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Keisuke Ota / 太田渓介 Website

不思議な図形 第3回

2018.10.03 08:38

昨日は、次元を

その世界に住んでいる人が進める方向の自由さ加減

ととらえてシェルピンスキーのギャスケットの上に住んでいる人の次元を考えてみました。

すると、

「ギャスケットは、線の世界(1次元)より自由に動けるけど、面の世界(2次元)よりは

 自由に動けない(穴ぼこが開いているので、動ける方向が制限されてしまいます)。」

ので、1次元よりは大きいけど、2次元よりは小さいだろう、という予想を立てました。

つまり、シェルピンスキーのギャスケットの上に住んでいる人にとっては、世界は分数次元になっている。

という不思議な予想になりました。

今日はこの分数の次元に行く前のお話をしたいと思います。

分数の次元を理解するためには、次元の定義を変える必要があります。

「次元」となんとなく言っていたものを、正確に定義するのです。

実は、ただ一口に「次元」といっても、様々な定義の仕方があります。

(位相次元、フラクタル次元、スペクトル次元、ウォーク次元、、、など)

例えるなら、私たちは物を見るときに主に「目」で見ますよね。

しかし、その物のより詳しい情報が知りたければ、近づいて触ってみたり、たたいて音を聴いたり、においをかいだり、なめてみたり(!?)すると思います。

ちょうど、「肌」「耳」「鼻」「舌」を使うことで、より詳しいことが分かりますよね。

図形についても同じで、様々な方向から「次元」をとらえることで、より詳しい情報が分かるのです。

今日は、一例でフラクタル次元(特に、ハウスドルフ次元)について説明します。

考え方は簡単です。

ある図形を1/Lに分けて、元の形と同じ形がN個現れたとします。

NとLに

という関係があるとき、このD_hをハウスドルフ次元と言います。

具体例を見てみましょう。

先日の、「線」「面」「立方体」を例にして考えてみます。

もとの図形を2分の1に分けていくと、同じ形が、それぞれ2個、4個、8個現れることが分かります。

従って、「線」「面」「立方体」のハウスドルフ次元は、それぞれ、1,2,3となります。

この数は、直感ともよくあっているので、この定義は良さそうです。

ではこれを使って、シェルピンスキーのギャスケットの次元を考えてください。

(対数の知識を使うので、少し難しいかも?)

ヒント:

※lnとは、log_eのことです。