病気と私 46 釣りと就職
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(スマホで閲覧される方のために)
1990年(24歳)
----- 福島 -----
1989年~診療所勤務(医療事務)
1990年~知的障害児施設勤務(庶務会計)
魚釣り
高校生の時までは、父とマブナ釣りばかりしていたのだが、兄が実家に戻ってきてからは、渓流釣りを教えてもらい、町内の山奥の渓流に通っていた。
就職のことで、福祉施設の理事長に私のことを話してくれた人が、釣り場のすぐ近くに住んでおり、漁協の役員で稚魚の放流などに関わっていた人だったので、最初の頃は鑑札を借りて釣りをさせてもらっていた。
魚釣りは、基本的には釣れなければ面白くないものなので、釣れない日があると、どうして釣れないのか、どうすればいいのかと考えながらやることになる。
始めは、買ってきた餌でやっていたのだが、どうしても釣れないと、沢に入って川虫を取って餌に使うようになり、そうこうしているうちに、毛バリを使った釣りなど、色んな釣り方に手を出していくようになる。
釣りがどんどん面白くなってくると、道具を自分で作ってみたくなり、毛バリは、買うと値段が高いものだったので、是非とも自分で作って使いたいものだった。
東京で世話になった叔父さんの兄が実家の近くに住んでいて、この人も釣りが大好きな人で、ヘラブナ釣りでのすくい網を「もみの木」を乾燥させて手作りしたり、ヘラウキを羽から作っていたりと、職人がやるようなことを何でも自分でやってしまう人だった。
これまでは、趣味の話しなどはしたことがなかったのだが、毛バリの縛り方を教えてほしかったので、連絡を取り、さっそく自宅にお邪魔して作り方を教わった。
これをきっかけに毛バリ作りの師匠という位置づけとなり、しょっちゅう家にお邪魔して、釣りの話をしたり、道具の作り方を習ったりするようになった。
兄はフライフィッシングをしていたのだが、私が行く沢は、小さくて雑木の障害物が多かったため、テンカラでの釣りを始めた。
提灯釣りでイワナを狙うのはあまり好きではなく、竿より若干短い程度の道糸で、浅瀬を流してヤマメを釣るのが好きだった。
それと、毛バリはドライのみで、ウェットフライは使わなかった。
自分で作った毛バリで魚が釣れると、それまでにはなかった特別な感動があった。
毛バリづくりと、ヘラ浮きを作る作業は、冬の間にやっていたので、実際の魚釣りができない時期でも、物作りをしていることで、一年中釣りをしているような状態になっていった。
1991年に転職をしたため、引っ越しをすることになった。
転職の理由のひとつは、町の診療所の臨時雇用が、一年を過ぎても正採用にならなかったことだった。
それと、そもそも実家に住むようになったのは、兄が実家には戻らないという前提だったので、私が結婚して、実家に住むようになってしまっては、兄が戻るに戻れないような状態になってしまうとも考えた。
(父は、兄が実家にはいつ帰ってくるかもわからないと言っていたが、兄はいずれ実家にもどって両親の世話をするつもりだと言っていたのだ)
そして、転職の最大の理由は、私が学生の時に自分の施設で働かないかと声をかけてくれた理事長が、どうしても自分の所で働いてもらいたいと、何度も打診して来たことだった。
父は、当初せっかく町の診療所で勤務を始めたのにと、あまりいい印象はなかったようだったが、一年が過ぎても現職での正採用の見通しがないことが分かると、転職をすることも仕方ないものと納得したようだった。
父自身が、郵便局の臨時採用が何年も続いたため、その辛かったことを、私にも経験させるのは嫌だったのだろうと思う。
理事長が私を気に入った理由は、採用試験の時の面接と論文だったらしいのだ。
これまでに、数多くの職員を採用してきたが、あんな奴は一人もいなかった。
喜んで採用しようと思ったら、それができないということを知ってとてもがっかりした。
就職を世話してやると言っておきながら、採用してやることができなくて、可哀そうなことをしたと、いろんな人に話をしていたらしく、どうしても自分の施設に私を務めさせたかったということだった。
今後、結婚するなら、兄が跡を取る実家にいたのでは、何も良いことはないぞと言われ、お世話になりますと返事をすることになったのだ。
自分にはそれなりの自信はあったが、そうまで言われると、正採用の見込みもない職場にこだわる意味もなく、施設職員への採用を断る理由も見つからなかった。
施設の職員も、臨時採用の期間を設けて正採用となるのが通例だったらしいのだが、私の場合は臨時の期間が全くない上に、診療所勤務の1年間を給与調整した上での正採用だったため、施設長なども驚いたと言っていた。
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