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RUSH TO THE PAST!

2020.04.25 21:08

放送(8:10)まであと少し。


平川加恵さんは藝大の同期です。これまでにかなり多くの作品を演奏してきました。


今回の作品以前に、彼女にチェロのための作品を2曲委嘱しました。一つはバレンタイン・ダンスというピアノとチェロのための作品です。(これは2/15のリサイタルのために書かれたのでこんなタイトルになりました)



もう一曲は、「Dからの生成」という無伴奏チェロ曲です。これはマインドツリーvol.2で演奏しました。


2月のB→Cはバッハの無伴奏チェロ組曲抜粋と、バッハのプレリュードに繋がる新作、というプログラムでしたが、この元ネタ?は

チェロ奏者ジャン・ギアン・ケラスのコンサートです。


彼はバッハの各プレリュードに繋がる「プレ・プレリュード」を6人の作曲家に委嘱し、それとバッハ全曲(!)を演奏するコンサートを世界各地で行っています。


そのうちの一曲が野平一郎先生の無伴奏チェロ曲「謎」です。これはバッハ6番のプレリュードに繋がる曲として書かれました。


マインドツリー vol.2では、この「謎」に繋がる曲として、平川加恵さんに無伴奏曲をお願いしました。(プレ・プレ・プレリュードですね)この曲が「Dからの生成」です。


彼女にB→Cに委嘱する際、そんな経緯から6番のプレ・プレリュードをお願いすることも少し考えました。

が、ちょっと前に向山佳絵子さんのチェロリサイタルで第4番をモチーフにしたチェロ+チェンバロの作品があると聞き、第4番のプレリュードに繋がる作品をお願いしました。


RUSH TO THE PAST!

ダンスフロアで1人、ひたすらステップを踏んでいる。次第に激していく中、気がつけば体は土着のリズムに乗っている。そうかと思えばすぐにまた異国の音楽が目の前を通り過ぎていく。どうやらこのダンスフロアにいると次々にあらゆる時代の景色が聞こえてくるようだ。まるで時のレールに乗って踊っているようだ。そしてついにフロアの車輪がめまぐるしいスピードで回りだした。急がなければ、早く行かなければ!時代を駆け抜け時空を超えてエンジン全開、いざ、BACHへ!(作曲者プログラムノート)


このへんは作曲中に聞こえてきた近所と盆踊りの音が書かれているらしい


僕が思う「平川ワールド」全開の曲です。

さまざまな「踊り」がテーマになっていると同時に、バッハが引用されたりショスタコーヴィチやバルトーク風、あるいは20世紀音楽の響きを取り入れたりと文字通り時代を駆け巡ります。

この右下はドボコンのオマージュらしい。言われないと分からない!笑

駆け巡ってフォルテ3つで堂々と終わります。無事右腕終了。