

我々が目にするゲームといえば、ほとんどが互いにそっくりなものばかり。

新境地を開拓する義務があるのか?

ゲーム業界の今後を予測する一つの視点であるが、よくわからなかった。