大阪市は責任をもって一人も取り残さず10万円給付するよう要望書を出しました
2020年5月8日
大阪市長 松井一郎様
集い処はな 店主 尾崎美代子
日本人民委員会
釜ヶ崎地域合同労働組合
釜ヶ崎炊き出しの会
他有志
要 望 書
私たちは大阪市西成区で、日雇労働者で組織する労働組合や支援団体及び個人の有志です。
私たちの住む西成区でも新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛要請で、各所で行われていた「炊き出し」の回数が減ったり、仕事がなくなったりなどして、毎日の食べることにも事欠いている人たちが増えています。そのため、今回政府の決めた一律10万円の「特別定額給付金」の支給を一刻も早く待っている状態です。
しかし問題なのは、野宿する人、シェルター(夜間緊急避難所)に泊まる人などの中には、住民票を持っていない、住民票をどこかに移すにも本人を証明する免状や証明書を一切持っていない人が多数いることです。
政府は今回の「特別定額給付金」について、DVなどで世帯主の夫から逃げている被害者や戸籍を持たない無戸籍者にも給付金が必ず届くような施策がとられており、これは評価できる施策と考えますが、同じく野宿生活を余儀なくされたり、ほかの様々な事情で住民票を取れない、あるいは本人を証明するものがない人に対しても、一人残らず給付されるような施策を行ってもらうよう要望いたします。
とりわけ今、西成区に住み住民票を持たない人の中には、2007年、それまで西成区役所、西成警察署、およびあいりん職安の勧めで、釜ヶ崎地域合同労働組合事務所などが入る「釜ヶ崎解放会館」に置いていた住民票が強制的に削除された2088名も含まれています。
そうした経緯も含め、大阪市は責任をもって、一人も取り残さず10万円給付されるよう尽力すべきです。そのために以下の要望を行います。
1、 大阪市は西成区において住民票を持たない(持てない)人たちがどこにどれくらいいるか、早急に調査してください。
2、 住民票を持たない(持てない)人たち、および住民票を便宜上、どこかに移したくても自分を証明する免状、証明書などを一切持てない人たちにも給付金が渡せるような施策を考えてください。
3、 あいりん職安発行の日雇労働被保険者手帳、運転免許証、高齢者特別清掃の登録カード、保険証など、本人を特定できるものでの支給
4、 釜ヶ崎解放会館での住民登録を認めること
5、 2007年に釜ヶ崎解放会館に住民登録していた住民票2088人の住民票を強制排除したが、これを復活させること
6、 釜ヶ崎地域に大阪市の相談窓口を設置すること