ER オプティマスプライム With トレーラー レビュー
2020.05.05 11:45
今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、
“ER-02 オプティマスプライム With トレーラー” です。
オートボットの総司令官、
“オプティマスプライム” が、
待望のアースモードにコンテナ付属の豪華仕様で発売されました。
パワーオブザプライム以降の世界共通仕様のために、商品名はあくまで海外名(本名)のオプティマスプライムではありますが、これこそ我らのコンボイ司令官ですよ。
G1アニメデザインをベースに現代ふうにリデザインされ、かつコンテナ付属というまさに理想的なリメイク。
ファンが長年待ち望んでいた姿が、今ここにようやく実現しました。
どうせなら4月の一般販売枠は彼だけにして、栄えあるナンバリング1番めを捧げてほしかったところですが・・
新シリーズのたびにほぼ新しいモノが作られるコンボイ司令。毎度いろいろな切り口で登場してくれますが、今回は原点回帰。
初代オリジナルのテイストを現在の技術でブラッシュアップした傑作になっています。
クラスカテゴリはリーダーですが、本体はボイジャークラス相当。そこにオプションとしてのコンテナを加えてリーダークラスとしています。
シージ以降、早くも定番となった仕様ですね。
その本体はシージ版のパーシャルということになりますが、脚部の一部を除いてほとんどが新規造形パーツで構成されており、変形パターンも大きく変更されています。
フラッグシップアイテムとして当然ではありますが、本体には一切の手抜きがありません。
本体には・・
ちょっと含みを持たせて(笑)、レビューに移ります。
まずは、発売前から話題をさらったパッケージ封入時のコンテナへの固定状態を激写。
一応、コンテナ側の5㎜軸と本体背部の5㎜穴とで接続されてはいるんですが、パッケージングに際してしっかり固定されるよう、紙紐で縛られているんですね。
その縛り方が物議を醸していたわけですが、さすがにタカトミが恥ずかしくなったのか、日本版のパッケージングでは紐の通る位置が変更され、変態仮面ではなくなりました(笑)。
だとしても縛られていることに変わりはないので、司令官にまた新たな性癖・・もとい、キャラ付けがなされてしまったことはもはや取り返しがつきませんが。
よくも悪くも、ネタに事欠かないヒトです。
というか、普通にこの状態で取り出せてしまえるのが凄い・・というか、酷い(笑)。
これもう公式がネタにしてるだろ。
なお、裏側。
さて気を取り直して、
ロボットモード
紛うことなきコンボイ司令官。
手脚などにオリジナルの箱ロボ感も残しつつ、ウエストがきゅっと絞れたスマートかつマッシブという最適なプロポーションを実現しています。
パーシャル基であるシージ版、そしてスタジオシリーズのバンブルブー版と、最近G1デザインベースの司令官が量産されがちですが、そのなかでもやはり抜きん出ています。
腕が少ーし短い気もしますが、前腕などに余計なガワが一切付いていないのは素晴らしい。
目や拳の色がどうなるのか? という話題もありましたが、アニメデザインを踏襲して両方ブルーということになりました。
ただ、目の周りもブルー(成型色のまま)なので、そのせいでちょっと顔が暗い・・オリジナルトイでは目の色は黄色でしたね。
胸部ウインドウはクリアパーツの裏面にシルバーの塗装が美しく、そのウインドウの枠やワイパーなどの細かい部分もしっかり塗装が施されています。
そのほか各部のディティールも意外にけっこう細かい印象ですが、シージほど目立つ感じはありません。
一方でウェザリング塗装はなし。アレ? なんでホイストだけ・・
後姿も非常にすっきりとシンプルに。
腰にタイヤなどのガワが少し残ってしまっていますが、シージ版のように背中に板が張りついているようなことはなくなりました。
脛裏も新規パーツでみっちりディティールが入っています。
ビークルモード
いわゆるコンボイトレーラー(オリジナルトイのモチーフはフレートライナーCOE)にトランスフォーム。
まずは本体が変形したキャブ部のみで。
フロント部分はロボットモードの胸部から腹部と基本同じデザインですが、形状の違いをパーツを展開することによって再現。
