アコースティックギターについて
昔からよくいただく質問があります。
『アコースティックギターとフォークギターって違うんですか?』
『アコギが欲しいんですが、(ガットを指して) これは弦の違いだけですか?』
『アコギ用の弦が欲しいのですが、どれがいいですか?』
パッと見の見た目が似ているため、初めての場合は見分けるのが困難です。アコースティックギターと呼ばれるモノには大きく分けて2種類あります。スチール弦のモノが日本の一般的な名称でフォークギター、ナイロン弦のモノが一般的な名称でクラシックギターです。
どこでも大丈夫ですが、私は札幌在住なので名称の関係性を北海道で例えたいと思います。地名は道内の地名であればお好きな場所で結構です。
● 北海道 = アコースティックギター
● 札幌 = フォークギター
● 旭川 = クラシックギター
札幌、旭川は違う街ですが、北海道にあることに変わりはありません。なので、種類は違えど、総称は一緒、ということです。
街が変わればその土地によって景色も名産品も変わってきます。
フォークギターもクラシックギターも細かな違いはここでは省略させていただきますが、弦の素材が違います。そのため音色も異なり、正式なクラシックギターの場合は左手のフォームも異なります。でもどちらもアコースティックギターの種類のひとつに変わりはありません。
弦をご購入の際はフォークギターなのかクラシックギターなのかを知っておくと、万が一お子様に頼まれた時も店員さんにフォーク用、もしくはクラシック用が欲しい、とお伝えいただければ大丈夫です、伝わります。ほとんどの場合、アコースティック弦はスチール弦を指します。そしてとても浸透している名称ですが、『フォークギター』という名称は日本だけです。
もう一点補足します。
スチール (フォーク用) 弦には大きく分けて2種類あります。
● 80/20 BRONZE (ブロンズ)
● PHOSPHOR BRONZE (フォスファー ブロンズ)
銅にスズか、銅にリンか、混ぜる金属の違いですが、この違いにより音質が異なります。ざっくりとご説明させていただきますと、ブロンズはどっしりとして力強い音、市販のギターに最初に張られている弦の多くはこちらのブロンズです。
フォスファーブロンズはブロンズに比べ、明るくて煌びやかな音が特徴的です。
同一メーカーのこの2種類の弦を普段使用しているギターで比較してみると違いがわかりやすいと思います。どちらが優れているというものでもなく、お好みや楽器との相性によって使い分けられています。
もう一点だけ補足します。
弦にはすべて、太さ (ゲージ) のバリエーションがあります。
● Extra Light / エクストラ ライト
○ Custom Light /カスタム ライト
● Light / ライト
○ Light Medium / ライト ミディアム
● Medium / ミディアム
● Heavy / ヘヴィ
など、です。上から下にいくにつれて全体の弦の太さが太くなっていきます。市販のギターに最初に張られている太さの多くはライトです。硬くて痛いから柔らかいのが良い、というリクエストがあった時にはエクストラ ライトを選んでみるといいと思います。
弦のメーカーによってそれぞれ同じゲージ (太さ) でも張りの強さ (テンション) や音色に違いがあります。これは靴に例えられます。靴のメーカーが違うと同じサイズのモノでもフィット感やサイズ感、履き心地に違いがあると思います。靴だからどれもまるっきり一緒ってことはありません。弦も同じです。
私は昔、ほうれん草をおつかいで頼まれた時、スーパーでどれがほうれん草かわかりませんでした。調理済みしか見たことない時はそんなものです。弦も同じで張ってる状態しか見たことがなければ、どのようなパッケージで売られているのかわからないものです。
この点に関しての補足は不要だと思いますが、大人になった今現在も野生のほうれん草は区別がつきません。
以上です。