古いバイクの部品を知らないのは当たり前。
たまに古いバイクの部品注文で「なんでそんなことも知らないの?」「カワサキのお店でしょ」と言われることがあります。業界歴20年、バイク屋歴40年ちかいボクですが、知らない部品も数多く存在します。まして50年も前となると・・・生まれてません(笑)若いバイク屋さんのスタッフには酷な話なのでやさしくしてあげてね(笑)
こんにちは。三重のカワサキのバイク屋、カワサキプラザ桑名の代表の今西です。
久しぶりに見た、W1のエアクリーナの部品。この注文いただいたお客さんは自分自身で部品番号を知っていて、部品番号でご注文くださいました。ありがとうございます。
実は古いバイクの部品番号ってお店ではわからないのが結構あるんですよね。
え?カワサキのお店なのに?と思う方もいると思いますが、これには実は理由があるんです。
W1やZ-2などの部品は未だに、カワサキが消耗部品を生産してくれております。すごいありがたいことであります。だって冷静に考えても、もうかれこれ50年前に発売されたバイクの部品を作りつづけるって・・・ほんと頭が下がります。
実は当時って部品番号ってそんなに浸透していなかったんですよね。
なぜか?それは注文方法が今と全然違うから。
昔1970年代は
お店「あーと、あのW1のクラッチの先の部品と、Z-2の左のサイドカバー一式送っておいて」
カワサキ「あれですね。こないだ話していた部品・・・了解です!あの部品送りますね」
あれとかこれとかで話が完結していた時代なんです。
今では考えられないですが(笑)
昔は部品の神様みたいな部品に超精通した、部品担当っていう人がどのメーカーにもいたんですよね。
あの人に聞けばなんでも部品のことは解決する。部品番号を全部覚えている・・・
とか、すごい部品専門官みたいな人がいました。そしてバイク屋との意思疎通をしっかりとっていたので、あれ、これで話が通じてしまうんですよね。
だから意外と部品番号って今ほど必要性がなかったんです。バイク屋からみたら、メーカーが管理するために部品番号を作っていたくらいとしか思っていなかったと思います。
だからこそ、部品番号を知らないんですよね。意外と。それとパーツリスト。長年古くからバイク屋をしているところだと残っていたりするんですが、パーツリストも店頭にほとんど現存していないのも実情です。うちのお店でも一部残っていますが、さすがに年月が経ち本という形が崩れ始めております。
カワサキに問い合わせして回答をもらう方法もありますが、これまた時間がかかるんです。だって50年前のパーツリストうちでもそうですが、もはや古書ですわ。
そしてもう一つパーツを難しくしているのが、世代交代です。
だってボクでもW1の販売したときに生まれていないし、Z-2でさえ、生まれる3年前。そんな時代のバイク、バイク屋の息子だからこそ、現物のバイクの車体を見ているので覚えていたりしますが、ボクより若い世代でバイク屋のスタッフの子たちはそのバイクでさえ見たことないですよね?もはや博物館でみるバイクレベルなんです。
「なんでそんなことも知らないの?」「カワサキのお店でしょ」
だからこの言葉を言われた時はぜひ、ぜひこう言ってみましょう。
「生まれておりません!」
調べるの当然でしょ!という方もいますが、調べるのすごい労力と時間がかかります。
調べたけど、部品の値段が200円。
1時間かけて調べて200円の部品を販売して粗利は・・・
そりゃどんどんみんながやりたがらない訳なんです。ということはどんどん埋もれてしまう・・・。
これだけ部品注文をしている僕でさえ戸惑う部品が、5年10年のバイク屋さん経験ですべてできる訳はないんです。それが古い部品の事情。(こりゃ裏話レベルですな)
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カワサキプラザ桑名
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