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柔軟性

2020.05.19 13:55

前回筋力トレーニングについて説明しました。

今回はその中の柔軟性について詳しく説明します。

柔軟性とは


「柔軟性」には

「しなやかな性質」「柔らかい性質」「状況に応じた適切な対応ができる」などの意味があります。


柔軟性といえば一般的には「身体が柔らかいこと」の指標としてとらえられることが多いのですが、ただ身体が柔らかいだけではなくその稼働域を思い通りにコントロール出来る事と併せて柔軟性と言えます。


よって筋力トレーニングにおける柔軟性とは「関節の可動域」「筋肉や腱が伸びる能力」を指し、さまざまな状況や環境に応じた動きができる柔らかさとしなやかさを備えた身体と定義できます。



柔軟性には「静的柔軟性」「動的柔軟性」の2つに大別されます。


●静的柔軟性

筋肉や関節または関節群の運動可能範囲の事を言います。

前屈や開脚など静的柔軟性に分類される

一般的に言われる身体が柔らかい状態


●動的柔軟性

動きの中での関節可動域に加え動きやすさやしなやかさの事を言います。動作の調整力(コーディネーション力)。

関節の可動域の中でコントロールできる可動性や筋肉の強さ(筋力やパワー)を引き出せる状態



柔軟性を左右する要因

筋の緊張、アライメント(骨格の配列)、結合組織の硬さ、骨の変形、神経伝達、温度(外気温や筋温)などがあげられます。



身体の柔軟性を高めることのメリット

大きく分けて「健康面」「運動面」の2つに分けて書き出します。


【健康面でのメリット】

・血行促進

・心身の老化防止

・リラックス効果・疲労回復効果


【運動面でのメリット】

・ケガの予防になる

・身体能力向上

・筋肉痛を和らげる

・筋緊張の低下

・関節可動域(柔軟性)の改善



身体にはたくさんの筋肉や関節があり、関節の可動域は、骨の構造や関節周りの筋肉や腱、その周りの組織によって左右されます。

身体を柔らかくする上では、痛みを伴うような方法などで無理やり筋肉、腱を伸ばしたり関節を曲げたりするのではなく、筋肉を動かし鍛えながら、身体が動く範囲を広げていくことが重要です。



「柔軟性」は、競技パフォーマンスの向上に限らず、傷害予防や体力向上を語る上でも欠かせない要素です。





★柔軟性(ストレッチ)

「ストレッチ」と一言で言っても、色んな種類があります。今回は、ストレッチの種類、代表的なものをいくつかご紹介します。


スタティックストレッチ

一般的に想像されるストレッチがこれにあたります。主に「静的柔軟性」を改善、獲得するためのストレッチです。

クールダウンに適しており、スポーツ競技後によって使った筋肉の緊張をやわらげ、血行を良くすることで、疲れやだるさを改善することが主な目的です。反動はつけず、呼吸を整えるように静かにゆっくりと筋肉を伸ばしていきます。

一人で簡単に行うことが可能です。


ダイナミックストレッチ

主に「動的柔軟性」を改善、獲得するためのストレッチです。

ウォームアップ(スポーツ競技前の準備運動)に適しており、身体に信号を送ったり、筋肉を温めたりするのが主な目的です。スポーツ競技で良く使う筋肉を中心に動かしていきます。ストレッチの中で最も重要なトレーニングです。


バリスティックストレッチ

反動を利用したストレッチです。

イメージしやすいのは、アキレス腱を伸ばすストレッチです。反動をつけて行った事がある人が大半ではないでしょうか。反動を使うぶん、スタティックストレッチよりも筋肉を伸ばす効果が多く得られます。しかし、急激に筋肉や腱を引き伸ばす動きでもあるために痛めやすく、正しい知識を付けて行いましょう。


SMFR(Self-MyofascialReleese)

自発的筋膜リリースです。ストレッチポールやホームローラーまたはテニスボールなど使用します。極度に拘縮している筋にストレッチポール等を当て十分な圧をかけることで筋肉の緊張の緩和を目的として行います。筋肉やストレッチの知識技術のあるトレーナーの指導が必要。


徒手抵抗ストレッチ

パートナーが抵抗をかけながら行うストレッチです。手技に熟知している必要があります。知識や経験がない場合はするのもされるのもオススメしません。


クライオストレッチ

アイシングとストレッチを組み合わせて行う方法です。

過度な疲労や痛みがある場合に筋肉が硬くこわばっている状態で、通常のストレッチではなかなか筋肉が緩んでこない時に有効です。



PNF(Proprioceptive Neuromuscular

Facilitation)

固有受容性神経筋促通法といいます。

元々は脳障害のリハビリのために開発されたもので筋力強化とともに、柔軟性、神経伝達能力を高めます。

主に2人組で行うストレッチで、筋肉と靭帯の過剰な伸張を防ぐ感覚器官である「ゴルジ腱器官」と「筋紡錘」の感知と反応を弱めるために、筋肉を収縮させてから筋肉の伸長を行います。ただし、PNFストレッチを行うには、筋肉やストレッチの知識技術のあるトレーナーの指導が必要です。



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