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【さわり】読むことを学んだ本たち。

2020.05.10 01:00

*ブックカバーチャレンジ 1日目*

友人からのバトンを受け取りました。私に回してくれて、ありがとう。

 

ブックカバーチャレンジとは、FacebookとInstagramでたくさんの人が実行しているバトンもので、7日間に亘り本を紹介していくもの。

 

本の表紙を写真に撮り、タイトルとともに紹介する。

内容の説明などは特段することなく、1冊シェアする毎に友人ひとりを指名していくらしい。

指名された人は、バトンを受け取ってもいいし、スルーしてもいい。


バトンをありがたく受け取った後、1冊に絞り切れないことと、自宅にいないこともあり、記憶の中の本をシェアするしかない…と思ったとき、ブックトークのようにテーマを決めて複数紹介してはどうか?と思いつきました。

 

なので、これから7日間に亘り紹介していく本たちは、私の読書遍歴に大きく関わった本たち。
まったくもって、個人的な、独断と偏見に満ちたものになること、本来のルールは完全無視していることをお断りしておきます。


7日間、7つのテーマに沿って本を紹介していきます。
テーマについては、記事タイトルおよび記事の最後に。
バトンについては、補足2に記しています。



さて。

1日目は、私に読むことを教えてくれた本たちを紹介します。

 

行間や登場人物たちの感情、行動についてはもちろん、他の作品との関係性なども「読む」ことを学びました。


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ジョン・ディクスン・カー「魔女の隠れ家」 

小学3年生の頃に図書室で出会った本。

これがきっかけで推理ものに目覚め、カーの作品を読み漁りました。 

ギデオン・フェル博士シリーズ「盲目の理髪師」「テニスコートの殺人」「曲がった蝶番」「帽子収集狂事件」「死時計」「猫と鼠の殺人」

アンリ・バンコランシリーズ「髑髏城」「夜歩く」「絞首台の謎」「蝋人形館の殺人」
などなど。

短編集も素敵でした。「ヴァンパイアの塔」「幽霊射手」「亡霊たちの真昼」「黒い塔の恐怖」…。 

魅力的な登場人物、冴え渡る推理、尋常じゃない知識量…そのどれもが、子どもの頃の私を魅了しました。

ギデオン・フェル博士、バンコラン…と聞いて、あれ?と思った方も多いのでは?
そうなんです。魔夜峰央の「パタリロ!」に登場するキャラクターの名前なんです。
おお…そんな関わりが…魔夜峰央作品には後々、唸らされます。

さて、カーの作品は、小学校中学年には難しい漢字や表現が多くあったので、作品を読むたび、力強い先生にそばにいてもらうことが多かったです。

その力強い先生とは、このお二方。


岩波書店「広辞苑」 
現在第7版が出ていますね。
(余談ですが「逆引き広辞苑」も大好き)


三省堂「大辞林」
現在第4版。

今はこんなに美しい装丁なんですね。
 

小説を読む時は必ず隣にいてもらって、
わからない表現や読めない漢字が出てくるたびに調べていました。

そのうち先生自体を読むことが好きになって、しばらく愛読書は広辞苑という時期がありました。 

イラストで補足説明されているものもあり、
言葉の意味だけでなく挿絵に興味を持ったのもこの頃です。
線描きの詳細な絵は、何気ないけど多くの情報が入っていて見事です。
絵に情報を伝達する力があると認識したのは、挿絵のお陰。

その影響で、展覧会に行った際、
この絵にはどんな情報が入っているのか?と興味を持って観るようになりました。
 


絵に多くの情報が入っているのは、漫画も然り。


魔夜峰央「パタリロ!」  

池田理代子「ベルサイユのばら」

いがらしゆみこ「キャンディ・キャンディ」


これらの作品が流行った当時、漫画を読むとバカになると言われていました。
でも、自分で漫画を描こうと思ったら、膨大な量の資料が必要で、ベルばらやキャンディのような時代物を描こうとした場合、当時の生活様式や服装、食べ物、習慣、建築物、街の景観まで勉強しなければならないと氣づく筈です。 


