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退屈と惰性と 改

ER グラップル レビュー

2020.04.28 08:15

 今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、

“ER EX-02 グラップル” です。


 オートボットの建築家、

“グラップル” が、

国内タカラトミーモール限定 ER EXシリーズとして発売されました。

 今回は同時発売の

“ER EX-01 サウンドバリア” 

と一緒にレビューしていきます。


 そんなわけで、“ウォー フォー サイバトロン トリロジー” の第2期、“アースライズ” が始まりました。

 戦いの舞台は地球に移り、初代アニメでお馴染みの、いわゆるアースモードのデザインをベースにしたリメイクシリーズとなります。

 正直、最初からそっちでリメイクてくれという気もしますが、なんだかんだでシージは良作ばかりだったので、しっかりとその方向性を受け継いでいるだろうアースライズには期待しかなかった・・のですが・・

 日本での販売方法に落胆した人も多かったはず。

 海外では普通に一般販売されるもののおよそ半数(現時点)がモール限定販売になるという事態に。

 まぁ、今の日本ではなんのタイアップもない商品に新規のファンが付くことなんてそうそうないのだろうし、数を絞れる受注限定販売にシフトするのは仕方のないことなのかもしれません。

 シージが、昔からのファンには好評だったものの新規層の開拓には至らなかった、ということなのでしょう。

 もっとも、単純に限定というとあまりいいイメージが湧かないところはあるんですが、タカラトミーモールに関しては常からクーポンやポイント10倍、20倍といったサービスが充実しており、送料も一定額で無料になるなど、某プレミアムなショップに較べて実質的な購入金額は一般販売とあまり変わりないので、その点はありがたいのですけどね・・


 なお、もちろん一般販売された二人も予約購入済みですが、わけあって到着が遅れております(というか、予定通り)。


 では、レビューしていきます。

 


グラップル

ロボットモード

 オリジナルトイ、そして初代アニメのデザインがかなり忠実に再現されています。

 同型のインフェルノもそうですが、クレーン基部に顔が埋まってるデザインは唯一無二。

 これまで通常ラインではまりリメイクの機会もなく、ましてやここまでオリジナルに近いデザインのものはなかったので嬉しいです。

 若干すらっとしてますかね。マスターピースだとアニメでの印象再現ということで、インフェルノに較べて胴回り(バンパーの辺り)のボリュームがアップしていたんですが、今回のものではそういった仕様変更はなさそう。

 というか、いまだにインフェルノの情報公開がないのはなんでだろうか? バンブルもだけど。

 ヘルメットはアニメ版準拠のオレンジ。穏やかな表情に気は優しくて力持ち的な雰囲気があります。

 左腕は設定通りバーナーを取り付けていますが、取り外して基部を回転されることで通常の拳にもできます。

 胸部は運転席部分がクリアパーツ製のため塗装されていますが、メインカラーのオレンジはほぼほぼ成型色です。ウェザリング塗装はありません。

 クレーンを背負った(?)後ろ姿。ほぼオレンジですが・・

 踵部分が少し後ろに伸びているので、自立は安定します。


ビークルモード

 クレーン車にトランスフォーム。

 オリジナルは三菱ふそうT951ベースのトラッククレーンですが、オリジナルトイの形状がかなり忠実に再現されていると思います。

 変形パターンもほぼほぼ同じ感じのようです。

 クレーンは基部で回転、仰角変更、伸縮も可能でフックも可動と、クレーン車のオモチャとして十分なプレイバリューがあります。

 UW版グレンのクレーンは仰角とれるだけでしたからね。これはありがたい(笑)。

 ただ残念ながら、フックは繋がった状態で成型されているので、なにかを引っかけたりすることはできません。紐を通したりはできます。

 変形の際の注意点。

 すでに海外版などを線購入した肩などから注意喚起がありましたが、このクレイーんきぶの5㎜軸と足裏の穴のはめ込みがけっこうキツくて、抜くときに軸を破損してしまう・・という事例があるようです。

