日本宣教17-茶道にも影響したキリスト教
2020.04.30 11:46
1584年天皇や著名武将を診療していた名医、曲直瀬道三がキリスト教の洗礼を受けた。きっかけは豊後でオルガンティーノを診療したことである。これは「一万人の改宗よりも効果がある」と言った者も居るようだ。さらに右近の勧めで、小西行長、蒲生氏郷、黒田孝高など有力武将も改宗した。
キリスト教の急速な普及は、この明確な神学知識を持つ宗教の魅力もさることながら、日本人のほうに抵抗感が少なかったこともあるようだ。日本人は、外国の優れたものを受け入れるのに抵抗感が少ない。さらに仏教、神道がキリスト教と似た部分を持っていたこともあげられる。
このことは宣教師達も認めて書いている。お盆は死者の日に似ており、神道などの整備された礼拝形式がミサと似ており、旗や武具にシンボルを着けるのも欧州と同じだと書いている。そして、盆行事を信徒が行うのも宣教師達は黙認したようだ。
そしてこの頃の新文化である茶道にも、キリスト教の影響は認めざるを得ない。利休七哲の3人はキリシタンで、利休の妻娘も信徒と言われている。椀を拭く所作は酷似し、宣教師も信徒に茶道を勧め、教会にも茶室があったという。茶室は武器を置き、皆平等であるが、キリスト教において武将達が求めた安らぎを、文化的に提供したといえ、いかにも日本らしい。
下はカトリックのカリスの紹介動画