monochrome diary

上野竹林王国物語~白浜王国編~⑨

2016.05.18 03:37

【Bar Shine on you】


今宵も店は大盛況に終わろうとしていた。


ラウママ、ゆーたん、レッサー兄弟は、それぞれ持ち場の片付けをする。


優浜心の中(このタイミング逃したら有耶無耶になってまうわ。何とかママと話せな)


色々と考えているうちに、レッサー兄弟の帰る時間になったらしい。


兄「今日もお疲れ様でした。

いや~、ゆーたん姉さん、今日は一段とせくしーでしたね。僕、ドキドキしちゃいましたよ~」


こういうところが、女性客のハートを虜にしているらしい。


優「何や、先週まではせくしーやなかったんか?」


兄「ち、違いますよ!いつにも増してせくしーだったってことですよ!」


優「分かっとるわ。ちょっと意地悪言うてみたかっただけや」


兄「勘弁して下さいよ~」


弟「にーちゃーん!そろそろ帰らないとー!」


レッサー弟が兄を呼びにくる。


兄「あ。では、僕たちはそろそろ」


弟「また来週もよろしくお願いします」


優「ほな、お疲れ。気つけて帰りや!」



レッサー兄弟が帰ったため、店にはラウママと2人。

ゆーたんは、ラウママに話しかけるスキを狙っていた。


そのとき、


ラウ「優ちゃん。何か話あるんでしょ?」


ラウママから話を振ってきた。


ラウ「桜桃ちゃんの旅のことよね?陽ちゃんの様子がおかしかったのも、それが原因なのね?」


ラウママにはお見通しだったよう。


ラウ「海くんから電話があったのよ。陽ちゃんは納得してくれたから、優ちゃんには話をしてくれってね」


優「おねーたんが?」


あんなに怒っとったのに?

ゆーたんは驚きを隠せなかったようだ。


まぁ実際は、お酒の力を借りて、海浜にまくし立てたのだが( ̄▽ ̄;)


ラウ「納得できなかったのよね?」


優「そうや。海おにーたんが無理やったら、陽おねーたん、それも無理やったらあたしに話が来て、あの子らはそっからやないんか?」


ラウ「海くんのおちりの事情は理解してるのね?」


優「理解の前に、そのおちり痛そうな表現やめへんか…」


心の中で密かに思ってたことを思わず口にしてしまうゆーたん(笑)


ラウ「正直ね、詳しいところは私にも分からないの。でも、色々なことを加味した結果、あの子たちになったみたいよ」


優「それが納得いかんのや!」


ラウ「とは言っても、もう決まったことみたいだし…」


優「じゃあ何で一言あたしや陽おねーたんに相談してくれんかったんや?

この国のことやろ!何でパパとママと海おにーたんで決めてまうんや!!」


ラウ「決めたのはパパよ。私は何も言ってないし、詳しいところはホントに分からないの」


感情的になるゆーたんに対し、あくまで冷静さを貫くラウママ。


ラウ「ここからは私の個人的な話をするわね」


一息おいて続ける。


ラウ「海くんは置いといて、陽ちゃんと優ちゃんにはここにいて欲しいっていうのがママの願いなの。

堅苦しい公務の息抜きにこの店を作ってから、2人は本当に私を支えてくれた。私としては、これからも2人とレッサーくんたちと、この店を続けていきたいと思ってるの」


優「…そうなんか…」


ラウ「陽ちゃんと優ちゃんに抜けられたら公務にも差し支える可能性もあるし、かといって女の子を1人で知らない人たちと一緒の旅に出すわけにはいかない。

その点、桜桃ちゃんは公務に関してはまだ経験も浅いし、2人ならとんがり王子たちのサポートもこなしてくれるはずだと思ってるわ」


ラウママの言葉には説得力があった。

気持ちが落ち着いてきた今なら理解できる。

ゆーたんは思っていた。


優「…あたしと陽おねーたんの存在が、パパにとって、なかったことになっとるみたいなんが気に入らんかったんや。少なくともあたしは」


ラウママ「陽ちゃんも同じだと思うわ」


優「2人やったら、、、何とかなるんやろか?」


ラウママ「なるわよ。あの子たち、あれでいて妙に度胸座ったところあるし。それに…」


優「それに?」


ラウママ「私の可愛い娘たちに何かあったら、とんがり王子に笹ブーメランお見舞いするから問題なくってよ!」


優「…別の意味で問題や。仮にも相手は一国の王子なんやでヽ(´Д`;)ノアゥ...」


ラウママ「国交に関しては国王がどうにかすればいいことよ。私は家族を守ることの方が大事だわ」


優「なるほどな」


ゆーたんは思った。

「このくらいの肝が座ってないと、大家族の母にはなれない」

と(´-ω-)ウム



ラウママ「落ち着いた?」


優「ちょっとは」


ラウママ「そう。じゃあ今日は先に帰って休みなさい」


優「ほな、そないさせてもらうわ」


ゆーたんは、店を後にして城へ向かった。

ママって凄いと実感しながら。。。




そのころ、ラウママは、、、


ラウママ「えぇ、こっちも大丈夫よ。もうすぐ帰る頃だと思うわ」


誰かと電話をしていた。


ラウママ「それにしても、、、言い伝えって何なのかしら?そんなもの、どこで見つけたの?」


ラウママ「にしても。この国もまだまだ謎が多いわね。私も行ってみようかしら、その地下の書物庫」


ラウママ「じゃ、もう少ししたら私も帰るから。帰ったら詳しく話を聞かせてちょうだいね、海くん…」


さて、海浜は何を語る?






上野竹林王国物語の本編は、いのぱんだ様のブログでお楽しみください( •̀ᴗ•́ )/