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mjolnir

2019

2020.04.21 12:04

エッシャーの絵に落ちていく感覚で君を見つめていた

ミラーボールサマーハズカム

オーロラの群がる処を僕の死地とする

決してふたりのものにならない秘密

しあわせの在り処を星とおまえだけが知っていたね

愛と矛盾の美味しい食卓

わたしのほろこびを繕う人よ

すべての季節を忘れるくらいの整然とした朝を待っている

恋も憂いも解けるな光

アガパンサスの咲く揺りかご

シャイニーグレイ

バックミュージックは弾けゆく星たちの咆哮

傾けど落ちない夜明け

暮れない色

あなたの横顔を見つめるとき頭の端で遠雷が聞こえる

よふかしのメソッド

書き出しだけが誠実な最終回

君ってメロンクリームソーダのさくらんぼみたいだ

メロウ仕立ての備忘録

メランジニットに三日月を隠して

どれほどのロマンチックが君を襲おうとも

くつ下は片方を失くしてからが本当の姿のような気がして

腐りかけの夜とアップルパイの類似性

おとぎは伏して午前零時

壊死した瞼で見た夢

ほどけあう銀河であなたとわたし

秒針が散らす幸福

どうしても振られたい夜の短編集

会いたいはいつもフォルテシモ

ティーンエイジャーの末裔

紫陽花の鳴き声を聞く夜更け

あなたと手折った夜が爆ぜるまで

まぼろしと見まごう秋

冬の花火、心臓が散る音に似て

退屈な夜のための背徳

もう何処へも行かないでって君の睫毛が羽ばたいた

新調した孤独で襟を正して

ノンフィクションを煮詰めたら

ゆるしゆるされ果ての国

辞書にも載らない一切のことを貴方としたい

彼の星を落とした眼差しはヴィオレ

進んで落ちるは君の奈落