シージ版ではそれらのパーツを背部に回したガワの内側にたたんでいたのですが、今回のアースライズ版ではすべてロボットモードの胸部に収納されています。だから背中があんなにすっきりしていたんですね。
胸部を180度回転させたと、さらに上向きに開き、その内側からパーツをパタパタと開いていく変形は非常に楽しいです。
なにかと蔑ろにされがちだった後部レイアウトも実にすっきりとまとまっています。
ただ、脛の青色整形のパーツを流用する一方で変形パターンが変更されている(シージ版では太腿から下を180度回転。アースライズ版はそのまま)ため、外側にとくに必要のない5㎜穴が出たまま・・という事態になっています。
まぁ、ほかにも多数あるハードポイントの1つと見ればなんということもないんですが。
トレーラーコンテナを連結して。
今さらですが、“オプティマスプライム With トレーラー” っておかしくない? オプ自身がトレーラーに変形するんだから、“With コンテナ” じゃないの? って思ったんですが、牽引する側だけでなくされる側の車輌もトレーラーと呼ぶようですね。
このコンテナも、タイヤが付いてるから一応車輌だし、トレーラーと呼んでもおかしくはない、と。
コンボイです。それ以外のなにものでもない。
最初は、後部のタイヤとコンテナの間が随分空いているので、ちょっと浮いた感じがするなぁ・・と思っていたんですが、そのうち気にならなくなりました(笑)。
なによりもまず側面のラインとオートボットマークがシールじゃないのに感動。
本体キャブとの接続は5㎜軸。ちゃんと左右に振ることも可能です。
コンテナ自体のギミック等についてはまた後ほどに。
付属品・ギミック
レーザーライフル
通称コンボイガン。
今回付属する唯一の手持ち武装です。
コンテナを除く付属品がこれだけというのは、ちょっと寂しいですね。
全体に若干寸詰まり感があります。
銃口部分が5㎜穴になっていますが、あとは左側面に5㎜軸が1つだけと、案外拡張性には乏しい感じです。
銃身の真ん中で折りたたむことができます。
たたんだ面のそれぞれが一応5㎜穴になっています。
ビークルモードなどではこの状態でマウント。
ただ、コンテナの場合はたたんだスタンドと干渉するのでちょっと斜めになります。
両の拳は人差し指以下の4本が一体成型で開閉可能になっています。
このサイズのトランスフォーマーではなかなか珍しい仕様。
次に紹介するマトリクス保持のための仕様でしょうね。
マトリクス
オートボットのリーダーが歴代受け継いでいく象徴的アイテム、マトリクスが付属。
胸部が展開し、収納が可能(最初から収納されています)になっています。
パワーオブザプラムで同様のギミックがありましたが、今回はそれよりもずっと小さく、専用パーツとして再現されています。
こちらが取り外した状態。
さすがに外枠とは一体成型ですが、クリアブルーのパーツにゴールドとシルバーで綺麗に塗装されています。
若干ゴールドがはみ出し気味ですが・・
この外枠部分を、先の開閉可能な拳で保持することができるわけです。
マトリクスを取り外した胸部には5㎜穴があります。
若干奥まったところにあるので若干使いづらいですが、いろいろと夢が膨らむ仕様です(笑)。
トレーラーコンテナ
まずビークルモード時では後部ハッチが開閉可能です。
ハッチ先端には例のジョイントを完備。
内部にはもちろん空間があるので、ほかのキャラのビークルモードを積み込むことも可能ですが、同時発売のホイストはもちろん、シージのデラックスクラスもほとんど収納できません。
レジェンドクラスなら無理なく収まってくれるんですが、シージ以降レジェンドクラスは廃止されたわけで・・
なお、内部には管制塔のパーツが格納されているので、どちらにせよ積めるのは1台のみ。
あとハッチから5㎜軸映えてるから、そこで引っかかって事故る気がする・・
トレーラーコンテナ バトルステーションモード
コンテナの側壁を展開することで基地モードに変形。
まずは横向き。
裏面のスタンドを起こすことで水平になります。
オリジナルトイでも格納されていた管制塔が展開可能。
管制塔はメカニックアームがボールジョイントで可動するほか、正面に2箇所5㎜穴がありマスが、ハッチの開閉などはできません。
そのほか、ベース自体にはとくにギミックはなし。
続いて縦向き。
まぁ、立てただけですね・・
