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「宇田川源流」 インドネシアにおける自主隔離違反者に課される「世にも恐ろしい」強制措置とは何か?

2020.04.27 22:00

「宇田川源流」 インドネシアにおける自主隔離違反者に課される「世にも恐ろしい」強制措置とは何か?

 コロナウイルスになって、その内容における「今後の国際社会と世界秩序」特に「米中における対立」は「有料メルマガ 宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話」(https://www.mag2.com/m/0001647155.html)で詳しく書いている。

まあ、かなり詳しく書きすぎてなかなか結論に達しないのであるが、その辺は「なぜそのように考え、そのような結論になるのか」ということの考えるプロセスを含めてしっかりと書いているのであり、そのような考え方をすれば、読者の皆さんも同じような結論になるであろうということから、長いようであるが詳しく書いているつもりである。

さて、そこに「書けなかったこと」とか「あまり本筋とは異なるが、まあ、面白いこと」というようなことを、コロナウイルスに関してはこちらのブログに書くようにしているのである。まあ、その中でも面白いものも少なくないのであり、まあ、なんとなく気になって書いておきたいというものが少なくない。その中には「その国(地域)の国民性」というものや職業別の「性格や考え方」というものが見えてくるのではないかと思う。

このように、コロナウイルスに関する措置が長くなれば長くなるほど、またその影響が大きくなればなるほど、その国の政治やその国の人々の国民性などがなんとなく見えてくるということになる。ある意味で人権があまり感じていない国や戒厳令が出ていてそれに慣れている国、国民にあまり自由がない国は、収まる速度が速い。それだけ政府が強権を振るっているということになるからである。

ある意味で「政府の方針に従わない場合はすべて逮捕拘束」というような場合、当然に、「自宅待機」が「命令」になり従わない人は死んでしまうということになる。つまり、絶対に従うようになるのである。それだけ政府の力が強い。

日本・アメリカ・イタリア・スペイン、いずれも「国民に自由がある国」であり、そのことが、無症状保菌者による外出とコロナ感染という結果を生んでしまっているということになるのである。

では東南アジアはどうなのであろうか。


自主隔離違反者を「幽霊屋敷」に強制隔離、インドネシア・スラゲン県

【4月22日 AFP】新型コロナウイルス感染が流行する中、自主隔離違反が後を絶たないインドネシア・ジャワ(Java)島のスラゲン(Sragen)県では、違反者を「幽霊屋敷」に入れて懲らしめている。

 同県のクシュディナール・ウントゥング・ユニ・スコワティ(Kusdinar Untung Yuni Sukowati)知事は、首都ジャカルタなどの主要都市でロックダウン(封鎖措置)が実施されたことを受けて発生した人の流入に対処するため、今週この風変わりな命令を出したと明らかにした。

 同県では移動してきた人に14日間の自主隔離が義務付けられているが、一部の新住民はこれを守っていなかった。

 そこでスコワティ氏は、幽霊が出ると怖がられている廃墟を使うよう県内のコミュニティーに指示。インドネシアの民間伝承で大きな役割を果たし、広く信じられている超自然的現象を利用した格好だ。

 スラゲン県ではこれまでに5人がこうした不気味な「留置所」に入れられたという。

 スコワティ氏は21日、AFPの取材に対し、新規則は「もし村に人が住んでいない幽霊屋敷があるなら、そこに(違反者を)入れて閉じ込めてしまう」というものだと話した。

 セパット(Sepat)村では長年放置されていた家を選び、間隔を空けてベッドを置き、カーテンで仕切った。

 これまでに同村では、最近引っ越してきた3人をこの家に閉じ込めた。3人は2週間の自主隔離期間の残りの日数をこの薄気味悪い家で過ごすことを強いられている。

 3人のうちの一人、隣のスマトラ(Sumatra)島から来たヘリ・スサント(Heri Susanto)さんは、「皆の安全のためだと分かっています。反省しています」と語った。今のところ幽霊は出ていないという。(c)AFP

2020年4月22日 16:43 AFP

https://www.afpbb.com/articles/-/3279794


 インドネシアの例である。まあインドネシアが全土でこのようなことをしているのではなく、インドネシアのジャワ(Java)島のスラゲン(Sragen)県の例ということになる。

「幽霊が出ると怖がられている廃墟を使うよう県内のコミュニティーに指示。インドネシアの民間伝承で大きな役割を果たし、広く信じられている超自然的現象を利用した格好だ。」<上記より抜粋>

いや、実に面白いし興味深い。

日本でこのようなことをした場合「幽霊マニア」のような人、または「心霊写真や動画を取って動画投稿サイトにアップするようなYouTuber」などにおける人気が高まるであろう。

日本においても先日「廃墟のホテルで肝試しをしていたら、本物の死体を発見した」というようなニュースがあった。要するに、日本では、幽霊を信じていない人が多く、その人々が、ある意味で興味本位における廃墟巡りなどをして人気を得ているものがある。つまり「政府による強制などではなく、自由意思において廃墟に行くような人が少なくない」ということになってしまう。

しかし、このようにインドネシアにおける場合、「気持ちが悪がられている」というのであるから、なかなか面白い、つまり、「幽霊が出ると信じられていて、そのうえ、その幽霊によって生きている人間が何らかの不利益を被るというようなことが信じられている人々にとっては、当然に、幽霊の出る廃墟に強制隔離されることは、かなり厳しい強制措置である」ということになる。ある意味で、宗教において、その宗教の信じている神や神の言葉において何らかの叱責または罰を与えあっれたというのと同じで、「信じている人にとっては、かなり厳しい仕置き」ということになるのである。

日本では、残念ながらこのような強制措置はない。実際に、自主隔離期間に、沖縄に行ってしまった話など様々な事例があるが、残念ながら、日本国は憲法22条による移動の自由によって、人権が保障されていることから、自主隔離を違反しても、そのことに関する罰則はほとんどないというような感じになる。しかし、日本人の場合は「村八分」というコミュニティにおける自主制裁的な方法があり、その方法における内容が出てくる。

今日「営業自粛」違反するパチンコ屋の名前を公表するというのは、まさに「村八分的な道義的バッシング」の問題であり、名前を講評することが、そのまま「制裁」になるのかどうかはかなり疑問である。

その意味では「信心深いインドネシア人が、その信仰心を利用して幽霊屋敷といわれている廃墟を隔離施設として使う」というのはなかなか面白い試みである。

このような試みが出てくれば、国民性として何が嫌がるかということで、何をすれば精神的に隔離するのかということが見えてくるのではないかと思われる。