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暮改

2020.05.01 03:45

暫くの辛抱といえど「先」見えぬ不安は介護に同じ。霧晴れぬ陰鬱な日々に好材料を探していて。楽観的な見通しが立てど陰ならともかく公言は出来ず。的中に賛辞少なく、ハズレれば袋叩きが関の山にて閉口が利口。逆の命題は成り立つが故に...と週刊誌に見かけた。いわゆる「人」に言えぬ恐怖。そして、「敵」見えぬは人の内面も同じ、リーマン以上の恐慌の到来に疫病よりも生活上の窮状を理由に床に臥せるが深刻な事態を招きやしまいかと。

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接触の八割を絶たば短期間に下降線を描く、と。慣れぬ休日、読書位しか娯楽なく、週末はカミュの「ペスト」に学んだ。未曽有の事態に翻弄される人々の描写は様々な示唆を与えてくれる。世界的なベストセラーとあらばその情景が脳裏よぎるは必定にて都市封鎖なる聞き慣れぬ語彙が叫ばれたのもこちらに端緒の一つがあるのではないかと。

高きから低きに流れる水が如く抗わずと流されるが自然の理。それを理由に自粛を選ぶは容易なれど人に会うが仕事、来る者拒まず、よもやそれしか取り柄はないのではないか。いや、何とも結構なことで。欧米に比べて我が国は...との批判的な言動目立つ巷。現在の置かれた状況はどこぞに酷似しており、悲劇まもなく...と、随分前から聞いている気がしないでもなく。当初、水際の不手際が深刻化を招いたなどと批判を浴びるも、その後の経過見るに他国ほどの状況に陥っておらぬは例の予防注射の予期せぬ効能...いや、やはり最前線にて患者に向き合う医療従事者はじめ関係者に負う面が大。

強制力を伴わぬと申しても過去の戦時下の教訓を踏まえての結果であるし、罰則あらずと顕著な効果見られるは従順な国民性に自己防衛の意識が浸透しとる証左ではなかろうか。優先されるべきは重篤者にてそこに限られた資源を投下するに異を挟まぬも無症状者及び軽症者とて「同じ」陽性に変わりなく、その捕捉を怠っては責任問われかねず。「症状の割に...」と思わぬ面はないこともないながら対象者数の大幅増に保健所の人員体制を心配してみるも立ちはだかるは自粛の壁。誰だ、こんな通達を下したヤツは...私か。

国においても自粛の通達が流れたとか。議会が調査権ならばあちらは知る権利。当人の性格か職業柄か、執拗な攻勢に当事者の負担は想像に難くないが、相手方とてそれを好機と悪用する位の知恵は働く訳で。たったそれしき、と思しきこともなしのつぶてでは鬱憤募りかねず。議長の通達といえど報告要らぬ免罪符になりえず。履き違えぬよう、「そぉーっと」指示を下した。

(令和2年4月15日/2564回)