管制塔の根元基部は真っ直ぐ立てることができません。
開いたコンテナ側壁には5㎜穴が左右各4箇所空いているので、今後発売されるアイアンワークスなどのモジュレーター(だったかな?)などのパーツを使ってデコレーションしていくのが前提のシンプル設計なのかも・・
後部ハッチは一部が分離してシールドになります。
例のジョイント付いているので、サウンドバリアのシールドモードなどを連結可能なのですが・・ここで少々問題が。
詳細は後ほど。
比較画像
まずはオリジナルトイと。ロボットモードで。
左側は2000年に発売された15周年復刻版なので完全なオリジナルではないんですが、まぁほぼ同じものということでご了承ください。
しかし、あれからもう20年も経ってるのか・・
変形アクショントイとしての進化はすさまじいものがありますが、オリジナルも金属パーツやゴムパーツ、メッキなど複数の素材ががふんだんに使われており、持ったときのずっしりとした重量感も含め、オールドトイとして非常に豪華なものだと思います。
ビークルモードでも。
そもそも初期のトランスフォーマー(ミクロマンやダイアクロンベース)はビークルモードこそ本来の姿だと思っているので、そのまとまりのよさはむしろオリジナルのほうが勝っているとすら思えます。
そういう意味では、今回のアースライズ版はかなりオリジナルに近付くことができたのではないかと。
もちろん、アースライズ版もディティールなどがぐっと細かくなって格好よく進化していと思うんですが、オリジナルも非常に味があります。
ちなみに、オリジナルはウインドウのある前面パーツが開閉し、中部に2人乗りのシートが造形されています。
コンテナを取り付けて。
久し振りに出してきて、オリジナルのコンテナのサイズに驚きました。
本体はアースライズ版のほうが一回り大きいのに、コンテナはオリジナルのほうが二回りほど大きいです。
さらに基地モードでも、
中央にスプリングによる発射ギミックがあったり、管制塔にもハッチ開閉、ミサイル発射などギミック満載。
さらに一緒に撮るのは忘れてしまいましたが偵察用バギー(ローラー)やエネルギー補給装置(ガソリンスタンドのアレみたいなモノ。パイプ部分が細いゴムホースだったんですが、すでに劣化して触った途端にボロボロに崩れてしまいました・・)など付属品も豊富。
もともとがダイアクロンなので、隊員フィギュアと絡めて遊べる仕様だったんですね。
直近のコンテナ付きオプということで、パワーオブザプライム版と。まずはロボットモードで。
PP版はキャブ部が若かりし日のオプティマス、オライオンパックスに変形し、さらにコンテナと合体することでオプティマスプライムになるという、新たな試みがなされた意欲作でした。
まぁ、同じことはウルトラマグナスやジンライですでにやっていたわけですが。
ともあれ、合体状態のオプティマスは少なくとも前面から見るぶんにはマッシブかつスタイリッシュで非常に格好よく、リーダークラスのサイズ感もあって個人的にはけっこう気に入っているオプです。
あくまでこの合体状態は、ですが。
プロポーション的には今回のアースライズと相似形・・とまではいかなくてもわりと似た雰囲気はあるかと思います。
ちなみに同じリーダークラスですが、方向性の違いでサイズはご覧の通り。
しかしこうなってくると、たまには普通にでかいリーダークラスも欲しくなってくるから人間って欲深い(笑)。
なお、オライオンパックス形態とのツーショットは割愛します。
ビークルモードでも。
ビークルモードでのサイズはほぼ同じくらい。完成度というか、まとまり具合は雲泥の差ですが(笑)。
仕様が違うんだから仕方ない部分も多少はあるでしょうが、だとしてもキャブの後ろ側はもう少しなんとかならなかったのだろうか?
マトリクス比較。
PP版はプライムマスターとの付け替えギミックもあり、かなり大型で枠から取り外すことも可能でした。
これはこれでいろいろと遊べるギミックでしたね。
パーシャル基となるシージ版と。
パーシャルとはいえ、流用されているのは頭部と脛のおおよそくらいで、胴体や腕などはすっかり新規。
アースライズ版は胸や腕の角張り具合が増していますが、ウエストはさらに締まってよりメリハリのあるボディになりました。
並ぶとシージ版のほうがが少し幼い感じがしないでもない。アースライズ版は数多の戦いを潜り抜け、成長したというころだろうか?
