「食事 PartⅡ 食物繊維」
食物繊維
<胃腸の調子を整える栄養素>
「人の消化酵素で消化されない食物中の消化性成分の総体」と食物繊維は定義されており、ほとんどが小腸では消化されずに身体の中を通過していく栄養素です。
特定保健用食品で「おなかの調子を整える食品」として認められている成分の多くが食物繊維です。食物繊維は2種類に分類され、それぞれ働きが異なります。水に溶けやすい性質をもった「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」です。
食物繊維の働き
食物繊維は胃腸を整え便秘を防ぐほか心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つこともわかってきています。
• 便秘の予防をはじめとする整腸効果
• 血糖値上昇の抑制
• 血液中のコレステロール濃度の低下など
現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は水に溶けると粘度を増し、胃や腸の中をゆっくりと移動していくことで、消化・吸収のスピードを緩やかにしたり、便を柔らかくします。
• 血糖値の急激な上昇するのを抑える
• 余分な脂質・ナトリウムを吸収して排出
• 水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなる
• 腸内の環境を整える
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は水に溶けない性質をもちますが、水分を吸収することで膨らみ、腸を刺激して動きを活発にすることでお通じをよくする働きがあります。また、排便を促すことで老廃物を出す効果も期待されます。
• 腸の働きを良くする
• 腸内をお掃除する
どんな食品に多く含まれていますか
食物繊維は、不溶性・水溶性の種類によって健康への働きが異なるため、いろいろな食品を組み合わせることが上手にとるコツです。食物繊維の多い食品は、穀物、いも、豆、野菜、果物、きのこ、海藻などです。特に納豆は水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれている食品です。毎食欠かさず食物繊維の多い食品を食べましょう。
過剰摂取
日本人の通常の食生活では食物繊維を摂り過ぎることはほとんどありませんが、いわゆるサプリメントなどで多量に摂り過ぎるとミネラルなどの吸収を妨げることもあり、注意が必要です。
食物繊維は、努力しないとすぐに不足しがちです。食物繊維を多く含む食品を食べやすく調理するなどしてしっかりとるようにこころがけましょう。
《7大栄養素》
●脂質(Fat matter)
●糖質(Glucide)
●たんぱく質(Protein)
●ミネラル(Mineral)
●ビタミン(Vitamin)
●食物繊維繊維(Dietary fiber)
●水(Water)