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ff(フォルティッシモ)

ST015:強い人

2019.09.15 13:00

生徒会から叱責を受けるも、前向きな気持ちで活動に臨む綾たち。初ライブを終え、いつものファミレスに集まる四人。そこでようやく、四人目のメンバーとしてこころを迎え入れた。



「それで」


 こころの歓迎ムードも束の間、綾はすぐに話題を戻す。


「生徒会に話をつけて、私たちがちゃんと活動できるようにしてもらおうと思うの」

「なんて話すの?」

「フラワーズ・ヒル高校スクールアイドル部を、正式に部活動として認めてもらう!」

「なるほどね」


 こころはそう呟いて、椅子の背もたれに身体を預ける。


「あの…」


 一瞬の沈黙の後、麻央が控えめに声を上げた。どうしたの、と綾は微笑む。


「私、生徒会長さんと一緒に活動したいです」

「…………え?!」


 麻央の発言に、他の三人が驚きを露わにした。


「ま、麻央ちゃん…? どういうこと?」


 こころの問いに、麻央はほんの少し表情を崩して答える。


「私、なんだか…会長さんみたいに、あんなに強く発言できる人、いいなって思って…」

「あぁ…そういうこと…」


 そう返すのが、こころは精一杯だった。明らかに気まずい空気が流れる。それを断ち切るかのように、今度は唯が口を開いた。


「あの、綾さん」

「なーに?」

「生徒会長をメンバーに入れるっていうのは、どうですか?」

「うーん…」


 唯の問いかけに、綾は少し考える素振りを見せ、それから答えた。


「いいよ! 相手が誰であろうと、私が説得してみせるよ!」

「綾さん…」


 ありがとうございます、と麻央は綾に小さく礼を言った。それに対し、綾は笑顔で頷く。


「それじゃあ早速、明日にでもお願いしてくるね!」