「食事 PartⅡ 水」
水
水は私たちの生活や生命を維持するために欠かせない存在です。
トレーニングにとっても水は欠かせない重要な関係性があります。
私たちの身体の約60%は水分で出来ています。
また筋肉や骨にもたくさんの水分が含まれていて、筋肉への栄養分を運んだり、老廃物を排出する血液もおよそ90%が水分であり、筋肉に与える影響はとても大きいと言えます。
また体内に存在する水分は、大きく細胞内液と細胞外液に分けられます。
・細胞内に存在する水分(細胞内液)体内水分の約3分の2
・細胞外に存在する水分(細胞外液)体内水分の約3分の1
細胞外:体内を循環する血液とリンパ液、細胞と細胞の間に存在する細胞間液に分けられます。
水「体液」は、栄養素の輸送や老廃物の排出、体温の維持・調節など、体内のさまざまな機能に関わっており、生命の維持には欠かせません。
体内の水分量は一定に保たれていますが、水分が失われ体液が不足すると、口渇や嘔吐、倦怠感などの症状があらわれます。
身体の働きを正常に保つためにも、水分を適切に摂取することが大切です。
♢年齢、性別、体型によって水分量は変化する♢
一般的な目安としては、成人男性で約60〜65%、成人女性で約50~55%、高齢者で約50~55%、幼児で約70%、乳児で約75% 、胎児で体重の約90パーセントが水分です。
体内の水分のうち、70%以上が体内の細胞に、およそ19%以上が組織と組織の間に、そしておよそ8%が血液にあるとされていて、体中を忙しく廻りながら様々な働きをしているのです。
ふくよかな人は、中性脂肪が多い分、身体に占める水分量の比率が少なくなります。
健康な人は身体50%以上は水分、ふくよかな人では約50%以下の水分率になってしまっている場合がほとんどです。
水分率は高ければ高いほど良いですが、最低ラインの50%以上の水分率を維持しておきたいものです。
♢水(体液)の役割♢
水は、上の絵のような様々な役割があり、大きく分けると「運搬」「体温調節」「環境維持」3つの働きがあります。
①運搬
酸素や栄養分を身体中に運び、老廃物は体外へ出します。
②体温調節
皮膚への血液の循環を増やし、汗を出して体温を一定に保ちます。
③環境維持
新陳代謝がスムーズに行われるよう、体液の性状を一定に保ちます。
♢脱水と健康障害♢
水の摂取が少ないと・・・。
水分の摂取量が少ない場合は、精神面・身体面に悪影響が及ぼし早い段階から症状が現れます。何も食べなくても1ヶ月近く生きられます。しかし、水を摂らないと数日しか生きられないといわれるほど、水は生きていくために欠かせないものです。
身体の中の水分が不足すれば、熱中症、脳梗塞、心筋梗塞など、さまざまな健康障害や重大な事故の大きなリスク要因の一つにもなります。
尿、汗等の喪失量に見合うだけの水分を摂取できれば、血漿浸透圧は一定に保たれますが、水分摂取量が不足することで血漿浸透圧が上昇し、のどが渇き、尿が濃縮されます。
♢喉の渇きは、身体からのサイン♢
喉の渇きは、細胞(身体)が水分を欲してる状況です。細胞が水分不足になると「喉の渇き」を覚えるしくみが備わっています。
喉の渇きを受けて水分補給をすることで、身体に不足した水分を補うためです。
特に、水分の不足が著しく、腎臓が尿を濃縮する機能だけでは体液の調節が間に合わないとき、このしくみは大変重要です。
♢水の効果♢
● 疲労回復・栄養バランスの調整
水を飲むことで利尿作用が高くなります。
尿は身体の中の毒素になりうる物質や疲労物質を排出する役割があります。
身体とって必要な水分量を常に満たしておくことは身体に溜まっている毒素や疲労物質を流し排出させます。
例えば、トレーニング中の方は意識してタンパク質を摂取する事が多いと思いますが、、、
大量に摂取すれば、必要以上摂取したタンパク質については身体にとって毒素になりうる形で残ってしまいます。また毒素が疲労の原因になりうる場合もあります。
水には様々な栄養素の過剰摂取のバランスも調整する役割があります。
● お肌もキレイに…
飲み物を水に変えるだけでも美容効果はお肌に正直に現れます。血液の90%は水分でできているので良い肌を作り出す血液に必要な水の大切さを理解してもらえると思います。
♢筋肉と水の密接な関係♢
水分不足のままトレーニングを行うと筋肉細胞内の水分量が枯渇してしまいパフォーマンスが落ち、トレーニング増強効果も小さくなることがわかっています。
またトレーニング後に分泌される乳酸などの疲労物質の排出にも水分がとても大切になります。
身体に十分な水分があれば、血液が乳酸を効率よく運ぶことができ、疲労回復が早まったり、筋肉痛が緩和されたりすることが期待できます。
日頃から水分補給をしっかりしておく事はトレーニングの効果にも繋がります。
♢1日に使われる水分量とは…♢
私たちは普段どれくらいの水分を必要としているのでしょうか?
