結局、世界って何次元? 数式から学ぶ
こんにちは。今年からこの小林研究室でお世話になる、学部3年の重田です。不束者ですが、よろしくお願いいたします。
このブログを見ていただいているということは、皆さんある程度物理に興味があって知識も豊富なのではないかと思っております。
まだまだ大学で物理の世界に入ったばかりの自分が宇宙やらブラックホールやらの話をするなんてとても恐れ多い。
そのようなところは”今のところ”先輩方のブログを頼りにさせていただきます。いつかは自分の力で皆さんにお話ができるように勉学に励んでいきます。応援していてください。
では自分はどんな人相手にならためになるお話ができるでしょう。
まあ、高校生や新大学生に対してなら許されるのではないか。少なくともその道は通ってきたし。
よって今回は大学で物理を学んで、物理にさらに興味が湧いた時の話をしていきます。
これは私が学部2年の頃、後の恩師となる小林先生の授業を受けていた時のことです。
「世界が3次元なのは力が逆二乗則に従っていることからわかる。」
とおっしゃっていました。
はてはて、なんのことだろうか。
逆二乗則というのはここでは値が距離の二乗に反比例するということです。確かに今まで習ってきた力、万有引力やクーロン力はこのような性質を持っているのは皆さんもご存知でしょう。
ではなぜこうなるのか。実は高校の電磁気の分野で触れていると思います(自分はほとんど忘れていたなんて言えない)ので、そちらの方で話していきます。
ファラデーが考えた電気力線、電荷から等方的に出される便宜上の線ですが、これの密度と電場・クーロン力が比例しています。密度ということは面積で割らなければいけません。さて、世界を3次元とするなら電気力線は球形に伸びていくはずです。よってある距離rでの表面積4πr^2で割ってあげると、逆二乗則になりそうです。そしてこれは万有引力でも同様に言えます。
このことは実験的にも古くから認められていて、今ではかなり高い精度で確認できているそうです。
これを知って自分は結構物理のことを知った気になってさらに知識をつけたくなりました。
そこで見つけたのが講談社から出ている村田次郎さんの「「余剰次元」と逆二乗則の破れ」という本です。
おいおい、せっかく世界のことをわかった気でいたのにもう破ってしまうのかよ、と思いました。
本との出会いは一期一会。買って読んでみるとそこには新たな知らない世界が広がっていました。
強い力と弱い力を加えた4つの力と逆二乗則の関係性、その中でも極端に弱いとされる万有引力の特異性、さらに現代物理学の二大巨頭とされる量子力学と相対性理論について、もはや3次元より高次に行ってしまった超弦理論などなど。
そういえば小林先生も本当は9次元?10次元?とかおっしゃっていたなあ。
たった一つの逆二乗則というトピックを深めるだけでこんなにもわからないことがあるのだと自信を少し失いながらもやる気に満ちてきました。
こうして私は小林研究室に入り、物理屋に憧れる1人となったのです。
皆さんもちょっとしたハテナから物理の深みにどっぷりと浸かっていってくれることを願っています。では。
しげた