特に大好きだった「パタリロ!」は、
膨大な情報量が詰め込まれていて、難解な部分もありました。
パロディも多く、「パタリロ!」をきっかけに、様々な作品を読みました。
竹宮惠子、萩尾望都、大島弓子、山岸涼子といったお歴々の作品のほか、推理物も多く読みました。
エドガー・アラン・ポー、アガサ・クリスティ、エラリー・クイーン、コナン・ドイル。
アイザック・アシモフを筆頭にSFにも食指を伸ばしたものです。

初期の「パタリロ!」に登場するギデオン・フェル博士は、カーお気に入りの、自身の作品に多く登場する人物です。そして主要キャラクターの一人であるバンコラン少佐は、やはりカー作品に欠かせないアンリ・バンコランから名前を拝借しているキャラクターです。

「パタリロ!」自体が、カー作品のパロディでもあるんだと氣づいたとき、とても嬉しかったことを覚えています。  


魔夜峰央や山岸涼子の作品には、能や歌舞伎に題材を求めているものも多く、
中学生になると、能・狂言や歌舞伎もよく観ました。
それに伴い、こんな本も読みました。

平凡社「能・狂言辞典」「歌舞伎辞典」

観劇するうち舞台美術に圧倒されて、大人になってからはこんな本も読みました。 

釘町久麿次「歌舞伎大道具師」  

舞台の大仕掛や役者をどう見せるかという細やかな配慮など、目に見える世界を影から支え、活かす技術が詰まった本。

表に出ない、裏の世界に興味を持つきっかけになった一冊かもしれません。

 

目に見えない裏の世界といえば、

学研「ムー」を忘れてはいけません。

こちらも小学生の頃からよく読んでいまして、ワクワクドキドキしていたものです。この雑誌の影響で次第に読む本が変化していくのですが、それは次回に。


くどいようですが、「パタリロ!」には落語もよく登場しますので、元ネタを知らないと笑えないという展開が度々ありました。ですので、落語もよく聞いていました。
そこから時代劇が好きになり、テレビ番組もよく観ていました。 

そして時代小説といえば、池波正太郎「鬼平犯科帳」

文字で表現されたものが映像になる。その衝撃と楽しさを知る作品となりました。

また池波作品からは、余韻を残し、読者に想像する余地を与えるような、文字と文字の間を読み解く文体を教えてもらいました。
読んでいると自然と映像が浮かぶ…だから映像化されることが多いのかな。

「鬼平」が面白すぎて、「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」も読みました。

どちらも繰り返しドラマ化されていますよね。それらもよく観ました。
「雲霧仁左衛門」は原作は未読です…映像化は山崎努版が大好きでした。原作に近いのは中井貴一版だとか。原作と映像化の差を楽しむのも、いいですよね。

「鬼平」に登場する料理がどれも美味しそうで、後に料理本「池波正太郎の江戸料理を食べる」「池波正太郎・鬼平料理帳」も読んだりしました。

「鬼平」は、さいとう・たかを先生が漫画化していて、そちらも大好きで読んでいます。



こうして振り返ってみると、氣になった本を起点に、いろんなアンテナを張るようになっていったのですね。


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そんな流れで。

次回は、いろんなアンテナを張る要因になった本たちを更にご紹介します。


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 7つのテーマ 

1日目【さわり】読むことを学んだ本たち。←イマココ

2日目【ころぶ】アンテナの方向性に変化を与えた本たち。

3日目【のびる】読むを発展させてくれた本たち。

4日目【よりみち】食指が動きまくった本たち。

5日目【のぼる】読む目的を持って漁った本たち。

6日目【きする】結局、これが好きだと氣づいた本たち。

7日目【しんてんち・ふか】新たな世界観を学んだ本たち。


補足1:
事情により義母の家にいるので、ご紹介する本は私が撮ったものではなく、密林や出版社の紹介写真になりますことをお許しください。 


補足2:
バトンをお渡しする人を特定しません。ご紹介していく本をみて「あ、私もやりたい」とワクワクした方がいらしたら、どうぞチャレンジを始めてみてください。


読書好きによる読書好きの為の時間になりますように。
未来の読書好きに捧げます。