季節の変化と体 3 〜野口裕介(ロイ)先生講義録〜
≪野口裕介(ロイ先生)講義録より≫
季節の変化と体 その3
冬の季節というのは他の季節より体の動きの幅が足りなくなっています。要するに冬ごもりをしてしまうわけですけれども、栄養が過剰状態になって体を動かさないでいると、体が鬱滞してきます。
その鬱滞してくる感じというのは、肩の脇の部分、水掻きの部分ですけれども、そこを観てみると分かります。
触ってみて水掻きが分厚い感じになっているのは、運動不足状態を示しているのです。皆さんもちょっと隣の人を観てごらんなさい。
水掻きの部分がボテッと分厚くなっている状態を私たちは「体液の流れが悪くなっている」と言っておりますけれども、春先になると圧倒的にそういう人が多いのです。
ここがもう腫れぼったい感じになっている。それと同時に肩甲骨という処がギュツと張り付いた感じになって動かなくなるのです。
背中がなにかベニヤ板みたいな感じになって、まっ平な感じになってしまっている。そしてさらに骨盤を観てみると、骨盤の動きはすごくギクシャクしていることが多いのです。
中略
そういう場合に肩甲骨はがしという操法をするのです。(女の人の場合には骨盤の動きから整えないとなかなか反応がないのですけれども)
そうすると上胸部の力が抜けた感じになるのです。そして頭に昇っていた血が下にすっと降りる感じになります。
春先の時期になるとそういうことが必要になる人がたくさんいるのです。
水掻きの処が腫れぼったく分厚くなっていて、肩甲骨が張り付いた感じになっている人は、肩に力が入ったままになって抜けなくなってしまう。
上胸部が弛まなくなってしまうのですね。そうなると神経はたかぶり、頸椎の二番というところがこんなに歪んでくるような感じになってしまう。
すると本来は一年のうちで一番よい楽しい時期であるはずの春が、すごく辛いものになってしまうのです。そういう時に、この肩甲骨はがしをして、上胸部の力が上手にすっと抜けた感じになると、春が実に快く過ごせるようになるのです。
写真 by H.M. デジカメ