新社会保障 - #BI と #ベーシックワーク
新しい社会保障・失業対策の仕組み ー ベーシックインカムとベーシックワーク
2017年01月30日
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重要な部分を先に掲載。
包括的な現物給付の場合は配給制度であり、国民全員に無償で現金を給付するイメージから
共産主義・社会主義的と批判されることがあるが、
ベーシックインカムは
自由主義・資本主義経済で行うことを前提にしている。
ベーシックインカムが他の既存の社会保障の仕組みと異なる点は、無差別にすべての国民へ給付するという点にある。
また、社会主義との相違点は、資本主義の枠内で実行する点にあると言えよう。
「ベーシックインカム」という仕組みは一部の国家・地域で実験的に導入され、話題になっていますが、最近、「ベーシックワーク」という仕組みを提唱している経済学者・社会学者がイギリスにいます。
ソ連崩壊後、資本主義が勝利したとして、新自由主義が世界を席巻している中、新しい考え方が根付くのでしょうか?
ソ連崩壊後の新自由主義・「構造改革」に伴う負け組の発生
雇用の拡大がいわれるが、正規雇用のハードルは高い。
地域では長期にわたり仕事に就けない人が増大し、貧困率も高まっている。
アベノミクスによる恩恵は、首都圏近郊の雇用、新卒就職に限られており、地方や既卒者への恩恵は薄い。
1990年代初めにソ連が崩壊し、資本主義の勝利が喧伝され、アメリカ流の新自由主義が地球規模で広まって久しい。
しかし、資本主義の競争に敗れ、失業する者、就職できない者が生じることは避けられない。
その敗者を放置し、「弱者は死ね」と命じるのか、何らかの救済を与えるのか、人類社会が選択を求められている。
日本においては、小泉純一郎が21世紀初頭に台頭し、弱者切り捨て、強者の論理に基づく政策を実行し、「痛み」を与える政治を実行し、当時の新卒世代は大学卒業者で55%しか就職できない事態となり、高卒や専門卒はもっと悲惨な状況となっていた。
その結果、不安定な日雇い派遣や非正規労働、ニート状態に追い込まれた者が大量に発生し、倒産・廃業・失業に伴い、絶望から自殺する者が毎年3万人から4万人発生している状況がしばらく続いた。
しかし、国民はこの小泉の「構造改革」と呼ばれる政治を称賛し、9割近くが支持をしていた。この背景には、マスメディアの執拗な小泉賛美、「構造改革」賛美の報道姿勢が根っこにある。
小泉内閣から10年の歳月が流れたが、現在の日本は少子化問題に苦しんでいるが、今の新卒世代に関しては、アベノミクスの恩恵により、超売り手市場となり、就職が容易になっている。
しかしながら、社会全体を見渡すと、高齢化の進展により社会保障の維持が困難になりつつあり、移民の大量導入なども議論されている。
そんな中、負け組とされた非正規労働者、ニートなどは救済も得られず、放置されている。
このまま、負け組を「見殺し」にするのか、何かの救済を与えるのか、社会の在り方が問われていると言えよう。
新しい社会保障の仕組み「ベーシックインカム」
ベーシックインカム(basic income)とは最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想
フィリップ・ヴァン・パレース(Philippe Van Parijs、1951年 - )
ベルギーの哲学者、政治経済学者
ベーシック・インカムの提唱者
1995年に出版した著書『すべての人にとっての本当の自由:何が(いったい)資本主義を正当化できるのか?』(Real Freedom for All, What (if anything) can justify capitalism)においてベーシックインカムを提唱した
これ以後、ベーシック・インカムは、「絵空事」ではなく、オルタナティブで現実的な政策として、多くの賛同者と批判者の間で盛んに論議されるようになった
フィリップ・ヴァン・パレースが代表的な提唱者であり、弁護者である。
しかし少なくとも18世紀末に社会思想家のトマス・ペインが主張していた
今から20年以上前のソ連崩壊後のポスト冷戦時代に、すでに提唱されていた。もっと遡ると、同様な思想はアメリカ独立戦争時代にも存在した。
トマス・ペイン(Thomas Paine、1737年1月29日 - 1809年6月8日)
イギリス出身のアメリカの社会哲学・政治哲学者・革命思想家
最低限所得保障が必要なことを説いた論文『農民の正義』(Agrarian Justice)を執筆した
アメリカ独立戦争に参加し、奴隷制廃止を主張した
国民の最低限度の生活を保障するため、国民一人一人に現金を給付するという政策構想。
