【奈良県】奈良公園(奈良市)
総面積660ヘクタールを誇り、東大寺、春日大社、興福寺など世界遺産を擁する奈良公園は、明治13年に開園の都市公園。
毎年のように観光客で溢れ返る有名スポットなので、知らない人は少ないだろう。
何よりも広大な芝生で約1200頭の鹿が生息し、東大寺境内や公園内の道路にまで俳遊する光景は、日本の都市公園どこを見回しても他にないだろう。
【奈良県】奈良公園「東大寺南大門」(奈良市)202005
建立当時の門は応和2年に台風で倒壊し、現存しているのは正治元年に再建されたもの。
門内左右には運慶作の金剛力士像が安置されている。
東大寺南大門の金剛力士像
【奈良県】奈良公園「東大寺鏡池」(奈良市)202005
東大寺大仏殿の南側に広がる大池が「鏡池」で、文字通り水面に大仏殿の姿を大きく映す。
【奈良県】奈良公園「東大寺金堂(大仏殿)」(奈良市)202005
堂内に安置されている本尊「廬舎那仏像(大仏)」とともに聖武天皇の発願により建立されるが、2度の戦火で焼け落ち、現存しているのは江戸時代の再建。
大仏殿は宝永6年に落慶され、高さ46.8メートルの本瓦葺寄棟造。
大仏を拝顔するには拝観料が必要だが、訪問当時はコロナによる自粛のため拝観休止中で、中門から撮影。
【奈良県】奈良公園「東大寺法華堂(三月堂)」(奈良市)202005
東大寺は大仏殿を含め戦火で焼失の度に再建された建造物が少ないが、法華堂は数少ない天平年間建立の建造物。
元々は東大寺の前身寺院である金鐘寺の「羂索堂」。
【奈良県】奈良公園「東大寺二月堂」(奈良市)202005
東大寺は二度もの戦火に見舞われており、特に大仏殿はその度に焼失している。
一度目は治承4年の平重衡、二度目は永正10年の松永久秀による兵火である。
「二月堂」はそのいずれにおいても焼失を免れたが、寛文7年に失火で焼失してしまう。
現在の建物はその直後の寛文9年に再建されたものである。
二月堂内からの眺望 大仏殿の屋根が見える 奥には奈良市街
二月堂 表参道(上)裏参道(下)より
【奈良県】奈良公園「東大寺参道」(奈良市)202005
東大寺大仏殿まで向かう参道沿いには古い佇まいを残した土産屋さんが並び、鹿が堂々と寛いでいる光景は定番である。
鹿は春日大社では「神使」と呼ばれるほどに神聖な扱いで、その一方で天然記念物に指定されているので、むやみに触れたり餌付けすることを戒められている。
しかし、参道で売られている鹿煎餅だけは例外で、観光客や地元民が煎餅を与える光景はお馴染だ。
【奈良県】奈良公園「興福寺」(奈良市)202005
東大寺とともになら公園内を代表する寺院が「興福寺」。
天智天皇8年に藤原鎌足の病気平癒祈願のために建立された山階寺が起源で、平城京遷都の際に現在地に移転、建立された。
現存する金堂や東金堂ともに応永33年に再建の国宝だが、明治維新の際の廃仏毀釈の際に売りに出されて薪にされかかっていたというのは意外な事実である。
興福寺五重塔
【奈良県】奈良公園「猿沢池」(奈良市)202005
興福寺に南に広がる猿沢池は修学旅行をはじめ観光客が多く集まるスポットの一つだろう。
池の多くに興福寺五重塔が控え、それが水面に映る光景は観光ガイドでも多く紹介されている。
猿沢池のすぐ南に広がる街並みが、いわゆる「奈良町」である。