75歳になりました 5/ 平野公子
ここ数ヶ月、新型コロナウイルスはどこの国にも等しく誰にも等しく、多大な禍を降り注いでいる。
ウイルスの姿は見えない、良い事も悪い事もけたたましく情報だけが行き来する。実に騒がしい。特にテレビがひどい。私見たくもない。
もう勘弁して欲しいよ、おぼっちゃんたちの政治家なんて引っ込んで欲しい、とは80歳タクシードライバーのぼやき。
ウン、まさにそれだ。いいとこ突いてる。
もう、これ以上自粛しなくちゃならないなら、おれ商売やめるわ、50年にぎってきて、最後がこれかぁ、は寿司屋のおやじさん。
金が回らないことも閉店決心のポイントだけど、いっせいに客足が遠のいたのが無念らしい。そりゃそうだ。
誰でもコロナにかかったら死ぬんでしょ? 一歩も家からでられなくなった、4、5軒先のご老人。
もともと足が悪く出歩くの少なかった人だけど、完全に引き蘢ってしまった。
わたしはほぼ以前と変わらない生活をしてる。スーパーにも行くし、商店街でフラフラ歩き回り、本屋にも開いてる喫茶店にも入る。
ギリギリ閉鎖前の美術館、庭園、温泉にもれなくでかけた。それなりに注意はしているが自粛しない高齢者なのだ。
こんなときに街の様子や巷の言葉を聞かずにおれるもんか、て気持ちががどうしても出てきてしまう。ワルイ性格です。
たしかに不安はわかる、恐いのもわかるが、それでも工夫しながら暮らして行けないか、ということをずっと考えていた。
地方には野山も海も畑もあるのだし。市内でも県内でも動き回れる場はいくらでもあるのだから。
学校もこんなに一斉に休校になるとは、、、、。クラスごとの青空学級にしたらどうか、なんていうのはお気楽すぎますか?
だって家の近くの公園に、体力もてあまして遊ぶ子どもたちをみていると、とっくみあって汗びっしょりで遊んでいる、メッチャ三密ですぞ。
何処の街でもみな家の窓しめきってるしな。
なんか庶民がそれぞれ出すべき知恵も工夫もできずに過ぎてる気がしてる。
そこが一番の心配といえば心配、庶民の力量が落ちてるというか。
平野公子
メディアプロデューサー
「マルテの学校」企画運営
https://twitter.com/sora_kita