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環境保全をニューヨーク水族館で学ぶ。地元の生態系を守るコツは、印象的な展示とユニークなショー!?

2020.04.28 03:00

こんにちは!ニューヨークでコリビング(Co-living)ビジネスを展開する「Crossover」が提供する、起業家支援プログラムに参加している増澤望美です。


日本でも多くの企業が、CSRとして取り組んでいる環境問題。自然の生態系を守るために、わたしたち1人ひとりがこの問題を意識し、行動することが重要な時代になっていますね。


ここニューヨークでは、地元の生態系を守りながら、ユニークな発信方法で人々の環境保護への取り組みを啓蒙する水族館があります。

今回は、この水族館が行っている展示やショーを通じた、環境保全の発信や工夫など、実際に行ってみてのレポートとして、お伝えします。


自然界の環境を忠実に再現。人と海をつなぐアメリカ最古の水族館

今回行ってきたニューヨーク水族館は、現存する水族館の中ではアメリカ最古です。


また、世界60か国で活動を行う世界最大級の環境保全NGO、野生生物保全協会(Wildlife Conservation Society)が経営母体となっています。

アクセスはマンハッタンから電車で1時間ほどの場所、ブルックリンのコニーアイランドビーチにあり、便利です。


この水族館では、生き物たちが自然界で暮らしている環境を忠実に再現して、訪れた人々が彼らのありのままの生活を、間近で見られるように工夫しています。


またビーチにあるため、ケガなどで弱った野生の海洋生物を引き揚げ、保護や手当を行うこともあるそう。 

中には水族館の居心地がよくて、海に戻りたがらなくなる生き物も出てくるとか!?そんな生き物たちにも会える、人と海をつなぐ水族館です。


環境問題をありのままに伝える展示だからこそ、記憶に残る真実

この水族館の特徴は、自然保護を考える展示やショーが設けられていること。


ときには日本の水族館では見ることのできない、衝撃的な写真やデータもあり、ハッとさせられる場面がありました。


1番ショッキングだったのは、ヒレを切り取られ胴体だけになったサメが山積みにされている写真。

「フィニング」と呼ばれるその乱獲方法は、世界的にも問題になっているようです。展示物には、そのように取られた体の一部が、化粧品や携帯カバーとして使われているとありました。

ヒレを取られたサメは泳ぐことができないので実質、残る道は「死」のみ。


今まで自分が使っていた商品も、知らず知らずのうちに生き物の犠牲の上で成りたっていたのでは、と思うと選ぶ商品がどのように作られているか、もっと意識しなければと思わされました。


かわいいアシカショーで学べる、プラスチックゴミの捨てかた

野外施設で人気だったのは、かわいらしいアシカのショー。そこでアシカがレクチャーしてくれるのはなんと、ゴミの分別


水中に潜ったアシカは、底に沈んでいる空のペットボトルを口にくわえて出て来ました。そこに待ちうけていたのはトレーナーさんが準備した2種類のボックス。ひとつはふつうゴミ用、もうひとつはリサイクル用です。


ふたつのボックスを指さし、トレーナーさんはこうアシカに問いかけます。「それはどっちに入れるべきかしら?」

アシカは迷わずリサイクルボックスへ!


かしこいですね。すかさずトレーナーさんは、「こんなふうに、みんなもペットボトルはリサイクルボックスに入れてね!」と観客へ一声。

小さい子どもも多く見に来ていましたが、アシカとトレーナーさんの息の合ったコンビネーションに大興奮。お客さんを喜ばせながら環境保全への取り組みを啓発する、すばらしいショーでした。


ショーの最中には、水中を素早く泳ぎ回ったり、拍手をして見せたりと愛らしい仕草で観客を魅了していましたが、披露するのは芸だけではありませんでした。


海にいる声なき生き物たちの代弁者となっていたニューヨーク水族館。


環境保護をだれにでも分かりやすく伝え、わたしたちが楽しみながら学べる展示や発信方法は、人の行動を変える力を持っていると感じました。


ちなみに1人あたりが排出する使い捨てプラスチックごみの量が、世界で2番目に多いのは日本。これは企業、そしてわたしたち自身も向き合わなければいけない事実かもしれません。