 これもある程度個体差があるようで、うちに来たものはそこまでキツくはなかったのですが、念のため軸の砲をヤスリがけして、スッと抜けるくらいに細くしました。

 足裏の穴のほうは、ほかにも用途があると思うので手を入れてません。


付属品

 シージでは付属品(武器)にすべて名前が付いており、それぞれのスペックも表で記載されていたのですが、アースライズではなくなったようです。

 またサイバトロン語を解読することがなくなったのはいいんですが、なんか寂しい・・

 あ、もう地球が舞台なんだから、サイバトロン後は使われなかったかも。

 以下、名称はG1オリジナル設定より。


溶接ライフル

 溶接ライフルってなんだろう・・? 要は火炎放射器みたいなものなんだろうか?

 見ためはわりとオーソドックスなライフルタイプですけどね。

 銃口は5㎜軸で先端は3㎜軸。後部、クリップ上側面Ⅱもそれぞれ5㎜軸があり、拡張製は高いです。


溶接用バーナー

 デフォルトで左の拳の代わりに内蔵されているバーナー。

 なんでクレーン車のくせにやたら溶接したがるんだろう彼は(笑)。

 拳パーツを収納すると現れる5㎜穴に取り付けます。

 先端は3㎜軸になっており、同じアースライズ、そしてシージでも展開していたバトルマスターに付属のエフェクトパーツの取り付けも可能です。


グラップルアーム

 グラップルという名前なのにグラップできる装備がない! と気付いた(笑)のか、今回新規に付属することとなったアタッチメントパーツ。

 ロボットモードでは、バーナー同様拳の代わりに、ビークルモードではフック基部の5㎜阿南い取り付けることが可能です。

 ただしアーム自体は可動せず、中央に “A.I.R(Adaptable Interconnection Retrofitter)ロックシステム” と呼ばれるジョイントが設定されています。

 このジョイントと、要はこれまでに発売された基地等に変形するタイプのトランスフォーマーのタラップなどにあったもので、直近だとシージアストロトレインのコンテナや、このあと紹介するサウンドバリアとも連結することができます。

 結構前から共通規格だったジョイントだけど、前からこんな名前付いてたのかな?


サウンドバリア

 新キャラ・・ということになるのかな。なにか元ネタあるんだろうか?

 シージから引き続き登場すなるバトルマスタークラスですが、シージの面々がその名に相応しくそれぞれ武器に変形していたのに対し、アースライズではシリーズテーマでもある基地遊びと連動したアイテムとして、先にも言ったAIRロックシステムを搭載した “なにかしら”(笑)に変形するのが基本となるようです。

ロボットモード

 ロボットモードの仕様は、シージ版バトルマスター(ターゲットマスター系)とほぼ同じ。

 本体の可動は手脚の付け根のみというシンプルなものとなっています。
 ブルーにホワイト、差し色のレッドと主人公メカみたいな配色になっていますが、たぶん量産型(笑)。なので僕は2体購入しました。

