蜘蛛の糸
2020.04.29 03:41
蜘蛛が垂らす糸を
「俺だけが」と周りを蹴落としてでも這い上がろうとする浅ましさも
自分自身のこととしてわかるし
悲しそうに見つめる
お釈迦さまの顔もまた
わたしの姿として感じる
聖人も悪鬼も
極楽も地獄も
別世界であり
そして
別世界ではないのだろう
極楽の蓮の池は
地獄の養分で
花を咲かせているのだから。
糸が繋いでいる。
その距離は
遥か永遠のように感じられようとも
天から見れば
朝からひる時までのようなひと時
地獄も極楽も
胸三寸。