【気になるコトバ】⑩親がなくとも、子は育つ。ウソです。親があっても、子が育つんだ。
【気になるコトバ】では、カウンセリングや心理学に関する用語を初め、文学、哲学、仏教などの言葉を解説したり、所感などを述べたりしていきます。
さて、今日のコトバは…
親がなくとも、子は育つ。ウソです。
親があっても、子が育つんだ。
(坂口安吾「不良少年とキリスト」)
前回引用した坂口安吾のエッセイより再び。
全国で休校、休園が実施される中、子どもと向き合う時間が増えている方も多いことと思います。
安吾は子育てについても少し触れています。
自分が学生の頃はさほど気に留めずに読んでいたこれらの文章。
子どもを持ってから読み直してみると、何だか新鮮なものに感じられました✨✨
この文章は更に次のように続きます。
「親なんて、バカな奴が、人間づらして、親づらして、腹がふくれて、にわかに慌てゝ、親らしくなりやがった出来損いが、動物とも人間ともつかない変テコリンな憐れみをかけて、陰にこもって子供を育てやがる。親がなきゃ、子供は、もっと、立派に育つよ」
初めはえっ、親がないと子どもは育たないのでは❓️❗️と思いましたが、思い返しみると確かに、親がロクデモナイとしても、子どもが逆にしっかりして、立派に育つという事もある。
子育ては<親育て>でもある、という考えもある。
子どもが生まれたばかりの親は、なりたてホヤホヤの新米の親でもある。
この文章が発表されたのが昭和23年。現代は平成から令和へと移り変わったばかり。育児についての情報も多種多様です。
そんな中、皮肉めいたこの文章は、手をかけすぎたり、肩肘張ったりせずとも、子どもは育ってくれるもの、そんなシンプルなメッセージを発してくれているようにも受け取れます。
子どもの中の自ら育つ力を信じたいものです🧒👧✨
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