COVID-19(コロナ)と紛争
2020.05.07 07:06
COVID-19の感染者数上位はG20の国々が占め、今後他国への感染拡大、特に医療制度が整っていない国への感染が懸念されていますが、COVID-19と紛争に関する興味深い記事があったのでご紹介します。
・AFPBB News(3月25日)新型ウイルスで世界の紛争激化の恐れ、専門家
https://www.afpbb.com/articles/-/3275063
・Foresight(5月1日)「国連事務総長」の訴え空しく「新型コロナ」が悪化させる「国際紛争」
https://www.fsight.jp/articles/-/46872
両記事に共通している点は、今後、世界の紛争は悪化するのではないかということです。
理由として、政府側を支援している国連や開発援助機関がCOVID-19対応に追われ、紛争対応が後手にまわること、COVID-19の行動制限・経済的ダメージにより現地政府の統治能力が低下すること、感染が拡大する都市部が拠点ではない反政府勢力は影響を受けにくいことなどが指摘されています。
ただ、必ずしもCOVID-19が紛争に悪影響を及ぼすとは言い切れない点もあります。
私が3月中旬まで赴任していたスーダンでは、4月にクーデータによる政権交代から1年が経ち、旧政権・新政権双方による大規模なデモが懸念されていたのですが、COVID-19のためデモは抑えられ、治安の不安定化が回避されました。
もちろんCOVID-19の影響は地域により異なりますが、引き続き各地の状況には注視が必要です。
2020年5月7日
田島賢侍