生存権保証のための現金給付政策は、生活保護や失業保険の一部扶助、医療扶助、子育て養育給付などのかたちですでに多くの国で実施されているが、ベーシックインカムでは、これら個別対策的な保証ではなく包括的な国民生活の最低限度の収入(ベーシック・インカム)を補償することを目的とする。
繰り返し
包括的な現物給付の場合は配給制度であり、国民全員に無償で現金を給付するイメージから
共産主義・社会主義的と批判されることがあるが、
ベーシックインカムは自由主義・資本主義経済で行うことを前提にしている。
ベーシックインカムが他の既存の社会保障の仕組みと異なる点は、無差別にすべての国民へ給付するという点にある。
また、社会主義との相違点は、資本主義の枠内で実行する点にあると言えよう。
世界各国の「ベーシックインカム」(類似する政策も含む)の導入例
ベーシック・インカムを2016年1月から試験的に導入すると、オランダ第4の都市ユトレヒトが発表
ユトレヒトでは「実験的」に導入されている。今後、この政策が「実験」ではなく、本格的に恒久的な政策として定着し、他の都市や国家にも広まるのか注目される。
ナミビアのOtjivero-Omitara村の60歳以下の住人930人が対象。
ブラジルのサンパウロ州のカチンガ・ヴェーニョという100人程度の農村。
カナダのマニトバ州ドーフィンで1974年から1979年にかけて行われた
アラスカの『アラスカ・パーマネント・ファンド(アラスカ永久基金)』。州レベルの実施。潤沢な天然資源から得られる税収を財源としている。2011年度の支給額は一人当たり年1174ドル(約91900円)
モンゴルの『人間開発手当て』。主に鉱物などの天然資源の輸出による税収を財源としている。
イランの『現金補助金』。石油輸出による税収を財源としている。
「ベーシックワーク」という考え方の登場
ベーシックワークは、自治体が働きたい市民に一定時間の就労を保障する仕組みである
すべての成人に一定時間の就労の権利を保障しようとする「ベーシックワーク」とも言うべき考え方に注目するべきではないか。
例えば、1996年のローマクラブのリポートでイタリアのエコノミストのジアリーニらが提起した構想である。
政府と自治体が責任をもって、18歳から78歳までの男女に、地域密着型の事業などで週20時間の就労を保障する。公的扶助の財源の一部をこちらに転用する。
最低賃金を守る雇用とし、これに給付付き税額控除などを組み合わせることで、生活可能な所得を実現する。
最近ではイギリスの経済学者アンソニー・アトキンソンが、世界的な困窮の広がりに対する処方箋として提起
アンソニー・アトキンソン
Sir Anthony Barnes "Tony" Atkinson, 1944年9月4日 -
イギリスの経済学者
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授
アトキンソンは1960年代から所得格差問題や公共経済学についての研究をはじめ、2015年時点ではこの分野での重鎮と考えられている
トマ・ピケティにも大きな影響を与えた。ピケティは、アトキンソンは所得と富の歴史についての研究の第一人者であると述べている
ベーシックインカムには「人間を怠けさせる」などの批判があるとともに、「財源をどうするのか」という現実的な問題も存在する。
従って、公営住宅を無償提供し、(とりあえずは、低所得者だけを対象として)月に数万円のベーシックインカムを支給するとともに、月に数万円のベーシックワークも保証するという風に、いくつかの政策の組み合わせが有用かもしれない。
テクノロジーが変える「シェアリングエコノミー」の未来~秋好陽介×天沼聰×金谷元気×重松大輔
GLOBIS知見録
ランサーズ・秋好氏×エアークローゼット・天沼氏×akippa・金谷氏×スペースマーケット・重松氏
あすか会議2018
第6部分科会E「テクノベート時代のシェアリングエコノミーの進化」
(2018年7月8日開催/国立京都国際会館)
モノ、移動、空間、時間、情報、そしてスキルと、「シェア」できる対象は無限に広がる。昨年日本人が「シェア」した総額は2,660億円まで急拡大しているという。所有からアクセスへ。インターネットとテクノロジーの進化によるこの不可逆的なパラダイムシフトは今後その勢いをさらに増していくだろう。テクノベート時代に加速度的に進化するシェアリングエコノミーの未来を語る。(肩書きは2018年7月8日登壇当時のもの)
秋好 陽介
ランサーズ株式会社 代表取締役社長
天沼 聰
株式会社エアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO
金谷 元気
akippa株式会社 代表取締役社長
重松 大輔(モデレーター)
株式会社スペースマーケット 代表取締役/CEO