 ボディ部分は全塗装になっており、一見豪華に思えますが、実はこれが罠。詳しくは後ほど。

ウエポンモード

 便宜上、一応ウエポンモードとしておきますが、単体ではおそらくシールドに変形。

 クリアブルーにシルバーの塗装が意外なほど格好いい。

 変形ですが、背中にたたんでいるパネル状のパーツを開いて、手脚をジョイントするだけの簡単なお仕事です。


 ゆえに裏面はこの通り。

 胸中央のパーツは起こすことで5㎜軸になります。

 武器ではないので付属するエフェクトパーツも被弾をイメージしたものになっています。

 しかしまぁ、普通に射撃エフェクトとしてもとくに違和感はありません。


 そして、ここからがアースライズ版バトルマスターの真骨頂。

 AIRロックシステムを使うことで、主に基地に変形するタイプのトランスフォーマーに連結させることができます。

 この場合はシールドではなくタラップですね。

 まぁ、真ん中に思いっきり段差ができてますが、坂道や立体駐車場のくだりスロープなんかにあったりするスピード抑制効果を狙ったものと思えば妙にリアルな気もする(笑)。


 もちろん、サウンドバリアだけでも縦に無限連結が可能です。

 上下どちら向きにでも連結可能です。

 なお、パネルパーツの上半身側は固定かと思いきや普通に可動するので、けっこういろいろと遊べたりします。

 例えば、

 イスとか。

 ボンボンベッドとか。

 ネズミ捕り、あるいはトラバサミとか・・

 モデルの女の子のことは気にしないでください(笑)。


 ただここで注意点。

 ボディパーツが全塗装なので気付きにくいのですが、実はこれ、素材は背面のパネルと同じクリアパーツです。

 つまり、普通のプラよりもどうしても脆く、間接となるボールジョイントの強度面に不安があります。

 実際、とくに股関節で破損報告がけっこう上がっています。

 後部パネルにジョイントしたまま、うっかりパネルをたたもうとしたら、鋲でジョイントが弾け飛んだ・・という話も。

 また腕や脚がちょっと粘りのある素材なので、ジョイントがけっこうしっかり固定しちゃうんですよね。

 素材の相性が悪いほうに出ちゃった感じですか。

 グラップルといい、日本版第1弾のモール組はなかなかに厄介ですな。



比較画像

 グラップルのみになりますが、まずはユナイテッド版と。ロボットモードで。

 ユナイテッド版グラップルはヘケヘケ版インフェルノのリデコになります。

 ヘケヘケ版インフェルノはまずアイデンティティであるはずの梯子がなかったので、コレジャナイ感が強かったのですが、こちらはちゃんとクレーンが付いているので、とりあえずグラップルとしての最低限の基準は満たしているかと。

 それでもまぁ、オリジナルのイメージとは随分違いますけどね。

 色と胸部の運転席で、なんとか記号としては共通と認識できるくらいの感じはあるか。

 あらためて、今回のアースライズ版の再現度は素晴らしい。

 ちなみにクラスとしてはどちらも同じボイジャーです。


 ビークルモードでも。

 ユナイテッド版の変形はかなりシンプル。

 ずんぐりとしたフォルムはオモチャ感が強いですが、クレーンの可動ギミックはしっかり再現さてている点はアースライズ版とも共通する部分です。


 同じクレーン車モチーフということで、アニメ劇中でもなにかと絡みのあったビルドロン(コンストラクティコン)のグレン(フック)と。ロボットモードで。

 こちらのグレンはユナイトウォリアーズ(UW)版ですが、単体ではボイジャークラス相当ということでいいサイズ感になるかと思ったんですが・・でかいよ。

 でかいわりに構造がけっこう単純だから、なんというかでくの坊感がすごい・・

 UW版デバスターの説明書裏の一コマ漫画では、アニメでの共演エピソードの一幕が描かれているのですが、そこではグラップルがロングハウルを除くビルドロンたちよりも一回り大きく描かれています。

 実際のイメージでもそんな感じだとおもっていたんですが、まさかここで逆転してしまうとは・・

 前から思ってたけど、UW版ビルドロンはロングハウルだけボイジャー相当で、あとの5人はデラックス相当でもよかったと思う。それなら、スクランブル系の合体戦士とのサイズ感もいい具合になっただろうに。


ビークルモードでも。

 この形態だと、グレンが海外製の移動式クレーンと思えば、一回りほど大きいのはまぁアリかな、とは思うのですが。


 まだ同じアースライズの一般販売分が届いていないのでシージ版となりますが、同じボイジャークラスの司令官、そしてデラックスクラスとしては大きめのアイアンハイドと。各形態で。

 あれ・・? グラップル小さい?

