平均値の魔術 -血圧の問題 〜野口晴哉先生語録〜
2020.05.11 02:34
《野口晴哉語録より》
平均値の魔術 -血圧の問題ー
前文略
ところが血圧などの問題で、その平均値を使っているために、無理に血圧を下げる。下げたために脳軟化症になった人は沢山いる。
つかえている処は血圧が高くないと巡らないのです。その血圧を下げてしまうと、頭へ行く血液が行かなくなり、頭の中が霜焼けのようになって、軟化症状を起こす。
つまり、血圧が低いまま脳溢血状態になることです。近来急速にそういう人が増えてきました。平均より低いというので、もっと上げるようにすると、脳の血管が切れるとか、いろいろな問題があります。
だから半身不随という予後症状は少しも減っていない。考えるとおかしいのですが、このような平均値の魔術にかかっている人は意外に多いのです。
血圧など、そのように無理に平均に合わせようとすると、毀してしまう。むしろ、その血圧状態が、自分の体を無事に保とうとする体の努力の表われと観るべきで、無理しないでも血が巡るようにしてやることを考えた方がよい。
その意味で、私は活元運動をすすめます。動けば血の巡りが良くなる。良くなれば血圧は必要以上には高くならない。活元運動をするとみんな血圧が下がる。
心臓が心機亢進を起こしているような人でも、活元運動が出ると一緒に鎮まってしまう。
心臓を静かにしたり、呼吸を静かにする運動があることは、おかしいのですが、実際にそうなってしまう。
心機亢進なども体の運動なのです。体の一部が暴れているというのは、体のバランスが全体としてとれていない為にそうなるだけで、活元運動を行えば、体のアンバランスは自然に調整される。血圧にしても、それが一番良い下がり方である。
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