日本演劇の再興
結論は先日と同じですが、演劇人への風当たりが強いので、再度、思いを誌しておきます。
そもそも演劇は、反権力が表現の源泉です。例えば、ポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダさんの『世代』(1955年)、『地下水道』(1957年)、『灰とダイヤモンド』(1958年)は、第二次世界大戦後に共産化したポーランド政府への、”抵抗三部作”として膾炙しています。現在の日本は、当時のポーランドとは真逆で民主主義国家です。それでも、日本の演劇界の人々は、学生運動の影響もあり、基本的に反権力・反国家。結果、反民主主義に振れてしまうのも不思議ではありません。
私が俳優だったのは1984年から1994年の10年ほどのことで、その後も、約15年、芸能界に籍をおきました。当時、テレビドラマの世界は過渡期でした。新劇に変わり、大手プロダクションが、俳優の供給元になりつつあったのです。大手プロダクションは、暴力団と密接な関係がありました。ネットで検索するとすぐにわかりますが、暴力団員の出自と、芸能関係者の出自は酷似しています。
また、演歌の世界と、暴力団との歴史は知る人ぞ知る。Wikipediaで、興行と暴力団との関係の項を参照いただけば、ある程度おわかりになるはずです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/興行
新劇は、歌舞伎などの旧劇に対して生まれた言葉で、プロレタリア革命、つまりソ連の影響を受けています。新劇に共産主義者が多いのは、そう言う意味でも当然なのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/新劇
私の俳優時代、公共放送であるNHKが、暴力団と接するなど考えられませんでした。だから、2000年頃までの大河ドラマや、朝の連続ドラマの主演には、主に新劇や宝塚の俳優が抜擢され、大手プロダクションの俳優が起用されることはありませんでした。しかし、大手プロダクションは、NHKにも食指を動かします。
結果、NHKの会長が辞任に追い込まれるような事件も起きました。
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/focus/017.html
ただ、現在の大手プロダクションは、創業者の高齢化で法人化が進み、表向き、反社会的勢力は入り込みにくくなっています。NHKとも合法的な取引がなされているはずです。
つまり、テレビや映画を含めた日本の演劇界は、暴力団や共産主義との関係が深く、日本を母国としないか、反日国の支援を受ける人々を中心とする組織として成り立ちました。しかもそれは、長い間、放置されてきたのです。だから、演劇界も、愛知の芸術祭のように、反国家的イベントが国費で賄われるというような麻痺が起こっています。東京オリンピックの演出を任されたメンバーを眺めてみてください。母国を愛する多くの普通の日本人が、芸術界や演劇界へ、反感を持つのは当然のことでしょう。
演劇界で、日本の素晴らしさを世界に発信しようと言うと、日本は戦争犯罪を犯した劣等国と一刀両断されてきました。母国の美しさを描こうとして咎められる国は、世界中で日本のみ。今回の新型コロナに端を発する一連の流れが、演劇界を浄化してくれることに強く期待し、微力ながらも貢献できればと考えています。