成人男性が1日に排出する水分の量を合計すると、約2.5リットルと言われています。
※ 1日必要な水分量は性別、体型、年齢によって変化する。
主な排出分は、不感蒸泄(汗などとして感じなくても皮膚や呼吸を通して水分が失われていること)として約0.9リットル。尿や便として約1.6リットル。
【もう少し細かく内訳:2.5Lのうちの300mlを呼気(こき:鼻や口から吐く息)から、600mlを汗から、1500mlを尿から、100mlを便から】
つまり排出するのと同じだけの水分を1日で摂取し、体内の水分バランスを保つ必要があります。
◎1日で摂取する水分量ってどれくらい?
普通に生活をしていても、1日の排出量とほぼ同じ、約2.5リットルの水分を飲食物から補給する必要があります。
ただし、2.5Lを全て飲料から摂取しているのではなく、食物中に含まれている水分や体内でできる水分などを全て合わせたのがこの量です。
平均的な食事で約1.0リットル、食べ物を分解してエネルギーを得る際にさらに0.3リットルの水分を摂取できるので、残りの約 1.2リットルを飲料水から摂取することになります。
♢活動量や栄養面で摂取量は変わる♢
私たちの生活の中で平均的な食事をとれていれば、実は1日1リットル程度の水で飲水量は十分に足りています。
ただし、その量はそれぞれの生活習慣によっても変化します。運動量が多ければそれに伴い水分適用量は増していきます。
身体に多くの水を取り入れすぎても水は排出されないまま足のむくみや身体の循環にも影響を及ぼします。
毎日同じ量の水を飲むことが身体にとって必要な量の水なのか今一度思い直して見て下さい。
水が身体を循環させるためにも適度な運動ウォーキングが大切になってきます。
♢水の摂り方もバランスが求められる♢
水は身体にとって必要な存在ですが量を間違えてしまうと逆に身体に負担をかける行為を自らしてしまう事になってしまいます。
過剰に摂取した場合水中毒という症状が引き起こされ、内臓に負担がかかり体がだるくなったり消化不良を起こしたりすることがあります。
これは体内のナトリウム濃度が低下するためで、ひどい場合は死に至ることもあります。一度に大量の水を摂取しないよう注意が必要です。
♢水の飲み方♢
ポイント①
こまめにちょこちょこと水を飲む習慣をつける。
● 喉が渇く前に…
ガブガブ飲みではなくチョコチョコこまめな水分補給を意識して摂取しましょう。
ポイント②
どんなタイミングで飲むのがいいの?●
● 朝起きた時
朝起きたときの私たちの体は、寝ている間に皮膚や呼吸を通して水分を失い、水分不足に陥っている状態です。血液中のミネラル濃度も高くなっているため、朝一番の水分補給は重要であると考えられます。
● 運動前・中・後
運動中には大量の汗をかき、水分はもちろんナトリウムなどのミネラルも体から失われてしまいます。
● 入浴前後
入浴による発汗で、私たちの体は水分を失っています。入浴前後には水分補給をすることが大切です。
● 就寝前
朝起きたときと同じように、就寝前の水分補給も大切。睡眠中の水分不足による血液中のミネラル濃度の上昇を防ぐと考えられています。
⚠️注意点⚠️
こまめに水分を摂る際、砂糖や塩分などの濃度が高いと、吸収までの時間が長くなる点に注意が必要です。
また、アルコールや多量のカフェインを含む飲料は、尿の量を増やし体内の水分を排せつしてしまうので、水分補給としては適しません。
水分補給の基本
⭕️…水
🔺…スポーツ飲料
❌…ジュース、コーヒー、アルコール類
腎臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、この指示に従う必要があります。
日々の生活やスポーツ活動、暑熱環境での労働など、汗をかく様々なシーンでの水分補給や熱中症の予防について、スポーツ飲料などをオススメします。
普段の日常生活では水で十分です。
スポーツ飲料の飲みすぎは、糖分の過剰摂取や虫歯の原因などがあります。
スポーツ飲料はあくまで「清涼飲料水」です。糖分とカロリーが多く飲み過ぎると身体に悪影響を及ぼすことを忘れてはいけません。
水は身体のさまざまな役割を担っており、生命の維持に欠かせない存在です。
水分と電解質を適切に補給することは、のどの渇きを潤すだけでなく、脳の働きを維持し、身体の働きを維持し、健康に過ごすために重要なのです。
◆BUNGOから一言
一気に取りすぎると吸収されずに排出されてしまう事の多い水。
こまめにとる事が身体の環境を整える力水となります。
皆さんにとっての適量は様々です。
食事と適度な運動そして水!!で私たちの身体は守られています。
これまで水分補給について意識していなかった人は、ぜひ水分に気を配りながらトレーニングを行ってみてください。
子供には水道など身近にある水の大切さを学ばせてあげてください。また水を飲む習慣は小さい子供のうちからです。将来子供のために水は重要です。
《7大栄養素》
●脂質(Fat matter)
●糖質(Glucide)
●たんぱく質(Protein)
●ミネラル(Mineral)
●ビタミン(Vitamin)
●食物繊維繊維(Dietary fiber)
●水(Water)