 というか、司令官が思いのほかでかいのかな。

 アースライズ版も司令官のサイズはほぼ一緒だろうし、うぅむ・・


以下、画像

 可動についてはシージ基準をしっかり継承しており、非常に優秀。

 足首は左右スイングに加え、変形都合に余栄前後にも柔軟に動きます。

 頭部も、箱型の基部は固定ですが、もちろん頭部自体は左右に振れます。まぁ、視界はあまりよくはなさそうですが・・

 膝立ちはちょっとバランスがとりにくいものの一応可能。

 グラップルアーム装備で敵を押し潰すようなイメージで。


 サウドバリアのウエポンモード(シールド)装備で。

 大きく頑丈なボディにシールド2枚装備でまさしく味方の盾になる。

 気は優しくて力持ち。


 さらにシールドを連結させた謎の武器で敵を攻撃。

 マスタークロス的な?(笑)

 なお、スタンド対応3㎜穴は腰裏になります。あまり跳んだり跳ねたりのイメージはないけどね。


 ビークルモードでも。

 デフォルトのフック以外にもいろいろとアタッチメントが変更できて楽しい。

 とにかく、クレーンがちゃんとクレーンとして動かせるのは嬉しいですね。

 最近、建設車輌系のトランスフォーマーがけっこう充実してきましたが、ちゃんと建設車輌としてのギミックまでも再現したものは少なかったからなぁ。

 彼は爪も飛び出してないし・・(笑)

 クレーン先端にバーナー装備。さらにサウンドバリアを増加装甲に見立てて高射砲のイメージで。


 サウンドバリア製造工場。

 きっとこんな感じで大量生産されているに違いない。


 グレン以外のビルドロンたちとも。

 リカラーでロードホラーとか、海外限定で出したりしそうですが、ビークルモードはともかくロボットモードでのサイズ感がなぁ・・

 入社した建設会社のガタイのいい先輩たちに囲まれて若干ビビってる新人みたいになった・・


 以上。“ER グラップル & サウンドバリア” でした。


 アースライズ始動・・ではありますが、海外では普通に一般販売されるモノが日本では限定販売。それも、シリーズとして提案する新たな遊び方の根幹を成すバトルマスター(マイクロマスター)がすべて限定に回されるというのは如何なものか?

 とまぁ、すでに多くの方が不満を漏らされていると思うので、その件については僕もここまでとします(すでに散々言ってきたし・・)。

 グラップルは、少し小さいことを除けばオリジナルトイ、アニメデザイン両方にリスペクトを感じる理想的なリメイクだと思います。

 サウンドバリアのほうも、意外と拡張製(?)があって楽しめました。

 ただ気になったのは、グラップル、サウンドバリアともに予備知識なしで遊んでいると痛いメを見る可能性がある、というところですね。

 本文でもなるべく詳しく書いたつもりですが、これはもう品質管理というレベルの話ではなく、そもそも設計に問題アリです。

 グラップルのクレーン基部はどう考えても負荷のかかる部分だし、サウンドバリアの股関節も背面のパネルとの間にクリアランスがなさ過ぎで、どうしたって干渉しますから、クリアパーツでなくともやはり負荷がかかるのは目に見えてるのに・・

 まぁ、どちらも事前に知っていれば簡単に対処できる(サウンドバリアに関しては注意するしかないわけですが)ところではありますが、なんでこっちが気を遣わなくちゃならないんだ! と。

 もちろん、基本丁寧に扱うのは前提として、でもあまりモノを考えずにガシガシ動かして遊びたいじゃないですか。それこそが僕の思うトランスフォーマーなんだけどなぁ・・

 こういうことがあると、新アイテムはまず点検から入らないといけない。

 せっかくトータルクオリティはいいんだから、細かいところでケチつくのはもったいないですよね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。


 司令官と相方の発送案内がまだ来ないんだが・・