WE NEED PINK - 様々な顔をもつピンク
ピンクといえば、
「ローズピンク」
「サーモンピンク」
「チェリーピンク」
「カーネーションピンク」など、
様々なピンクがあります。
ピンクは、誰もがよく知る色の名前ですが、
英語の「PINK」とは、ナデシコ科ナデシコ属の総称でもあります。
「ナデシコ」の花は、日本では万葉集にも登場する程、古くから親しまれている花で、
「ナデシコ」の花の色のような明るいピンクを「撫子(ナデシコ)色」といいます。
中国に由来する「石竹(セキチク)」を「カラ(唐)ナデシコ」というのに対し、
日本に自生する「カワラナデシコ」が「ヤマト(大和)ナデシコ」です。
「大和撫子(ヤマトナデシコ)」とは、
清楚で美しい女性を形容する言葉ですが、
繊細な糸のような明るいピンクの花びらが、可憐に凜と上を向いて咲く姿から、
昔の人々は、楚々とした女性の姿を思い描いたのでしょうか。
「立てば芍薬(シャクヤク)座れば牡丹(ボタン)歩く姿は百合(ユリ)の花」も、
美しい女性を形容することわざです。
シャクヤクとボタンは、いずれもボタン科で花姿もよく似ていますが、
シャクヤクはスラリと伸びる茎にドラマティックに花が咲き、
ほんのりバラのようなフローラルな香りがします。
一方のボタンは分枝した横向きの枝に花をつけ、
その美しさから着物や陶磁器、漆器などの文様にも多く描かれています。
シャクヤクにもボタンにも花色はいくつかありますが、
中でも紫みを帯びたあざやかなピンクが代表的。
美々しい芍薬の立ち姿や、優雅に座る牡丹からは、
大人の艶やかさが感じられます。
ピンクは色域の広い色です。
「撫子色」のように明るいピンクもあれば、
「牡丹色」のようなあざやかなピンクもあります。
「ベビーピンク」は赤ちゃんのお洋服の定番カラーでもあるように、
とても柔らかで繊細な印象のピンクです。
「ストロベリーピンク」からは甘酸っぱさや可愛らしさを感じます。
南国に咲く「ブーゲンビリア」の花のようなトロピカルなピンクは、
見ているだけで心踊るようです。
色から幸福感や愛を感じる人が多いのも、ピンクという色の特徴。
やさしさ、繊細さ、やわらかさ、かわいらしさ、
女性らしさ、華やかさ、エレガントさ、あでやかさ…、
様々な顔をもつピンクは、いつも私たちを元気にしてくれる色ですね。
(SATOMI)
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