コロナウイルス影響下のニューヨークエンタメ業界の希望。日本人アーティストの今を追う。COVID-19拡大の今も果敢に挑戦を続け、人びとに勇気を与える理由とは
こんにちは!ニューヨークでコリビング(Co-living)ビジネスを展開する「Crossover」が提供する、起業家支援プログラムに参加している増澤望美です。
新型コロナウイルスにより、ニューヨークで大きくダメージを受けた業界のひとつがエンターテインメントです。
最初の感染者が明らかになってから約2週間後、500人以上の観客を収容するイベントの禁止が発表。瞬く間に、ニューヨークのエンターテインメント業界は停止してしまいました。
ここでは多くの日本人アーティストが活躍しています。今回はそのような状況下でも、互いに励ましあい、果敢に挑戦をつづける日本人アーティストの姿を追いました。
ニューヨーク在住の23人の日本人アーティストが演奏した「上を向いて歩こう」が、人びとを勇気づける
「僕はアーティストだ。どんな状況であれ、自分の表現で人の心に何かを届けるのが仕事」
そのようなメッセージとともに、ニューヨークに住む23人のアーティストが集い演奏した、坂本九さんの名曲「上を向いて歩こう」がYoutubeにアップされ、SNS上で拡散されました。
これは日本人アーティストが集まり「Japanese Artists Project」によって作られた動画。
>>上を向いて歩こう
「自分たちから、世界の人々を、また日系コミュニティを、勇気付けてあげることはできないか」という思いから、このプロジェクトが生まれたそうです。
動画のコメント欄には「感動した!」「みんなでがんばろう!」といった、視聴者からのメッセージが200件以上書き込まれており、人々に希望の光を与えていました。
わたしも日本人アーティストの思いに感動し、1人でも多くの人に届けたいと考え、プロジェクトのYoutubeチャンネル登録、拡散をすぐ行いました。
オンラインレッスンを続々と導入し、挑戦をつづける日本人アーティストのバイタリティ
ミュージカルだけではなく、ダンスやヨガなどを行う小規模スタジオもクローズしなければいけなくなりました。
そこで教室を持っていた日本人アーティストが始めたのが、Zoomなどのビデオ通話を使ったオンラインレッスン。
オンラインで教室を開くのは、はじめての方もいましたが、ほとんどの方がロックダウンしてから間もなく、テストランをスタートしていました。
「オンラインクラスを始めたことで、州外や海外から参加する人もいて、オンラインレッスンの楽しさを知った」という前向きな意見もあり、日本人アーティストのバイタリティを感じました。
内容は、バレエダンスやピラティス、親子で参加できるリトミックや演劇のクラスなどさまざま。
中には殺陣(時代劇などに出てくる格闘シーンの演技)や折り紙など、「そんなレッスンまでオンラインで受けられるんだ!」と驚きも。
はじめてのことにも果敢に挑戦し、可能性を探りつづける日本人アーティストの方々。どんな状況でも前を向くその姿に、勇気づけられた人は少なくないのではないでしょうか。
家から一歩も出ずに楽しめる「ウチフェス」はアーティストが自宅からパフォーマンスを配信
自宅から参加できるライブに挑戦していた方もいました。
その方はアポロシアターで開催されるアマチュアナイトで優勝経験もある、ダンサーの中澤利彦さん。講演が中止となりパフォーマーとしての仕事は一時解雇、再雇用の約束がない状態だそうです。
中澤さんが出演を告知していたのが、出演者もお客さんも家から一歩も出ない、オンラインフェスティバル「ウチフェス」
複数の出演者が、タイムテーブルに合わせリレー式でそれぞれの自宅からパフォーマンスを生配信します。
パフォーマー、アーティストと観客を安全につなぐこのイベント。わたしも実際に自宅からライブに参加し、中澤さんをはじめ、出演者の方々を応援することができました。
新型コロナウイルスの影響で、リアルなライブができませんが、このようなオンラインでつながるエンターテインメントの新しい形へ、挑戦する機会となっているのかもしれません。
わたし自身も、引きつづき自分にできることで、ニューヨークのアーティストの方々が才能を発揮しつづけられる場を、サポートしていきたいと思います。