悪果
2020.05.05 13:06
内容(「BOOK」データベースより)
堀内は大阪府警今里署の暴力団犯罪対策係の刑事。夜な夜な同僚の伊達と管内の歓楽街を流
している。 ある夜、ネタ元のバーテンダーから賭博開帳の情報を得る。 見返りは警察が管理
する犯歴などの個人データ。 バーテンダーはそれをサラ金や信販会社に売っているのだ。
堀内と伊達は、開帳時に暴力団と客を一網打尽にするため、場所や開帳日の特定を進める。
賭博開帳当日、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。
堀内は、賭場に参加していた学校経営者・森本を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める……
かつてなくリアルに描かれる捜査の実態と癒着、横領、隠蔽、暴力、…日本警察の真実の
なかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。
舞台は大阪、架空のB級警察署「今里署」。そこに勤める暴犯課の担当巡査部長通称マル暴
担の堀内と相棒の伊達が主人公。賭博開帳の情報を仕入れた堀内はその現場を一毛打尽に
し、暴力団の組を一つ壊滅状態にする。客の中には学校法人の理事長森本がいて、堀内は子
飼いの経済紙編集長でブラックジャーナリストの坂辺を使って暴露記事を書かない代わりに
雑誌の広告料の名目で金をせしめようとする。つまり坂辺を使った強請であった。しかしな
がら森本は一筋縄でいく相手ではなかった。坂辺はひき逃げに見せかけた事故で殺され、堀
内は警察手帳をヤクザらしき男達に奪われ、手帳をシャブと一緒に新聞社に送りつけるぞと
脅される。窮地に陥った堀内は相棒の伊達と共に警察手帳奪還のための行動を起こす…。マ
ル暴担と暴力団とのかかわりがなかなかリアルに描かれており、結末はちょっと後味が悪い
がこれで終わりではなくシリーズ化するので楽しみだ。