背面のデザインも洗練されました。
背中のガワがほぼなくなったこともそうですが、脛裏面の密度が増したことも大きなポイント。
まぁ、変形パターンの変化でこの部分のパーツ移動がなくなったので蓋ができた、ということでもあるんですが。
ビークルモードでも。
サイバトロンモードからアースモードへ。
デザインの変化はともかく、変形パターンがまったく変わったのがすごいです。
もはや数えきれないほど出ているオプティマストイですが、まだ新しいパターンが可能なのか、と。
シージ版のビークルモードにもアースライズ版のコンテナを取り付けることは可能です。
なかなか違和感はありますが。
以下、画像
可動性能はシージ版からさらに向上し。グリグリと非常に気持ちよく動かせます。
肩の基部が変形都合もあって後ろ側に動かせるのはシージ版も同様ですが、背中にガワがなくなったぶん、さらに広く動かせるようになりました。
また、とくに下半身の自由度が上がっており、シージ版ではパンツ部分が1パーツ成型で、太腿を上げるには太股自体を回転させる必要がありましたが、今回は同時発売のホイストやグラップルと同じフンドシスタイル(?)になっており、そのまま90度腿を上げることが可能になっています。
さらに水平に180の開脚も可能で、足首のスイング可動も手伝ってかなりの大股開きでも安定して自立できます。
立て膝もご覧の通り。もの凄く自然。
ただ、腰は裏のガワが干渉するため、左右合わせて90度ほどしかか回せません。側のジョイントを外せば一回転させることは可能です。
指が動くので、腰に手を当てたこんなポーズも。
オプティマスというと、なにかと物騒な鈍器を持っているイメージがあるので、シージのバトルマスター、スマッシュダウンのウエポンモードを持たせて。
今回のオプにはコンボイガンしか武器が付いてきませんから。
この組み合わせは色味も合っててぴったりですね。
サウンドバリアと絡めて。
いろいろ間違ってる(笑)。
ただシールドのジョイントの向きはあくまでコンテナのハッチ(基地モードのスロープ)のときが正位置になっているため、シールドとして直接腕に取り付けた場合はどうしてもこうなってしまうんですね。
オリジナルトイのパッケージイラストイメージで。
この角度だとよくわかってもらえるかと思いますが、やっぱり腕短いんですよね。
肩間接が後ろ向きには動かせますが前向きに引き出すことができないので、とくに腕を真っ直ぐ前に伸ばすようなポージングはちょっと可哀想な感じになってしまいます。
コンボイガンも、あたかも両手持ち用とばかりに側面に5㎜軸があったりしますが、もちろんそんなことは不可能です。
マトリクスを受け継ぐ次代のリーダーの図。
先にも行ったように、指の可動はこのためですね。
ちょっと太った司令官。
変形を一部はしょればこんな状態にも。
これはこれでまとまってます。
コンテナの基地モードと絡めて。
まずは横向きで、傷を受けた司令官をみんなで治療するようなイメージ・・からの、
使い古されたネタ。
縦向きでも。
う~ん、やっぱりコンテナ少し小さいですね。
モジュレータを使ってデコレートしたらさらにギチギチになっちゃうだろうなぁ・・
基地モードをビークルモードに連結して。
この状態でモジュレーターやウエポナイザーと組み合わせたら戦闘車輌として面白いものにできそうです。
それにしても、レジェンドクラス復活を求める声はないのだろうか?
クリフジャンパーはどれくらいのサイズになるのかなぁ?
フル装備(違う)で。
意外と格好いい気がする(笑)。
スケールという概念がない世界。
基地モードとはいえ、今シリーズのウリであるはずの例のジョイントはハッチ(シールド)に1つあるきりで、そういう意味ではあま拡張製はありません。
例えばコンテナ側壁の真ん中の天井部分がさらに展開して、そこにもジョイントが設定されてたりした面白かったのにになぁ・・とも思います。
以上、“ER オプティマスプライム With トレーラー” でした。
ファンが長年待ち望んだ、G1デザインに忠実なコンテナ付きのオプティマス・・いや、コンボイ司令官のリメイク。
コンテナ部分のプレイバリューがオリジナルトイと比較して大きく下がってしまったのは残念でしたが、そのぶん(?)本体の司令官の出来は素晴らしく、すでに傑作だと思っていたシージ版をわずか1年で飛び越えた完成度には素直に驚かされました。
単なるシージ版のブラッシュアップというわけではなく、パーシャルといっても流用パーツはわずかで、変形パターンもガラリと変えてくるなど、マンネリ感もなく、新作トイとして素直に楽しむことができました。
これで肩の前方向への引き出し可動まで実装されていれば、本当に言うことはなかったのですが・・欲張り過ぎですね。
なんにしても、これから始まるアースライズへの期待をさらに押し上げてくれるアイテムになっていると思います。
しかし、地球が舞台のはずのアースライズ、思ったほど初期メンバーのアースモードがラインナップされてこない・・ディセプティコンなんて、今のところスタースクリームだけですよね?
一応メガトロンもいましたが、これもシージ版のパーシャルで戦車に変形するのは同じようですし・・
せっかくオプティマスがここまでG1デザインに忠実なリメイクで登場したのに、メガトロンがあれじゃあなぁ・・
いろいろ事情があるのはわかるんですが、レジェンズ(タイタンマスター)版シックスショットのときの裏技(?)みたいな方法は採れないんですかね?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。